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166. ギエフ民国の訪問6_リウマポリに到着

ようやく山を越え、リウマポリに到着。町の総督の邸宅を訪れる。

166. ギエフ民国の訪問6_リウマポリに到着


明けて翌日。

あたりが明るくなってきたころ、目が覚めた。


バスは山道をカーブしながら下っている。


コンパートメント側の部屋は山側で、すぐ近くに崖が迫っているが、

部屋を出て、通路側の窓を見ると、川が見えない深い谷となっている。

もちろんガードレールなどなく、ハンドルを間違えたら谷底に落ちること間違いない。


給仕室のキッチンに行き、コーヒーを見つけたので、自分で入れて、通路側の折りたたみ椅子に腰掛け、

乾燥して、植物がほとんどない谷の景色を眺めながら、コーヒーを飲む。


「おはようございます。」


声のした方を振り向くと、シモーネがネグリジェのまま、こちらを向いて立っていた。


「ちょっと待っていて。」


そういうと、キッチンに行き、コーヒーをもう一つ入れて、シモーネに渡す。


シモーネ「ありがとう。」


お礼ののち、隣の椅子に座る。


「…」

無言がつづく。


「2人でゆっくりと旅行ができたらいいのだけれど。」

シモーネ「わたしも。」


背中に手をかけようとしたところで、ドアの音がガチャっとなる。

慌てて手をひっこめ、少し離れる。


「おはようございます!」

元気な声が聞こえる。


エリスだった。


白っぽい寝巻にナイトキャップをしている。

ナイトキャップの脇から長い耳が出ている。

しかし、右耳が先っぽが折れ曲がっている。


「…。アリシアは?」


エリス「もう起きています。」


「着替えようか。」


一度各自部屋に戻り、着替える。

着替えが終わってしばらくしてから、女性陣のコンパートメントに行く。

ちなみに王子はまだ就寝中。


「はいっていいですか?」


アリシア「どうぞ。」


部屋に入ると3人が着替えを済ませ、コンパートメントの折りたたみ2段ベッドが片づけられ、

テーブルと椅子が出され、そこに座っている。


「王子はまだ寝ている。」


エリス「そうなんですか?」


「でもまだ6時過ぎたくらいだから、7時の朝食前まで無理に起こさずに、寝かせておこうと思う。」

「でも、山を超えるのに時間がかかるんだな。もう8時間以上も山道を走っている。」


エリス「いつも馬車だと、朝早くにふもとの集落を出て、夜遅くに越えられる、そんな感じです。

もう何回もリウマポリには行っているので。」


「そうなんですか。」


アリシア「私はまだ1回しか言ったことがなく、ポリメリトから船で丸1日かけて移動しましたわ。

船だと、馬車のように窮屈でなくていいのですが、強い海のモンスターがいて、

その時は心配で寝れな買ったです。船長が『クラーケンがいるから』と脅かすので。」


もし、リウマポリでとれるのが原油で、ここから運ぶ場合、この山脈を鉄道で通過するよりは、

しばらく船でポリメリトまで運び、そこから原油貨車に詰め替え、鉄道で運ぶ方法をとらないとだめだな。

トンネルを作るには時間がかかる。


しばらく話していると、王子が起きてきて、朝食となった。


朝食はクロワッサンとスクランブルエッグとソーセージ、サラダ、アップルジュース。


ゆっくりと会話をしながら外を眺めていると、集落を通過する。


エリス「ここで山道はおわりです。」


話を聞くとあと200kmほどで、リウマポリとのこと。


谷がなくなり、川と植物の無い景色は続くが、

土地が平坦で道はまっすぐになる。


バスはスピードを上げ、80㎞/h出す。


3時間弱でリウマポリに到着する。


赤茶けた岩を積んだ城壁に、これまた赤茶けた岩をレンガ状に加工し、積み上げた家が所狭しと建ち並ぶ。

人々がごった返している市場もある。

雰囲気は前世でドーハやカサブランカに行ったことがあるが、

こういった中東やアフリカのスーク(市場)の様相を呈している。

沢山の人はバスをよけながら、大きいバスが珍しく、眺めている。


エリスの案内で、この町の総督の邸宅に向かう。


町の中を走っていると、物珍しさに、住民が続々と出てくる。

ヴィウリやポリメリトまでは車を見かけるが、この町は車、ましてやバスを見たことがないらしい。


人を引かない様、ゆっくりと20㎞/h以下で走り、

やがて、白い壁に囲まれた、総督の邸宅に到着する。

門の前で一旦停止し、アリシアとエリスが説明する。

バスは総督邸の敷地に入っていく。

白い大きい住居と、プール、ナツメヤシ?の木が生えており、

中東の邸宅といった面持ちがある。


バスは、建物の正面玄関に停車する。


作者のうしねこです。

長い泊りがけのバス旅を終え、一同疲れを感じている様ですが、このリウマポリという町、

前世の中東の街並みに似ており、建物も中東のデザイン。

国王はこの町にますます興味を持った様です。

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