SS6話 〜ミーシャンちゃん 武器創造編〜
前から少しずつ書いたショートストーリーのストックを放出出来ました。(・ω・*)
これはヒロ達、正確にはヒロ、ティルによるミーシャンのスキルをチート改造する様子を映したドキメンタリーである。
ミーシャンが〔魔力武器化?〕スキルを習得してしばらくはヒロから教えてもらった、手裏剣とチェーンソーで戦っていたのだが、ゾンビのものまねをしていた後にヒロとティルがこんな話をしたのがきっかけであった。
「なあ、ティル...俺の記憶を勝手に読むのやめてくれないか?」
「えぇ~、別にいいでしょ?それとも見られたら困る事でもあるのかな~?」
「いや...まぁそのだな」
「だって向こうの世界の記憶見るの楽しいんだもん~!」
「...まぁ、ほどほどに頼む、それよりティルはゲームが好きなのか?」
「あれねぇ〜、向こうの世界だと気軽に冒険をしたりゾンビと戦って世界を救ったり、大っきいモンスターと戦ったり出来るんだよねぇ〜?」
「実際に戦ってる訳じゃないぞ、創造の物語を体験したり…擬似体験て言えばいいのか、娯楽の一つだな」
「ふ〜ん、覗き見してるけど〜、こっちの世界ではわざわざ娯楽の為に複雑な物を作ったりしないからねぇ〜」
「こっちは命がけだったり、生活の為に能力を使うのが当たり前だからな、そういえばダンジョンってあるのか?」
「ダンジョンって呼ばれてないけど遺跡はあるよ〜?私達神様が作った物と自然に出来た物の2種類だね」
「じゃあダンジョンマスターが娯楽で」
「ないない〜」
どうやらこの世界では娯楽という物が普及も多様化もしていないらしい。
(これは、俺でも稼げるんじゃないか?)
「…ねぇ…」
「どうしたの〜、ミーシャンちゃん♪」
「ミーシャンちゃん、どうかした?」
「…あたらしいぶき…」
「新しい武器?あぁ、武器創造」
「あれって珍しいスキルだから知識が無いと使いこなせないんだよねぇ〜♪」
「…うん…」
「とは言っても、どんな風に使いたいの?」
「…つよいの…」
「…具体的、いや詳しく教えてくれる?どんな風に強いのがいいの?」
「…う〜…」
「そんな難しく聞いても分からないでしょ〜♪」
「…むぅ、おっきいのたおしたい…」
ミーシャンからのオーダーは、でっかいモンスターを倒せる強い武器…と言われたがパッとは思いつかない。
「うーん、ミサイル、大剣…ミーシャンちゃんには」
「あっ!あれは〜?ゾンビので一番強い武器!」
「一番?…あぁロケットランチャーか?」
「それ〜!ゾンビ倒すのに使ってたでしょ〜、最高!って言ってたし!」
「…それがいい…」
「いや、でもなー…爆発の魔法ってあるのか?」
「あるよ〜、魔力を込めれば込める程威力が上がるんだよ〜♪」
「でもミーシャンちゃんはそこまで魔力に特化ではないから別の方が…」
「…やる…」
「でも、他の」
「…やる…」
「いいのが…」
「…やる…」
ミーシャンのやる気に火がついた為、変える事は出来なかった。
「詳しくは知らないけど、形状はこんな感じ」
「…うん…」
「で、この先の部分が飛んで行って爆発する」
「…むぅ…」
「やっぱり難しいよね、別なのに」
「…これがいい…」
「そ、そっか」
そしてミーシャンの訓練を始め、形状自体はミーシャンの能力なのかすぐに真似出来た。しかしわざわざ分離して飛んで行くと言う無駄があるので上手く行かない。
「ミーシャンちゃん、これ先端だけ作って飛ばしたら?」
「…ヒロにみせる…」
「えっと、無理はしなくても」
「…みせる…」
「あっ、はい」
「ふふふふ、怒られてる〜!」
「ティル、笑ってないで手伝え!」
「えぇ〜、制御は自己習得しかないんだよねぇ〜…威力については何とか出来るかもだねぇ〜♪」
「本当か?」
「…がんばる…」
どうにかロケットランチャーの動きを再現したのだが、やっぱり威力が無い、ミーシャンの総MPの6割使っても手裏剣5発に届くか届かないかくらいの威力だ。
(うーん、効率悪いなこれ…)
「…できてた?…」
「正直威力と消耗MP以外は十分だな」
「じゃあここで〜、秘策を授けよ〜!」
「私の風魔法に周りの魔力を吸い、威力が上げられる魔法があるんだけど〜、神槍の魔力を吸ったらぁ〜」
「まさか、ミーシャンちゃんに魔力を譲渡するのか?」
「惜しい、残念!」
ヒロが魔法で拘束した魔力を吸い込む事で威力を上げるという一石二鳥の方法をティルが話した。
「でもそれなら俺が魔法で攻撃した方がいいんじゃないか?」
「もし、すごく、すんご〜く速い敵が出て来たらどうするの?」
「それは…気合いとか?」
「無理〜、気合いで倒せるなら神も倒せるねぇ〜♪」
「おっ、やってみるか」
「ちょ!やめて〜!」
「まぁ、言いたい事はわかる…でも可能なのか?」
「普通は難しいけど〜、神槍とミーシャンちゃんの風魔法は私の加護の力だから裏技的だけど出来るんだよ〜♪」
「ふーん、分からんがやってみるか」
「…する…」
まずヒロは拘束魔法を造る事をした。その間ミーシャン、ティルは魔力を吸収する魔法をロケットランチャーの弾頭に仕込む練習をしていた。
「うーん、それらしいのは出来た…そっちはどうだ!」
「こっちは準備オッケーだよ〜♪」
「…おどろく…」
「おぉ、とりあえず頑丈そうなあの崖でいいか」
「…すぅ…」
「ふぅ、集中力がいるなこれ」
「…いく…」
「ミーシャンちゃん、無理しないでね」
「…うん…」
ミーシャンは拘束用の魔法がある崖に向けてロケットランチャーを放った。
反動は無くスピードも目で追える速度であったからヒロはじっと見ていたのだが
「結構速いな」
「わわわ!隠れろ〜!」
「…たいひ…」
「おい!どうしたんだよ!」
崖に当たった瞬間、物凄い爆音と衝撃波がヒロを襲った。
「つっつぅ、何だよ…」
「おぉ!」
「…おぉ…」
「ははは、笑えない威力だな…」
そこにあった立派な崖は姿を消していた、まるで昔からそこに何も無かった様に…
そして許可がある時以外に使うこと禁止されたのだ。
後1、2本で次の章に行くと思います。(・ω・*)
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