68話
中々外に出かけるにも気をつけないと行けないので大変ですね(´・ω・`)
皆さまもお気をつけてください。
教えてもらった乾かす魔術はほとんど魔力を消費しないようで魔力が少ないマリでも問題なく使えるようであった。
「私が魔術覚えられるなんて嬉しい〜!」
「俺の風魔法と違って加減しなくても大丈夫みたいだな」
「…できた…」
「ミーシャンちゃんもちゃんと覚えられて偉いな」
「…うん…」
ミーシャンは少し微笑んで嬉しそうであった。
ヒロに褒められる事が嬉しいようで、ヒロの為に健気に頑張って色々な事を学ぼうとしているミーシャンである。
マリはこの魔法で商売を始めようと色々妄想していたが、ミーシャンが褒められるのを見てむくれていた。
「私も頑張って覚えたんだけどな〜?」
「マリも偉いなー」
「心がこもってない!」
「まぁまぁマリちゃん、ヒロくんも照れてるのよねぇ〜?」
ティルは元々使えたようなので覚えるフリをして、みんなが頑張ってる姿を見てニヤニヤしていた。
ティルはお姉さんぶる所が多く見られ、ヒロ、マリ、ミーシャンの面倒を見たり相談に乗ってくれたりしてくれる。
「さて、用事も終わったからどこか出かけるか?」
「ヒロ〜、商店を見て回りたいな〜!」
「何か探し物か?」
「う〜ん、商売のお勉強で見てみたいの」
「マリそんな事してたのか?」
「一人でお出かけする時結構見て回ってたんだよぉ〜」
「みんなも一緒に行くか?」
「…いく…」
「私もついていくよぉ〜♪」
マリの商店巡りは大きい商会から露店商まで様々な所を見る事になった。
本来大きな商会に入るのは庶民では難しいが、Aランク冒険者証と袋いっぱいの金貨をアイテムバッグから出して見せたら途端に丁寧に対応して貰えたのでちょっとした物を買っていった。
マリはあまり相手によってあからさまに態度を変える事に怒っていた事はヒロ自身もいい印象を持たない。
逆に小さい露店商の人で良心的価格で良質な食材を出している人もいてマリは何やら色々聞いて考えたり、喜んだりしていて離れた所から見ていると微笑ましくヒロは感じた…悪徳な店ではマリが指摘していたら店を畳んで居なくなったりと色々勉強になったらしい。
「楽しかった〜!」
「それはよかったな…また貰ってきたのか?」
「お客さんと回りの露店商の人を脅してた悪い人を追い払ってくれてありがとう〜って行ったらくれた!」
「はぁ、まあ程々にしろよ」
「大丈夫!ヒロから貰ったお金で買ったから」
「あんまり無駄遣いするなよ?」
「ヒロだってよくお魚買ったりしてるでしょ?高くても」
「あれはクゥのご飯の為に買ってるから無駄遣いなわけないだろ!」
ヒロが熱く語ったのでマリのお勉強は終わったのであった。
その頃、冒険者ギルドでは別な問題が浮上していた。
「ギルドマスターを情報屋として使うなんて、あいつくらいだよ」
「マスター、こちらが現在までの成果です」
「ありがとう〜……確かに何か引っかかるわね」
「お茶をどうぞ」
「ありがと、まぁ私には関係ないからいいよね〜」
「マスター!大変です!」
「どうしたのいきなり!」
「それが…王国から来ていた貴族と騎士が海の方へ!」
「はぁ!今は出航制限をかけてるでしょ!」
「どうやらかなり上級貴族で止める事が出来なかったと…」
ギルドマスターはこの世の終わり…そんな顔をしていた。もしこれで貴族に何かあった場合、領主そしてモンスターによる被害なので当然冒険者ギルドにもなんらかの責任を取らせる事がある。
したがってギルドマスターも軽く済む事はないのである…
「すぐにヒロ達を召集!船の準備もさせておいて!全員の仕事を一旦中止にして、準備を手伝うように!」
「わかりました!」
慌てて走る受付嬢を見ながら、彼らにどうお願いするか考えるギルドマスターがいた。
ちなみにその頃ヒロは帰ってクゥと遊んでいる時でもあった。




