53話
ごめんなさい!2時間ほど投稿予定時間より遅れてしまいました(´・ω・`)
壁の隙間に手を掛けて動かして見ると地下に続く階段が現れた。
「…このおく…」
「ミーシャンちゃんのお手柄だね」
「…うん…」
「ほらほらヒロ君行くよ〜♪」
「そこでランプ見つけたよ〜!」
「よし、行くか」
ミーシャンはヒロに褒められた事が嬉しかったらしく、普段は余り感情を表に出さないが口元は緩んでいた。
マリ、ティルは相変わらずの感じであった。
「行くしかないな…マリ、ランプを貸してくれ」
「いいけど、ヒロこんな狭いと武器出せないよね?」
「一応、神槍で魔力攻撃は出来るから何とか…やっぱりティル風のバリアを、ミーシャンちゃん確か出した武器を短時間なら渡せたよね?」
「…できる…」
「ヒロ君の為に頑張るよぉ〜♪」
「…むぅ、がんばる…」
ティルの何気ない言葉にミーシャンは対抗心を燃やして、得意武器の小型チェーンソーを渡した。
このミーシャンが渡した武器は並の金属武器を削りながら端折り、鎧も削りながら肉を断つ為魔力で作り出しているにも関わらず破壊力はマリにも引けを取らないのだ。
正直余程の相手でもない限り一撃で倒してしまうので、渡された事に内心困っていたが、折角の気持ちなので敵が現れない事を祈るしかなかった。
「あ、ありがとうミーシャンちゃん!ティルもな!」
「…ふふふ…」
「任せなさい〜♪」
「私も忘れないでねぇ〜!後ろは任せて!」
「よし!行くぞ!」
隠し扉の階段を下るヒロ達一行であった。
「結構古そうな階段だな」
「鑑定してみたら?」
「それもそうだな、鑑定」
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石階段
約120年前に作られた階段、この地に商業ギルドが出来た後上役によって作られた物。
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「どうやら、120年前くらいに当時の商業ギルドの偉い人が作ったみたいだな」
「ふ〜ん、隠し金庫だったのかな〜?」
「それなら中に人が居ても無事な可能性が高いな」
「…あれ…」
「?扉だね」
「…ひと…」
「あの中からか…」
「みんな一応どうなっているか分からない、警戒はしておいてくれ」
「…まかせて…」
「は〜い!」
「お姉さんに任せなさい〜♪」
「よし、開けるぞ」
ヒロが扉の取手に手を掛け、左手の小型チェーンソーに魔力を流し開けた瞬間動かせるようにした。
「…いないな」
「あれ多分特殊金庫だよ〜」
「…においはここまで…」
「じゃあ、あの中にいる人が生き残りって事か…開けられると思うか?」
「ヒロ君鑑定〜♪」
「あっ、また忘れてた鑑定!」
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ケリン・サンド作特殊金庫
ケリン・サンドによる鍵開けを防ぐ為に作られた特殊金庫。
魔力金属の合金と複雑な鍵穴によって道具による鍵開けはほぼ不可能、破壊可能な魔法攻撃をすると中身はまず取り出せない為実質盗む事は不可能とされている。
この金庫を見た盗賊は諦めるしか無いと言い伝えられているらしい。
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「これは普通に開けられないな…」
「…んっ!….」
「ミーシャンちゃんが開ける?」
「…んっ!…」
「じゃあ、ここを壊せば開くと思うから気をつけてね」
「…がんばる!…」
ミーシャンちゃんはヒロに渡した武器を消し、両手に小型チェーンソーを作り出しヒロが鑑定した開かない様にしている機構の部分をガリガリと火花を散らしながら削っている。
「…ヒロ…」
「魔力か…ティルどうにかならないか?」
「ヒロ君の魔力を私が調整するのは〜?♪」
「それで行こう」
「じゃあ、手を繋いで〜♪」
「…んっ…」
「これでいいのか?」
「じゃあ、私も手を繋いで〜」
輪になるようにティルが手を繋いだ瞬間ヒロの手から魔力が吸われ、ミーシャンに注がれた。
「…おぉ〜…」
「これだけ有れば余裕だねぇ〜♪」
「結構持っていかれるな、すごく疲れた」
「…まかせて…」
魔力をより込めて作り出しち小型チェーンソーはより綺麗な薄緑色になり、破壊力も上がった様で切り口も綺麗な線になっていた。
「…あいた…」
「お疲れ様ミーシャちゃん、マリ開けて貰えるか?」
「任せて〜、やぁ〜!」
金庫の扉は勢い良く開き、中には10人程々の人間が見えた。驚いてナイフを向けているが、マリを見てナイフを下ろした。
「嬢ちゃんは誰なんだい?」
「私はマリ!冒険者なんだよ〜!」
「冒険者?嬢ちゃんがかい?」
「むぅ!ヒロとミーシャンとティルと一緒だけど〜、ちゃんと私も戦えるもん!」
「あ〜、悪いなマリが言ってる事は本当だ…俺はヒロ」
「…ミーシャン…」
「ティルだよ〜♪」
ミーシャンはヒロの後ろに隠れ顔を出して名乗り、ティルは元気良く手を挙げて名乗った。
「ヒロって言ったかい?冒険者がどうして」
「まぁ用事があって商業ギルドに来たんだ、フランドルの紹介状もある…それで来たら表の有様でとりあえず状況を確認してフランドルに報告するつもりだったんだが、ここを見つけて」
「それで助けに来たと?」
「その通りだ、それで貴方は?」
「私はこの商業ギルドを仕切っている、フューリって言う…まぁフランドルは婆さんって呼びやがるがね」
「それでここにいるのが生き残りなのか?」
「多分、他の奴も死んじゃいないよ…今の所は」
「分かった、とりあえず一緒にフランドルの所に来てくれるか?その方が直ぐに動けるだろうな」
フューリと金庫にいた人達と共に冒険者ギルドに向かうのであった。




