14.ドワーフ製鉄工所の宿題
<製鉄工所への依頼案件>
‐鉄筋建築の試作、材料と工具の対応
-製鉄工所の拡張検討
-上水道設備の設計
-学術指南所の建築
-ブルツブルグ川橋梁の建築
-輸送車両と軌道の開発
-銀行支店の建設
-鉄筋住宅の検討
-医療学校の建設
-ドワーフ製鉄工所の設計研究事務所建設
-お金と株券の偽造防止機構付き印刷機開発
14.ドワーフ製鉄工所の宿題
製鉄工所へ向かう途中でイリーナが、
「やること多くて死にそう。」
という。
今、製鉄工所にお願いをしているものは、
‐鉄筋建築の試作、材料と工具の対応
-製鉄工所の拡張検討
-上水道設備の設計
-学術指南所の建築
-ブルツブルグ川橋梁の建築
-輸送車両と軌道の開発
-銀行支店の建設
-鉄筋住宅の検討
-医療学校の建設
-ドワーフ製鉄工所の設計研究事務所建設
-お金と株券の偽造防止機構付き印刷機開発
である。
「国から人材を応援に出すから。」
「シモーヌが大臣になって、人材不足なのよ。」
とイリーナはいう。
確かに製鉄工所の負担が大きくなっていることは否めない。
技術設計のことなら何でも屋になってきている。
こうこう話す内に製鉄工所に着く。
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いままさに、数本の10m級の鉄骨材が作られていた。
「鉄筋建築の土台試作用と橋梁の鉄骨です。錆びないようにメタルリザードの体液を薄めたものを塗布していますが、入手に対し、費用がかさんで。」
「国から出します。」
私は言う。
エポキシ系などの防錆材はすぐには作れないか。
有害ではあるが、鉛系防錆材なら原料はある。鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛あたりか。錬金術研究所に、あることはある。
でも、有害だからなあ。躊躇する。
「橋脚などの改修に土木工事が必要です。」
あと、土台の穴を10mくらい掘る必要もある。
魔法導力研究所に相談してみるか。
イリーナに魔法導力研究所に相談する旨を伝える。
所内にはボルトの試作がすでにいくつか転がっており、まだ溝がないものである。
「これからダイス治具を作り、溝を作ります。」
とイリーナは言う。
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一旦、イリーナとともに製鉄工所を出、市場に一緒に食事に行く。サンドイッチと木のカップに入ったオレンジジュースを買い、ブルツブルグ川沿いのベンチで一緒に食べる。
一般市民、国王の顔を知らず、まさか国王がこんなところでサンドイッチを食べているとは思うまい。
「シモーヌはどうしても城に行かなければならないの?」
と、イリーナが言う。
「復興に対し、これほどのキーパーソンはいないからなあ。」
「理屈でもわかっては、いるんだけれど…」
「私たち姉妹はずっと一緒だったから。父はドワーフで母は人間で、父が製鉄所の事故で無くなり、母も心労でその後を追い、身内は姉だけだから。」
「…」
「両親がなくなり、製鉄工所を継いで、2人でやってきたのよ。」
「…」
重苦しい空気が流れる。
何とか2人で働ける場があればと思うが、大人ではある。
距離が近いので、すぐ会える環境ではあるのだが。
慣れてもらうしかないかとは思う。
そのような空気の中、イリーナと別れ、いったん城に戻る。
作者のうしねこです。
シモーヌとイリーナの過去が少しわかる回ですが、国王、護衛なしに街中を歩き回り、大丈夫なのでしょうか?




