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174. 採取した原油と天然ガスの採掘、輸送、精製方法研究会議

リウマポリでとってきた、天然ガスと石油のサンプルを今後大量採掘し、利用するための作戦会議が開かれています。

174. 採取した原油と天然ガスの採掘、輸送、精製方法研究会議


ギエフ民国の視察から帰ってきて翌日、天然ガスと石油の採掘と油田建設、輸送方法、製油所の建設について、

関係者にいつもの会議室に集まってもらった。


関係者は、アリシア、ゼナ、王子、ヒシーニ、シモーネ、ディアンヌ、イスナルド、アシモフ、オスマンの面々。


まずは、天然ガスの採掘から話をする。


天然ガスは地中のガス層にあり、掘削しガス層まで到達させる。ここから出てくるものはガスのほか、水分、油が混じって出てくる。

そこで、セパレータで原油とガスに分ける。油は重いため、蒸留器のような装置で簡単に分けられる。

そして水分も分けられる。水分は地中の圧力を保つため、地中にモータで圧力をかけ、戻される。


さらにガスの水分を分離するため、グリコールを使用し、その後、硫黄や二酸化炭素、水銀、硫化水素などの他の不純物も、

アミン溶液や活性炭を使って除去される。


そうして不純物の取り除かれたガスを-165度まで下げ、液体化させる。


「ということでディアンヌ、1件質問なのだが、水の魔石で-165度まで下げられる氷の魔法というのはないか?」


ディアンヌ「絶対凍結魔法というもので、-180度以下にする方法がありますが、少なくともCランク以上の水の魔石が必要です。

これで、100リットルを48時間冷やす能力があります。」


「ガスの採掘精製所で冷やして、LNG船や貨物タンク列車に積み込む際、丸みを帯びたタンクで絶対凍結魔法で冷やし続ける。

そんな方法はないか?」


アシモフ「まずタンクの外部からの断熱ですね。空気の層を持った、

何重にもなっているタンクに、絶対凍結魔法で冷却し続ける配管の装置が必要じゃ。

温水ヒータとは逆で、くねくね曲がったパイプを冷却し続け、

そのパイプの中を低温液体の天然ガスを流し続ける装置を搭載するのだ。

LNGを循環させるために、低温でも耐えられるポンプが必要となる。」


アシモフ「鉄道の貨物タンクも同様の構造が各車両で必要じゃ。」


「運ばれた天然ガスは冷却し続けたタンクか、気密性の高い地中の層に蓄える必要がある。

後者の方がコストがかからないが。」


ヒシーニ「地質調査が必要ですね。」


「地下の機密地層タンクにガスを送り込む装置と、出す装置が必要になる。」


ヒシーニ「分かりました。地層の調査をします。」


アシモフ「セパレータやポンプ、LNG船や貨車のタンクは決定する。」


「あと、天然ガスを最終的には発電所で使う。具体的にはガスを燃やし、川の水を温め、その蒸気で発電タービンを回す。

温めた水は、周辺住宅の暖房や、温水プールに使える。」


そう説明して、実際に図を描く。


アシモフ「この発電所も設計するのじゃな。」


あ、そうだ、サンプルにガスを約200瓶とってきた。


イスナルド、ガスの成分を分析してくれないか?


イスナルド「分かりました。」


「あとは石油だ。石油は、ナフサや灯油、軽油、重油、タール、アスファルト等が精製できる。

ナフサは溶媒やガソリン、プラスチック等になる。灯油や軽油は暖房の燃料や、機構期のジェット燃料になる。

ジェットエンジンをつけた航空機は時速800km/hで飛ぶことができる。

重油は高出力が求められる、大型船のエンジンに使用することができる。

アスファルトは、石と混ぜ、道路に引くことにより、時速150㎞/h以上でも走れる道路の材料となる。」


アシモフ「どれもすごいものができるのじゃな。」


「石油はまず、この黒いドロッとした液体を温め、蒸留する。比重の小さいものから順に蒸留され、

初めに出てくるのがナフサ、灯油、軽油、重油、最後に残ったものがアスファルトとなる。」


黒板に絵を描きながら説明する。


「実は重油をとった残りの油には、減圧しながら蒸留すると、アスファルトのほかに、軽油がまだ絞れる場合があり、

この機構を使って、軽油を分離する。

残ったものは高速で走れる道路の建設材料に使用しよう。」


ヒシーニ「大がかりな設備が必要ですね。」


アシモフ「複雑な設備になりそうじゃな。」


「これが製油所だが、掘削は石油の層まで掘削し、ポンプでくみ上げる。くみ上げた石油は常温でタンクで運べる。

船も貨車もそんな複雑な装置にはならないと思う。」


「ということで、イスナルド、アシモフ、悪いが、外のバスの樽の中に原油のサンプルが入っている。

イスナルドは成分分析、アシモフは製油所を作るための精製方法の確立を頼む。」


イスナルド「分かりました。」

アシモフ「了解じゃ。」


会議の後、お土産を配布したのだが、オスマンだけ買い忘れたことに気づき、

別途自分用に購入した小さなじゅうたんを渡した。


作者のうしねこです。

天然ガスと石油からはいろいろなものが作られ、採掘から精製まで、関係者が集まり、作戦会議を行っているようです。

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