136. 時限爆弾
C-4爆薬特徴
衝撃により爆発せず、火気でも爆発しない。雷管がないと、爆発を起こさない。
輸送時などで、雷管と分離すれば、安全に輸送できる点。そして何よりも爆発力が大きい。
136. 時限爆弾
爆発事故の後、医療学校の会議室に、アリドラ、シモーネ、アシモフ、
そして医療院からかえってきた、イスナルドが集まった。
イスナルド「国王、この度は本当に申し訳ありません。」
「重症の研究員の様子は?」
イスナルド「あちこち骨折していますが、幸い命をとりとめることはできました。」
私は、なぜ大爆発を起こしたのか、仮説を説明した。
ヘキサメチレンテトラミン生成中に間違って、RS-RDXを生成してしまったこと、
ファイヤーピストン(空気を圧縮して発火させる、マッチの様なもの)と電子雷管を間違って使用してしまい、
静電気で大爆発を起こしたことである。
その上で、C4爆薬を説明する。
「この火薬は、衝撃により爆発せず、火気でも爆発しない。雷管がないと、爆発を起こさない。
輸送時などで、雷管と分離すれば、安全に輸送できる点。そして何よりも爆発力が大きい。」
「爆発の原因となった、絶縁型電子雷管は静電気で発火の恐れが大きいのでダメだ。」
「ただ、ゼンマイ式タイマーなどを使用し、時差的に爆発させる機構を考えた場合、電子式遅延雷管が良い。
いくつもの時限式爆弾を同時に発破させることもできる。」
構造を説明する。
「ゼンマイで時間を設定し、その時間が経過すると、雷の魔石から気爆薬に通電し、導爆薬が発破、
この衝撃により、周りの粘土状のC4爆薬が発破する。」
アリドラ「これはすごいですぞ。湿気に強く、兵士が退避してから発破することができる。
それに、デルフィン国王のおっしゃられていた、
土魔法で堀を作り水魔法でその堀に水を満たす魔法を詠唱する環境下でも、
この爆弾を投げて、遅延で爆破し、詠唱者を願うことができる。」
シモーネ「爆薬部分以外にも、ゼンマイで設計した時間で、
確実に通電させる信頼性が必要ということですわね。」
アシモフ「雷管部の完全防水や落下時の衝撃に耐える様に設計しなければならないわけじゃな。」
シモーネ「これ、鉱山にも使えませんか?湿気に強いということで、不発確立を大幅に減らせると思いますわ。」
「軍事や鉱山だけでなく、山間部の崖切り崩し道路工事の現場や、
古い建物を壊す時、モンスターを攻撃する武器としても使用できる。」
「ただ、危険物には変わりないので、厳重に管理しなければならない。国からの製造番号と取扱者管理制にしよう。」
2週間後、次元爆弾の試作品が完成した。
早速タイマーを2分に設定し、試験を行ってみる。
黒色火薬より、衝撃波が大きく、爆速などは速い。
この日以降、軍には標準装備され、軍事力強化と
建設現場や鉱山現場ではさらなる効率化が図られることとなった。
作者のうしねこです。
新たなC-4爆薬による、時限爆弾ができたことにより、軍事用途だけでなく、
工事現場や鉱山現場などでの平和利用にも生かされます。




