122. 西方の義理の父来訪5_この国のモノづくり現場
<新製鉄工所視察現場>
製鉄ライン、鋳造ライン、要素部品を加工するライン、
木工ライン、セメント製造ライン、
ガラス加工ライン、工業機械を生産するライン、家庭機械を生産するライン、
建築部材を生産するライン、樹脂成型、車両製造ライン
122. 西方の義理の父来訪5_この国のモノづくり現場
墓参りの帰り、政府庁舎ビルの第2執務棟4階レストランで、豚骨ラーメンの昼食をとる。
クリストフ「?!、これは何という食べ物ですか?!、今まで食べたものの中で1番美味しい。」
キャロン「温かいクリーミーなスープに、この面が適度な柔らかさで美味しいのよ。」
クリストフ「あとでどうやって作ったか、教えてもらえませんか?国に帰っても作ってみたいので。」
デルフィン「…。」無言で食べている。
3人麺の替え玉も注文し、非常においしそうに食べてくれた。
昼食の後、新製鉄工所を見学する。
工場につくと所長のイリーナが迎えてくれる。
イリーナ「ようこそいらっしゃいました。」
義理の父らは会議室に案内される。
そこで映画動画+レコードに記録された音の工場開設ビデオを上映する。
この動画には3人はとても驚く。
解説はこの工場で作られているものの紹介ビデオだが、
動画に驚き、あまり内容が頭に入っていなさそうである。
あとで、イリーナが説明する。
イリーナ「この工場では、製鉄ライン、鋳造ライン、要素部品を加工するライン、
木工ライン、セメント製造ライン、
ガラス加工ライン、工業機械を生産するライン、家庭機械を生産するライン、
建築部材を生産するライン、あと一部車両も作っています。
実は車両の受注が急激に増えていて、この工場でも作ることになりました。
では早速、これら製品を作っているところをお見せします。
」
小さな8人乗りカートに、義理の父ら3人とイリーナ、運転手、
私と王子、ホファーは乗り込む。
イリーナ「まず製鉄ラインから案内します。
トラックで鉱石がこちらに運び込まれ、製鉄され、高層ビルの鉄骨、鉄板、ワイヤ等になりますが、
治金に成型される場合もあります。こちらでは、鉄や銅、ミスリル、アダマンタイト等の精錬が行われています。」
イリーナ「鋳造ラインでは、砂を固めて作った型に、高温で解けた鉄などを流し込み、冷やして、
成型します。形が複雑な部品などが、この方法で作られます。」
イリーナ「要素部品を加工するラインでは、切削やプレス等で、歯車やモータの要素部品などを作ります。
その際、フライスや旋盤といった加工する機械を使います。」
イリーナ「木工ラインでは角材や丸材を電動のこぎりで加工したり、板を接着剤で溶接して、合板を製造します。
住宅の床材や柱材等を作ります。あとは、チェストやクローゼット等です。
大量に同じ規格で作るので、コストは安くなります。」
イリーナ「セメント製造ラインは、鉄筋建築には必要な部材です。
砂と水を混ぜ、成型すれば、その形の石壁や床ができます。
鉄筋建築は先ほどお見せした、鉄筋と呼ばれる鉄の棒を曲げ、形を作り、
そこからこのセメントで作られたコンクリートを流し込めば、鉄筋建築ができます。
その部材です。」
イリーナ「ガラス加工ラインは、大量に板ガラスを製造するラインで、
つい最近フロート法という新しいコストの下がる製造法を確立しまして、
この方法で作られています。
融けたガラス材を平らに伸ばしながら、徐々に冷やし、
ある程度の長さで、切断する方法です。」
イリーナ「工業機械を生産するラインは、先ほどお見せした旋盤やフライのほか、
自動機織機、かんずめ製造機等、様々な分野の産業機械を作っています。」
イリーナ「家庭機械を生産するラインは、電気コンロ、照明、魔石冷蔵庫、魔石冷暖房機、
掃除機、電気ポット、洗濯機、電話、等々です。
今新しく作られようとしているのは、樹脂を使った、水分を吸い取る掃除機と、電動で歯を磨く歯ブラシです。」
イリーナ「あと、最近、樹脂というものを成型するモールドラインを増築しました。
軽くて、水に影響せず、ほぼ劣化しない材料です。高温で成型したい型に、その樹脂を溶かした物を流し、
冷却して取り出せば、その形の樹脂部品が出来上がります。鋳造と同じ原理ですね。」
イリーナ「建築部材を生産するラインもあります。鉄筋や合板も建築部材ですが、
ドアや窓枠、壁紙、シンク、水洗トイレの便器、風呂桶等、生活に必要な物を作っています。」
イリーナ「車両もここで作っています。
ここでは、一般乗用車やたくさんの人が乗れるバス、工事車両の製造を行っています。」
イリーナ「大体ここで製造されているのは全てです。」
デルフィン「…。すごいな。わが国にはまったくないモノばかりだ。
まるで未来の世界に来た様だ。」
クリストフ「私が留学して、これらを学ばないでしょうか?」
キャロン「何言ってるの?」
デルフィン「お前なら言うと思った。」
クリストフ「父上、ここの技術は国民を豊かにする技術になると思います。
我が国の国民を幸せにする技術です。例えば洗濯機や掃除機は、
我が国の女性の労働時間を減らすことができる。
裕福とはお金だけではなく、自由に使える時間も裕福な条件と思います。」
デルフィン「ローレント国王、済まぬが王子の留学を認めてもらえないか?」
「分かりました、実はギエフ民国アリシア王女も今、我が国に留学に来ています。
医療学校と設計事務所に今通っています。」
デルフィン「後ほど、そこも視察したい。」
「分かりました。」
デルフィンは、イリーナにお礼を言い、次の視察先である、
北医療院に移動する。
作者のうしねこです。
義理の父ら3人は新製鉄工所に痛く感銘を受け、クリストフ王子の留学が決定した様です。




