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スキル『育毛』が最強チートだなんて、誰が想像できたというのか?  作者: 桜霧琥珀
一章 育毛って、そんなスキルあり!?
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07 育毛スキルで育毛




 というわけで。まずは育毛してみよう。


「どうすりゃ使えるのかな……とりあえず、念じてみるか」


 生えろ~、生えろ~~!


 とまあ、念じたことで僕の手の高から毛が生えてきた。


『――育毛スキルを発動しました』

「うわっ!?」


 急に頭の中に声が響いてきて、ついびっくりしてしまった。

 ……よくわかんないけど、スキルを使ったことのアナウンス的なものだろう。


 育毛スキルを発動しましたって言ってたし。


 でも、アナウンスがあるなら他にもいろんな補助機能みたいなのがあるかもしれない。

 ちょっと試してみよう。


 育毛スキルで出来ること、教えろ~!

 教えろ~~……教えてくれ~~!


 おっ、念じてたら出てきた!

 ステータスオープンと同じ感じの、光の板が出てきた。

 そして、そこには育毛スキルの詳しい説明が書かれていた。


『育毛スキルとは、様々な毛を自在に生やすことの出来るスキル。生やすことの出来る毛はレベルが上がるごとに種類が増える。毛の最大数に制限は無いが、一度に生やすことの出来る本数はレベルに応じて変わる』


 ふむふむ、なるほど。


 ……それだけ?


「……はぁ。まあ、正直期待はしてなかったけどさ」


 僕はそう呟いてから、手の甲に生えた毛を引っこ抜いた。

 まあ、育毛なんてスキルに期待した僕が馬鹿だったよ。


「真面目に走り込みするかぁ」


 とりあえず今できることはそれだけ。

 頑張ろう。



 ……で、ランニングをしながら思いついた。

 育毛って、別に僕の身体に生やす必要なくね?


 自由自在に生やすことが出来るなら、例えば相手の身体のどこかに生やすことだって出来るはずだ。

 上手く相手の邪魔になるように毛を生やして……戦闘に有効活用できるかも?


 まあ、どう活用するかはまだ考えてないんだけど。

 とりあえず、自分の身体以外に毛を生やせるかどうか確かめよう。


 僕は訓練場の壁に向かって、毛が生えるよう念じた。

 すると――見事な一本の毛が壁から生えた。


『育毛スキルを発動しました』


 どうやら僕の予想通り、育毛スキルはどこでも生やせるスキルらしい。


 次に、壁の向こう側――存在するはずの廊下に生えろ、と念じてみる。

 ……が、何のアナウンスも発生しない。


 見えている場所じゃなきゃ、生やすことが出来ない?

 いや、重要なのはイメージなのかもしれない。


 というわけで、今度は僕が今住んでいる倉庫の床に生えるよう念じてみる。


『育毛スキルを発動しました』


 どうやら上手くいったようだ。

 はっきりとイメージできる場所なら、目で見ていなくても問題ない。


 よし――次は何本まで同時に生やせるか試してみよう。

 できるだけたくさんの毛が生えるよう念じてみる。


『育毛スキルを発動しました』


 僕の手の甲に、十本の毛が一度に生えた。

 レベル1では、この程度が限度かぁ。


 ぷちぷちと毛を順番に引っこ抜き、片付ける。



 その後、色々試してみたけれど、とくに新しいことは分からなかった。


 毛をどこまで伸ばせるか試したら、10センチ程度が限度。

 連続でどれぐらいのペースで発動するかについては、毛が伸び切った後ならいつでも再発動可能。


 とまあ、特に気にすることのないごく普通の結果に落ち着いた。

 ……こんなスキル、どうやって有効活用すんの?


 血管とか心臓に毛を生やして即死スキル!

 とか考えてみたけど、血管や心臓の中を想像することが出来ないので無理。


 せいぜい、剣を持った相手の手のひらに毛を生やして滑らせる程度が限度だろう。

 幼馴染の神剣術とか、マドンナの完全回復とかと比べたら絶対弱い。


 まあ、二人のスキルの詳細なんてまだ分からないんだけど。

 でも毛を生やすよりはずっといいだろう。


 こんなスキルで――これから僕は、どうやっていけばいんだろう?

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