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187. デスアーミースパイダーと人工透析

デスアーミースパイダーの毒に対して、解毒ポーションがきかないという事象が発生。

その状況に国王は…

187. デスアーミースパイダーと人工透析


最近冒険者の間では、1つ大きな問題が発生している。

ビアリッツのダンジョンで、新種のアーミースパイダーが出現し、

なんと解毒ポーションが利かないのである。


アーミースパイダーの腹のところに赤帯が2本あるタイプが新種で、

こいつがその無毒化できないもので、名前をデスアーミースパイダーと名付けられた。


ビアリッツのダンジョンの最下層には、キングトラウトサーモンが大量にとれる地底湖があり、

漁業営団の死活問題となっている。


漁業営団は退治の依頼を出しているのであるが、かまれると治療ができず、

志望する案件が多発しているのである。


イスナルドとリアは被害を受け、死亡した冒険者の死体を前に頭を抱えていた。

そのようなとき、国王が医療学校にやってきた。


「つまり解毒ポーションの血清が利かないと?」


イスナルド「そうなんです。訳が分からなくて。」


リア「死亡者が相次ぎ、この依頼を受ける人がいないんです。」


イスナルド「死亡した人間の血液を見ると異様にカリウム値が高いんです。

4.0を超えているんです。正常値の4倍なんです。」


話を聞いていると、これでは毒を受けた冒険者は急性腎不全を起こし、

尿毒症や敗血症性ショックを起こして亡くなったということになるが。


治療法は…。


前世で知事秘書の1人、中村君が糖尿病で腎臓を悪くし、人工透析を受けていたことを思い出した。

そのため、3日に1回は病院通いしていたのである。


「そうだ!人工透析だ。」


イスナルド「え?」


「尿毒症や敗血症症状が出始めているPt.(患者)は、血液の成分が異常状態になっており、

老廃物除去や水分量・電解質維持ができなくなっている状態なんだ。

これらは腎臓という臓器で行われており、デスアーミースパイダーの毒は腎臓の機能不全に襲われる。

そのため外部から血液の正常な成分を維持する必要があるんだ。」


イスナルド「理屈が分かりますが。」


国王はいつもの黒板に装置の図を書く。


カニューレをPt.につなぎこの装置とつなぐ方法(血液透析)もあるが、短時間に血液浄化を行うため、体への負担が大きい。


そのため、腹膜透析を考える。

腹部にカニューレを設置し、グルコース透析液によって、老廃物をろ過する方式である。

Pt.が1日に数回透析液を交換する方式であるが、一番の問題はカニューレの細菌汚染である。


そのため、この対策としては解毒ポーションから抽出した、ペニシリンを透析液に含ませることとする。

これでもし腹膜炎などを併発した場合、入院措置で処置を行えばよい。


このことをイスナルドに説明したところ、何とかわかってくれたようだが、

リアは???である。


「つまり、デスアーミースパイダーの毒を受けた冒険者は。すぐに医療院に向かい、

腹に管を設置する処置をとる。そして1日に数回透析液というものをこの管から注入する処置をとる、

管の接続部が腫れてきたら、すぐに医療院に入院する。この対応をとるということ。」


リア「分かったわ。」


国王はイスナルドに、この処置中の腎臓機能の回復についての試験を依頼した。


でないと、この処置をずーと続ける、いわゆる慢性腎不全となるからだ。


このあと、この処置が一般化してから、死亡する冒険者は激減した。

そして、デスアーミースパイダーの毒は、慢性腎不全を起こすものではなく、

2週間ほどで、改善するものであることもあわせて、わかった。

作者のうしねこです。

解毒ポーションがきかないメカニズムを化学的かつ医学的に解析し、

前世の人工透析という方法で解決した国王でした。

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