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57話

遅れたごめんなさい！(´・ω・｀)

なかなか書くペースが上がらなくて…

　ウォルナ教の勇者と名乗るケンはリーダーを跡形も無く始末した後、ヒロ達には特に何もしないつもりの様だ。

「邪神に騙されるなんてかわいそうだね」

「邪神と言われても心当たりがこっちにはない」

「それは君が認識をいじられてるからじゃないかな…女神に聞いて上げるからまたね」

「おい！」

　ケンと名乗る自称勇者は何処かに消えてしまった。もう一人の人質の女性は何が起きたのかわかっておらずポカンとしていた。

「はぁ、何なんだあいつ…大丈夫か？」

「はっ！はい、大丈夫です！」

「そ、そうか…みんなも無事か？」

「大丈夫〜！」

「…へいき…」

「大丈夫よぉ〜♪」

「じゃあ戻るか」

　イマイチ状況を理解出来ていないヒロだったがとりあえず人質だった女性を連れてノルヤに戻るのであった。

(あの気配は…)

「ティル、どうかしたのか？」

「うん？何でもないよぉ〜ヒロ君♪」

「戻ったらゆっくり休んでくれ」

「じゃあ、ヒロ君に何か買ってもらおうかなぁ〜♪」

「あっ！ずるい〜、私も！」

「…わたしも…」

「わかった、わかった出来る範囲でなー」

「大丈夫なのかしら…この冒険者さん達」

　いつもの雰囲気に女性は帰路に不安を感じたが、無事ノルヤの冒険者ギルドに着いた。

「おぉ！ヒロ無事に戻って来やがったな！」

「まぁ、何とか人質は救出したけど…一人ウォルナ教の勇者とか名乗る奴が紛れていた」

「ウォルナ教の勇者？ウォルナ教は最近この辺でも耳にするが勇者が現れたとか、召喚されたとは聞かないな」

「そうか…まぁいい」

「ヒロよ、無事に戻って来たね」

「フューリさん、人質も無事取り戻せたし盗賊団も壊滅させた」

「そうかい、ありがとう」

「もう一人なんだけど」

　ヒロがウォルナ教の勇者が化けていたもう一人の人質の事を話すと

「もう一人？人質は一人だけの筈だよ？」

「いや、もう一人男性の人質がいただろ？」

「そんな…ぅっう」

「ヒロ！婆さんどうかしたのか！？」

「分からない！もう一人の人質の話をしたら…」

　(鑑定！)

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フューリ

状態異常:記憶消去、混乱

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「一部の記憶を消されてるみたいだ…それを思い出しての混乱らしい」

「遅延魔法、もしくは条件魔法か…しかも記憶操作となると中々ヤバイ奴の様だぜ

「あのウォルナ教の勇者という奴の仕業か」

「ヒロ、一応俺もウォルナ教には警戒しておく」

「あぁ、なんか分かったらこっちにも情報を回してくれ…どうやら向こうは俺の事を知っている様だからな」

「そうか…とりあえず婆さんは俺が休ませるからお前達も休んでくれ」

「そうさせてもらうよ、マリ達に何か買ってやらないといけないからな」

「報酬の方は期待しておけ、婆さんからたんまりともらうつもりだからな」

「程々にしとけよ、商人と交渉して逆に丸め込まれないようにな」

　ヒロはフランドルに挨拶をして部屋から出た。マリ達はいつも通り食堂でご飯を食べていたが、この後も何か奢られないといけないんだろうなとヒロは内心、呆れた。

「マリ、何か買うのは明日でいいか？」

「ひょんなのダメだよ〜！」

「口の中のを食べてから喋ろ！」

「…だめ？…」

「ミーシャンちゃんはもちろんいいよ」

「私はヒロ君？」

「ティルもいいぞ」

「ねぇ〜！何で私ばっかり〜！」

「ウソだよ、マリももちろんいいぞ」

「わぁ〜い！」

　それからマリ、ミーシャンには気になっていたお菓子屋で両手いっぱいのお菓子を買い、ティルは服と香り袋を買った。それなりに掛かったがいつも助けて貰っているので大目に見た。

　翌日、報酬の件で冒険者ギルドでフランドルから話を聞く筈だったが、フューリもそこにはいた。

「フューリさん大丈夫なんですか？」

「ヒロよ、商業ギルドの長がそんなに休んで居られると思うかい？」

「俺なら普通に休みますね」

「ふふふ、ヒロは商人には向かいねぇ」

「フランドル、報酬の件でフューリさんが同席してるのか？」

「あぁ、それなんだが…」

「報酬を全額マールじゃなくてこれで一部払わせてくれないかい？」

「…これって幻封石(げんふうせき)、鑑定」

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幻封石純度:高

　幻獣クラスまでの生物、魔族、精霊の力を封印する事の出来る石。

　純度が高いほど封印出来る力が上がり、大きい程複数封印しておける。

　壊れるもしくは封印主が解くと幻封石から出る事が出来る。

　封印枠:1枠使用済み　幻龍ファリシオン封印中

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「これって人質の人が持っていた物じゃ」

「その子が手放したいと言ってのう、ヒロ達に助けて貰ったから渡して欲しいと」

「それって厄介払いじゃ…」

「そう言うでない、そこに封印されてるのは相当な筈それなら国持ちかけたら一生遊んで暮らせるぞ？」

「いえ、これは売らないで俺が持っておきます…」

「ヒロならそう言ってくれると思ったよ」

「フランドルー…」

「すまん、ヒロ…ダメだった」

「ほほほ、ちゃんとマールも出すさ…1000万マールでいいかい？」

「あれ、結構貰えるんだな」

「ヒロの実力から言えば、1億マールでも普通は雇えんよ」

　それを聞いてヒロはフランドルを睨み付けた。

「待て！これは冒険者ランクの基準で支払っていただけで騙してはいない！本当だ！」

「まぁ、坊やからしたらいきなりSランク以上の待遇は出来ないだろうねぇ」

「Sランク以上？」

「なるほど、それも言って無かったようだねぇ」

「Sランク以上なんて1000年以上出てないんだから話す必要は無いと思ってたんだよ！」

「…その辺を詳しく」

　ヒロはフランドルに詰め寄った、その姿をフューリはじっくり見ていた。