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149. モンリュソン半導体工業都市の設立へ

<真空管の課題点>

真空管はサイズが大きい

フィラメントなどの寿命が短い

消費電流が大きい

衝撃に弱い

スイッチング速度が遅くばらつきがある

等々

149. モンリュソン半導体工業都市の設立へ


車でモンリュソン市街地の市庁舎まで戻ってくる頃には、すっかりと周りは暗くなっていた。


カルノフ「市庁舎の中に歓迎式開場を設置しております。こちらへどうぞ。」


市庁舎1Fの会議室を改装した歓迎式開場には、テーブルが置かれ、食器がすでに並べられていた。

ただ、テーブルは大きな円卓である。


くるくる回るターンテーブルではないものの、前世の中華テーブルが思い出される。


席についてしばらくすると、給仕がワインを持ってきてくれる。


カルノフが乾杯の挨拶を行った後、今日の成果について話をする。

特になぜ、石英を採取、集めたのか、だ。


「最近、ここ1年とちょっとで車や、洗濯機、掃除機などの家電、

建設機械等、多くの物が出てきているが、実はこれらは今『真空管』という部品を使っている。


ただ、真空管は大きく、フィラメントなどの寿命が短い、消費電流が大きい、

衝撃に弱い、この部品が高い等の課題がある。


そこで、このトランジスタは『真空管の代替部品』となるもので、これらの問題を解決する。」


流石にここで、コンピュータの制御基板になるとは、現時点では話ができない。


この石英を加工し、シリコンインゴットというものを作り、それをスライスすれば、

トランジスタの原料シリコンウェハーができる。


この時、微細なごみをとる必要がある。


「このシリコンウェ..、ではなくて、トランジスタの原料は微細なごみがあると、

本来意図していた電気が流れず、または短絡し、使い物にならない。

まずはイルン設計事務所で半導体の製造プロセスの検証を行い、ここモンリュソンに、

半導体の研究所と製造工場を作りたいと思う。

電力や水も容易に手に入るし。」


カルノフ「ここモンリュソンが、この国の半導体の製造拠点になるということですね。」


「そうだ。」


カルノフ「研究所と工場の建設拠点は、モンリュソン温泉線沿線にしましょう。

交通の便と原料の採掘に不便でないところに。」


「その点は任せた。」


「あとはクリーンルームの設計だな。こちらも設計事務所で検討を行おう。」


「半導体を作るのに、塩素や水素のガス、

水酸化カリウム等の化学材料とダイヤモンドカッター等の精密工作機械が必要になってくる。」


半導体を作るとなれば、こういったものを作らなければならず、その設計や製造拠点も必要になる。


こういったものの研究と製造、そこで働く人の需要は大きい。


イルンの町は、車等の製造で震災後からのすばやい立ち上がりと、経済規模の増大に成功したが、

モンリュソンは半導体工業都市となる(前世のシリコンバレーの様に)と考えている。


今回この歓迎会にいる人は、技術畑がおらず、難しい話は理解されない?が、

あとでイルンに戻ったら、シモーヌとアシモフ、化学材料はイスナルドに相談しよう。


「ところで市長、市の技術者で今後モンリュソン半導体工業都市立ち上げのため、

設計事務所に滞在してもらい、半導体の基礎研究や製造について、参加してもらいたいのだが、

人選をしてもらえないか?」


カルノフ「こちらからお願いをしたいくらいです。」


歓迎会は、食事というよりは、この様な半導体工業都市立ち上げの話のランチョンとなり、

粛々と行われた。


この日は、市庁舎の隣の冒険者ギルド経営の宿屋で宿泊。


風呂なしの2Fの中世の宿屋である。

やっぱり温泉のあるホテルは必要だな、と思う。


明けて翌日、市長に挨拶をした後、イルンの町に戻る。

作者のうしねこです。

トランジスタを作るには、化学薬品や精密加工機械などの需要が生まれ、車の製造の様に複数の関連産業が必要となってきます。複数の関連産業が生まれるということは、たくさんの科学技術や、働く人の雇用が生まれ、その国や都市の経済規模が大きくなるということ。

国王はそこを考え、モンリュソンを半導体工業都市にしようとしている様です。

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