178. タンクローリーの開発
石油が大量に必要になり、安全に大量の石油を輸送する車を開発することになります。
178. タンクローリーの開発
いろいろな実験を繰り返しているうち、試験的に採取してきた石油が残り少なくなっており、
リウマポリから、トラックを使いドラム缶で定期的に運ぶ体制が整っているが、もっと大量に、
安全かつ効率的に運べる様、タンクローリーの開発を命じた。
会議室に集まったのは、いつものメンバー、シモーネ、アシモフ、イリーナ、オスマン、
そしてアリシアである。
「ドラム缶でトラックを使い輸送した場合、輸送時の揺れで不安定になったり、
石油の積載時に手間がかかったり、何よりも輸送積載量が少なく課題が多い。
ということで、石油を運ぶ専用の車両を作る。」
いつものように黒板に概要設計図を描く。
内部がいくつもの仕切り版で仕切られていて、輸送時の揺れから重心が傾き、
走行に影響が出ない様、防波板を設置する。
タンクは4キロリットルが6つ。
タンクの上部には50㎝位の円形の蓋がある。
これは、タンクを空にして清掃できる構造とする。
そのほか、ポンプでホースを使い、
各タンクに入れたり、排出したりできる機構とする。
このポンプは電気走行モータ系統から電力を供用する。
そして、万が一の時のため、ポンプの電力なしに中の石油を排出できる非常コック排出弁を設ける。
そのほか、各タンクの残容量が確認できるゲージを取り付ける。
これは、小さい穴に細長い棒を出し、付着した石油で確認する方法をとる。
あとはイルン~リウマポリまで、片道2000㎞あるため、運転室の後部に居住エリアを設け、
寝台や水と火の魔石を使った、シャワー・トイレエリア、小さいリビングエリアを設ける。
シモーネ「ドラム缶で運べる量とはけた違いに多いですね。」
イリーナ「重量があるので、タイヤを増やさないとダメですね。」
アシモフ「運ぶものが危険じゃから、燃えにくいものを使わなければだめじゃな。」
オスマン「重量があるから、速度は出せませんね。平均60㎞/hとすると走り続けて35時間ほど、
休憩を考えると片道、3日半ですか。往復1週間の工程ですね。」
アリシア「あのポリメリト~リウマポリの山道が課題ですね。道の改良工事をしないと。」
イリーナ「製造はイルン新製鉄工所で行います。」
「とりあえずは1日2便とすると1週間の工程なので、予備車も含め30台の製造が必要だ。
あとは、石油の貯蔵設備と製油施設だが、イルン空港に近い、ウエスカに設備を建設しようと思う。
空港まで高速道路があるので、ギエフ民国まで高速道路を延伸した場合、交通の便が良い。」
「このウエスカ製油所でタンクを先に建設する。ここに石油関連製品の研究施設も設置しようと思う。
樹脂原料も石油から作れるので、ここ一体を石油関連製品の工場団地にしようと考えている。」
この打ち合わせの後、5か月後にタンクローリーの初号車と貯蔵タンクが完成。
試作した石油蒸留設備も含め、ウエスカに石油製品研究部門が移動することになる。
作者のうしねこです。
石油が大量に必要になり、タンクローリーを開発することになりました。
それに付随する設備計画も具体化しつつあります。




