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148. モンリュソンの各施設建設予定地視察と石英の発見

<視察箇所>

温泉リゾート施設

地熱発電所

イオウ採掘場

148. モンリュソンの各施設建設予定地視察と石英の発見


2日前、モンリュソン市の地熱発電所と温泉街のプレゼンを各大臣や営団長の前で行った後、

実際にモンリュソン市の現場を視察することとした。


イルンから車で2時間半、まずはモンリュソン市の市役所を訪れる。


建物は3階建ての石造りの建物であるが、この間の地震でひびが入り、

隣に新庁舎を建設中である。


建屋内部に入ると、市長のカルノフが出迎えてくれる。


カルノフ「国王、ようこそいらっしゃいました。」


「カルノフ、視察に来たが、ここもかなり地震の被害を受けたようですね。」


カルノフ「そうなんですよ、イルンほどではありませんでしたが、建屋のあちこちにひびが入ってしまって。

今、10階建ての新市庁舎を隣に建築しているところなんですよ。」


「忙しいところ申し訳ないのだが、今日、温泉リゾート施設、地熱発電所の建設予定地とイオウ採掘場の視察をさせてもらう。」


カルノフ「分かりました。」


まず、市役所から25分くらいの温泉リゾート施設予定地を訪れる。

谷間が開けたような地形で、川が流れている。

川の崖の一部から湯気と温水が流れ出している。


ここの山の斜面に面したところに住宅がいくつかあったようだが、地滑りで今は無くなってしまったとのこと。

無事な住民は市街地に移住をしたとのこと。


「ここに鉄道を通し、駅を立てる。道路も整備し、片側2車線の道路と、駅前に広場を建設する。

その向かいに温泉ホテルと日帰りの露天風呂、温泉プールを建設する。ホテルは16階建てのビル3棟規模の物を予定している。」


カルノフ「斬新すぎてイメージがまだわきませんが、ここで働く人が必要ということですね。」


「そうだ。」


「あとは、ここから狭くなった渓谷を上っていくと、蒸気が上がっている地熱地帯があるということだな。」


カルノフ「はいそうです。山の中腹に集落があり、その近くに地熱地帯があります。」


ここから車1台がやっと通れる渓谷沿いの険しい山道になる。

車はゆっくしとスペードを落とし、登っていく。

この道沿いに所々小さな集落が現れる。


カルノフ「ここの住人は、この道路を生活道路としているのです。」


1時間近くかかり、その地熱地帯最寄りの集落に到着。


「カルノフ、ここまでの通りを整備して、車が通れる片側1車線づつの通りに整備したほうがよい。

あとは、ここもいたるところで温泉がわいているところがあった。

ここも観光地にした方がよい。観光地化した場合、鉄道が必要だが、山が急なところなので、

さっきの駅から車両の長さの短い山岳鉄道としよう。

これらインフラと発電所建設について、国からも支援する。」


カルノフ「ありがとうございます。」


さて集落であるが、ここは山肌が緩やかなところで、300人くらいの集落が形成されている。

この集落の上の方で、湯気が上がっているところがある。


「ここか?」


カルノフ「そうです。」


集落を通りこし、しばらく進むと、地熱地帯が現れる。


この一帯、植物が育たず、山の岩肌が露出し、蒸気や温泉、イオウがいたるところにある地帯となっている。

幸い、傾斜はそんなに急ではない。

3か所で、時々お湯と蒸気が吹きあがる、いわゆる間欠泉もある。


「地熱発電所が立てられそうなところだな。あの岩肌を建設機械で掘削し、パイプを通す。」


ヒシーニ「少し危険なので、魔法で掘削する手もあります。」


ヒシーニ「あとはあのあたりに発電施設を建設し、制御室は、先ほどの集落からも制御できるようにする、ですね。」


「そうだ。」


パウラ「発電量はその発電所に4基のタービンをの受けるとすると、イルンの水力発電所の8倍の電力が発電できそうですね。」


「ここだけでは将来的に電力不足に陥ると思うが、しばらくは余裕ができる。」


カルノフ「ここでも発電所を動かし、メンテナンスする人が必要になってくるということですね。

ここの住民だけでは足りませんね。」


「先ほどの集落に高層住宅を建て、発電所職員はそこに暮らすことになると思う。

あとは、鉄道ができれば、町から通勤できるようになる。」


パウラ「発電した電力は併設の変電所で調整したのち、高圧電線で、イルンの町まで送るということですね。」


「いや、イルン~西砦間に高圧電線を敷設しているが、そこに増線すればよいと思う。」


さて、発電所の次に、イオウの採掘場に向かった。


「やはり、あの道路がボトルネックだな。トラックが通れる様にしないと。

あと、鉄道で採掘されたイオウを運ぶ、というのも考えないと。」


イオウはブニを使い、ゴムを精製したり、プラスチックを作る等のシーンで、必要な材料である。


そうこう話している内にイオウ採掘場へ到着。

集落から15分ほどの距離である。


ここは蒸気も湧き出していなければ、温水も沸いていない。

ただ、所々の岩がまっ黄色である。


作業員が手彫りでイオウ岩を採掘している。


「ここも採掘機械を入れた方がよいな。ユンボとか。

そして、鉄道をここまで伸ばす。」


そして機械化して、労働者の負担を減らす。


カルノフ「そうですね。」


一通りの視察を行い、ふもとに戻る途中、ふと、石英がごろごろする岩肌を見つけた。

先ほどは車の山側に座っており、気づかなかったが、今度は谷側で、

谷の途中から谷底にかけて、石英が沢山あるところを見つけたのである。


「ちょっと車を止めてくれ。」


少し道が広いところで車を止めてもらい、慌てて石英のあったところへ走る。


石英は、電気を通すと発信する性質を持つ。

前世の日本では、電気回路の発振子として用いられていたが、

この石英を還元して、高純度の金属シリコンがつくれる。


それに、塩素ガスや水素ガスを使い、モノシランやトリクロロシラン等の生成物でき、

トリクロロシランから単体のシリコンを析出させれば、多結晶シリコンロッドができる。

いわゆる半導体の材料である。


いまは真空管を使い、電子回路を設計しているが、小型化、スイッチング反応速度向上など、

トランジスタができれば、大きなメリットがある。


「これは予想外の大きな収穫だ。石英をできるだけ持ち帰りたい。採掘を手伝ってくれ。」


夕方で暗くなりつつある中、1時間位、みんなで石英の採掘にあたる。


「ありがとう。これは何か、市役所で行われる夕食会で説明する。」


車の荷室に採掘した石英をたくさん積んで、ふもとに向けて再度、車は走り出した。

作者のうしねこです。


半導体の材料となる石英を偶然発見した国王。

この石英で半導体を作ることができれば、新たな電子機器を作ることができます。

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