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スキル『育毛』が最強チートだなんて、誰が想像できたというのか?  作者: 桜霧琥珀
一章 育毛って、そんなスキルあり!?
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03 ステータス




「それでは、話がまとまったようですし。さっそく皆さまには勇者の力を確認してもらいたいと思っています」


 王女様はみんなを見回しながら言う。


「ステータスオープン、と唱えてください。そうすれば、皆さまの力を確認できるようになります」


 言われたとおり、クラスのみんなは口々にステータスオープン、と呟いていく。


 すると、呟いた人の目の前に光の板のようなものが出現する。

 どうやら、その光の板にいろいろな情報が乗っているようだ。


 さて、僕も挑戦してみようか。


「ステータスオープン」


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


名前:雪広駿

レベル:1


HP:200/200

MP:100/100


攻撃力:100 防御力:100

魔法力:100 器用さ:100

敏捷性:100 運命力:100


スキル:『育毛』レベル1


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 ……このステータスは、強いのか?

 いや、まだなんにも分からないな。


 でもそれより、スキル『育毛』ってなんだ?


 生やすの?

 ハゲ治療できるの?


「――ねえねえ駿ちゃん! ステータスどんな感じだった!?」


 僕がステータスとやらを確認しているところに、麻衣が突っ込んでくる。


「えっと、僕は」

「アタシはね、こんな感じ!」


 そう言って、僕の話も訊かずに自分のステータスを見せてくる麻衣。

 僕は麻衣のステータスが書かれた光の板を覗き込む。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


名前:赤坂麻衣

レベル:1


HP:1000/1000

MP:300/300


攻撃力:450 防御力:200

魔法力:100 器用さ:300

敏捷性:500 運命力:400


スキル:『剣術』レベル38 『神剣術』レベル1


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 ……つっよ。


 え、普通に僕より強くない?


 っていうか何、神剣術って。

 カッコよくない?

 うらやましいんだけど。


「麻衣、めっちゃ強いじゃん!」

「でしょでしょ? で、駿ちゃんは?」

「……ひ・み・つ♥」

「いやいや、可愛く言ってもごまかされないぜ?」

「いや……正直、自分でも信じたくないぐらいだから見せられないっていうか」


 っていうか育毛ってなんだよ。

 僕にだって説明しようがねえよ。


「――駿くん。麻衣さん。ステータスは確認した?」


 僕と麻衣が言い合っているところへ、藤宮さんが近寄ってくる。


「そういう藤宮さんはどうなのさ?」

「私はこんな感じだよ」


 麻衣に言われたからなのか、藤宮さんもステータスをこちらに見せてくれた。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


名前:藤宮咲夜

レベル:1


HP:600/600

MP:500/500


攻撃力:150 防御力:150

魔法力:600 器用さ:300

敏捷性:200 運命力:400


スキル:『神聖術』レベル29 『完全回復』


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 いやいや。

 だから強いって。


 なに?

 僕より攻撃力も防御力もあるの?

 いくらなんでもひ弱そうな女子の藤宮さんより僕のほうが低いってありえなくない?


 確かに僕はモブ男子だけどさ、さすがに男子の平均ぐらいの体力はあるよ。

 なんで藤宮さんより下なの?

 死ぬの?


「へえ、藤宮さんのスキル、レベルが書いてないね?」

「うん。よく分からないけど、そういうスキル? らしいね」


 藤宮さんと麻衣はまるで自分たちが普通のように話してるけど、なんなの?

 普通に強いよね?

 いや、僕が弱いだけ?

 違うよね!?


 慌てて僕は、周囲のクラスメイトの話に耳を傾ける。


「そっちは最高でいくつ?」

「300だよ。そっちは?」

「ちっ、俺は250だわ」

「でもお前、最低でも150はあるじゃん」

「まあな。そっちは100かよ」

「まあそうだな」


 とまあ、話を聞く限りステータスのほとんどが100しか無いやつはほぼ居ないみたいだ。


 ……僕、もしかして弱いのでは?

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