56話
すいませんまた遅れてしまいました(´・ω・`)
もしかしたら土曜日の投稿に変更するかも知れませんがその時は活動報告にてお知らせします。
ヒロ達はタラス山にあるアジトに向かっていた。今回の目標は人質を無事に救出すること、そしてエインハルという組織の壊滅もしくは可能ならボスを捕縛して背景などを聞く必要もある。
「そんな感じだけど質問はあるか?」
「…がんばる…」
「大丈夫かな〜?」
「ヒロ君無茶しちゃダメよぉ?」
「別に無茶する気も危険を冒すつもりも無いさ…探査魔法とか無いのかティル?」
「いくつかあるよぉ〜♪」
「じゃあまずこの山の何処かにあるアジトを探してくれるか?」
「はいはい〜♪」
「まずアジトの詳細な場所を見つけてから、エインハルのアジトにいる敵の数を調べてから具体的な作戦を考える事にする」
ヒロは人質救出作戦においてこちらが出来る事を鑑定でみんなを見ながら整理していた。
マリとミーシャンは、作戦の為に体力の温存…サンドイッチや片手で食べられる物を食べながら歩いている。
ティルは風の魔力で薄緑色の小さな鳥を10羽ほど生み出し、アジトを探している。
「…おいしい…」
「こっちも美味しいよ〜!」
「そんなに食べて大丈夫なのか?」
「…よゆう…」
「まだまだ食べられるよ〜!」
「…そうか、敵に見つかると悪いから少し声は抑えてくれよ」
「ヒロ君〜!見つけたよ!」
「ティル、大きな声を出すな!」
ヒロの声が一番大きかったが、どうやら敵には気付かれていないらしい。
ティルの話ではこの先の洞窟にエインハルと思わしき人間いたらしく、敵の数や大まかな配置も教えてくれた。
「見張りは酔って寝てる?」
「最初にアジトを見つけた時には寝てたよ〜♪二人共」
「…中の様子は?」
「人間の反応は15人だから、敵は13人かなぁ〜」
「人質の位置は分かるか?」
「多分、この端に2人いるみたいだからこれじゃないかな?」
ヒロは地面に洞窟の大まかな図と配置を書き、作戦を考えた。
しかし、見張りは寝ている…中ではどうやら宴会をしているらしい、果たしてこれが商業ギルドを襲った奴らの行動なのか?とヒロは疑問に思っている。
「やってる事は余り賢く無い盗賊の行動にしか思えないな…」
「ヒロ君の風の檻で閉じ込めて気絶させたら?」
「…そうだな広さ的にもこれなら人質に被害なく囲めるな」
「…きまった?…」
「 決まったよ…マリは前衛で敵が突っ込んできたら吹っ飛ばしてくれ、 ミーシャンちゃんは飛び道具を持ってる奴がいたら押さえて欲しい、ティルは人質を結界で保護、俺が風の檻で閉じ込めて気絶させる、理解した?」
「襲って来たらバァーンってやる!」
「…ばぁーんする?…」
「 ミーシャンちゃんはバァーンしないでね…洞窟ごと吹き飛んじゃうから」
「…ざんねん…」
「ヒロ君私はちゃんと分かってるからねぇ〜♪」
早速、見張りの口と手足を縛り大人しくさせて、洞窟の中へと向かった。
見張りは全く抵抗も無く無力化できた、映画の様に気絶させられたら簡単なのだが、実際良く分かっていないので多分首が折れてしまうのでそれは無しにした。
洞窟の中では楽しそうに歌っている奴、酒を浴びる様に飲む奴、何かで賭け事をしている奴がいる。範囲的にヒロの風の檻で比較的簡単に囲める範囲なので岩影から発動準備を始めた。
「行かなくていいの〜?」
「このまま発動させる………」
「…おいしいのかな?…」
「私は発動に合わせてあの奥にいる二人に結界を張るね」
「…範囲、魔力量はもう少し…、威力も抑えて…後」
ヒロが風の檻の発動準備が終わったのでみんなに目で合図した。
「風の檻!」
「風よ、脅威から守りたまえ〜!」
「な、何だてめぇら!」
「お頭!」
「きゃ!」
人質の周りに風の結界が急に出来たので女性は驚き、エインハルと思わしき奴らはグルグルと風の檻の中で回っている。
発動直前にお頭が抜いたナイフは中でスピードに乗って手下の太ももに突き刺さった様で悲鳴を上げた、とても痛そうだ。しかし犯罪者なのでヒロは特に気には留めていない。
「商業ギルドのマスター、フューリからの依頼で助けに来ました、ヒロといいます。」
「私は、マリだよ〜!」
「… ミーシャン…」
「その結界張ったの私だよ〜♪ティルって呼んでね!」
「君達が?」
「子供だけで来たの!?危ないでしょ!」
「まぁ、見た目は子供ですけどこれでも高ランク冒険者のパーティーなんですよ」
「そ、そうなの?」
何とか信じて貰えたヒロは、風の檻を解除した。半分死に掛けている様でこのままだと話が聞けない状態になってしまうからだ。ダサダサと地面に落とされた男たちは呻き声を上げながらその場に倒れている。
「さっさと縛って、フランドル達を呼ぶか」
「僕も手伝うよ…」
「ありがとうございま!」
人質の男が縛るのを手伝ってくれるようと頭の前に行くと…頭のその体は綺麗に消え、地面が不自然に綺麗に窪んでいた。
「何してるんだ!」
「ふふふ、始末しただけだよ?悪神の使徒、それとも悪神の魔王なのかな?」
「どうゆう事だ?お前誰だよ」
「僕は、ウォルナ教の勇者…地球から呼ばれた人間だよ、ケンってこっちではよばれてるよ。君達の手に邪神の封印を解く鍵を渡さないように色々したんだけど」
「邪神?何のことか分からないが…お前が全て仕組んでいたのか?」
「女神様からの神託があってね、少し記憶を弄らせて貰って商業ギルド潜入してその後盗賊が襲う様に誘導したんだ」
そのケンと名乗る同郷の男にヒロは初めて邂逅した日であった。




