50話
年内に4章を終える予定でしたが間に合いませんでした(´・ω・`)
賑やかな大規模討伐の祝う為食堂で飲み食いした後、みんなと宿に戻った。他の冒険者は酔い潰れている者、まだ浴びる様に酒を煽る者、フランドルに説教をされている者と様々だが、ヒロも含めてお酒はあまり飲まないのでいい気分で宿に向かっていた。
「あぁー、いい風だな」
「そうだねぇ〜、食堂の中暑かったもんねぇ〜」
「…むぅ…」
「ははは、ヒロ君モテモテだねぇ〜♪、両手に美幼、美少女なんて♪」
ヒロはマリに右手をミーシャンに左手を掴まれくっつかれていた。
「今日〜、ヒロと寝る〜!」
「…わたしも…」
「ちゃんと部屋があるんだから、自分達の部屋で寝ようなー」
「いや〜!」
「…やっ!…」
「ふふふ、ヒロ君どうするのかなぁ〜♪」
ヒロは子供もの様なマリ、ミーシャン…実際幼い姿なのだが、別に嫌いと言うわけではないが、気を遣ってそこはしっかりと分別をつけている。
「いや、どうするもこうするもいつも通りたけど?」
「えぇ〜、私とクゥちゃんは部屋で寝るからいいよぉ〜♪」
「変な気遣いをしなくていいんだよ!2人共、自分の部屋で寝るいいね」
「ぶぅ〜!」
「…むぅ!…」
「酔いが覚めたらその考えも治るだろ…戻ったら水を飲むんだぞ」
マリ、ミーシャンは不満を口にしていたがヒロは断固とした態度で2人を説得した。
「…….戻ってもいいか?」
「戻れるなら〜、戻ってもいいよ〜♪」
「…もどれる?…」
「…も、もう少しゆっくりさせてもらおうかな」
現在ヒロは、マリとミーシャンが泊まっている部屋にいるのだがこれにはどうしようも無い理由がある。
宿に戻り、部屋に向かおうとした時の事だ。
「じゃあ2人共、部屋で寝るんだぞー」
「ミーシャンちゃん、やるしか無いよ」
「…うん…」
「おやすみー」
「じゃあねぇミーシャンちゃん、マリちゃん〜♪」
ヒロが部屋に向かう為に振り向いたのだが
「……あのマリさん、これは?」
「ヒロ〜、少しお話したいから部屋に来て〜♪」
「…くる…」
「あの、物騒な物をしまってから言ってくれますか?」
「だって〜、ヒロ来てくれないでしょ〜?」
「…こない…」
「……よ、よーし、たまにはゆっくりお話した方がいいよなー」
「そうだよねぇ〜♪」
「…うんうん…」
ヒロをお誘いしているマリの手には斧が握られ、ミーシャンは得意武器の小型チェーンソーを魔力で武器化した物をヒロに向けている。
正直とても行きたく無いのだが、本気で振り回されそうだったので大人しく付いて行った。
「ここに座って〜♪」
「…すわって…」
「はい…」
「ふふふぅ〜♪」
「…ん…」
「なぁ、そろそろ武器をしまってくれるか?…」
「しょうがないなぁ〜」
「…いいよ…」
「………えっと、何を話すのかな?」
「じゃあ〜」
「…なでて…」
マリが話題を提供しようとしたその時、ミーシャンが先に動いたネコ耳、尻尾、ネコ手状態で撫でてとヒロの膝の上で横になった。
「ミーシャンちゃん?」
「…なでて…」
「ちょっと〜!抜け駆け禁止!」
「…はやいものがち…」
「裏切り者〜!」
「…だめ?…」
「うっ!…」
ミーシャンの上目遣いに可愛い半分ネコの姿が相まって、撫でずにいられなかった。
「…ん、じょうず…」
「うぅ〜!私も!」
「…じゅんばん…」
「えぇ〜!」
「はぁ、じゃあこっちならミーシャンちゃんいい?」
「…いい…」
「わかったよ〜」
膝の上でミーシャンが横になり、ヒロの左側にマリがもたれかかる。
「…すぅ、すぅ…」
「えへへへぇ〜、ヒロ〜、見られちゃうよ〜♪」
「どうやら、寝てくれた見たいだな」
マリとミーシャンの目的は一応果たされたのか、気持ち良さそうに寝ている。
ヒロは起こさない様に2人をベッドへ寝かせた。
部屋に入るとティルが出迎えた。
「あれぇ〜?ヒロ君お早いお帰りだねぇ〜♪」
「疲れてたみたいで直ぐに2人共寝たんだよ」
「ふふふ、そっか〜♪」
「……なぁ、ティル?」
「何〜?」
「なんであの時クゥが来たんだ?…」
「………分かんない〜!」
「なんだよ、じゃあ俺が助かったのは?」
「それも分かんない〜」
「分かんないばっかりかよ…俺も疲れたから寝る」
「じゃあ私も〜♪」
「にゃ〜♪」
ヒロとクゥ、ティルは仲良く1人と2匹で寝たのであった。




