47話
何とか間に合いました(・ω・*)
長くなっていたので、章の分割もさせていただきましたヾ(・ω・*)
ヒロ達がキメラアンデッドとの死闘を始めた頃、フランドルもまたドラゴンゾンビとの、戦いの火蓋が切って落とされた。
「ふぅ、久しぶりの実戦でいきなりこんな相手とはなぁ…だが簡単にやられる訳にはいかねぇぞ」
「グゥォオオオ!」
「ふっ、大した咆哮だ!」
「ガァァアア!」
「ちっ!危ねぇだろうが!」
ドラゴンゾンビは動くそぶりを見せず、いきなりデッドリーブレスをフランドルに向けて放った。少し焦ってはいたがフランドルは難なくデッドリーブレスを避けた。しかしその威力を見てフランドルは少し後悔した。
「なんて威力だよ…森の木々が纏めて朽ちてやがる、向こうの方が厄介とは言え1人で戦うなんて格好つけるんじゃなかっぜ!」
「グルルル」
「へっ、余裕かよ」
「ガァァアア!」
「こんな攻撃を連発されたら流石にきついな…あのブレスは地面に残る、このままだと逃げ場が無くなる…となれば!」
フランドルはドラゴンゾンビに向かって走り出した。接近させないようにドラゴンゾンビはデッドリーブレスで牽制するがフランドルにはかすりもしない。
「残念だが当たらんよ…脚の一本でもとりあえず貰っておこうか!」
「グワァァア!」
「くそ!なんて硬さだ!」
フランドルの攻撃は強固な鱗に覆われた脚に弾かれ、フランドルを踏み潰そうとした。その衝撃で地面は割れ、1m程へこんだ。
「はぁ、はぁ、危ねぇ…間違いなくあれを食らっても死んでたな」
「グワァァア!」
「さて…あっちの方はもう少しかかりそうか、脚がダメなら!」
「グワァ?」
「柔らかそうなぁ…目!」
「グワァ!」
フランドルの攻撃は目論み通り、ドラゴンゾンビの目を突き刺したが驚いた様だが、ダメージを受けた様子はない。
目を潰した筈なのだが、ドラゴンゾンビはフランドルに対して真っ直ぐ向いていた。
「やっぱり普通の生物とは違うか、少しは効果があると期待したいがな…」
「グワァァア!」
「闘気剣!」
「グゥォオオオ!」
「これはお前の鱗でも通るみたいだなぁ!」
フランドルが放ったスキル[オーラブレイド]は魔法を使えない戦士系の高攻撃力のスキル、ただし魔力を消費している為使える回数に制限がある。
ドラゴンゾンビの鱗を切り裂いたフランドルのオーラブレイドだが、脚を切り落とすまではいっていない。
フランドルは踏みつけを避けながら
「とは言え、オーラブレイドもあと3回が限度、脚を切り落として、後はあいつらに投げるか…それは無理そうだな」
「ガァァアア!」
「ちっ!危ねぇだろうが!あっちもギリギリの戦いか…相手を考えれば十分な戦果、戻ったらギルドマスター権限でランク上げてやる、てめぇ!少しは疲れろよ!」
「ガァァアア!」
「これだからSランクの化け物は嫌なんだよ!」
「グゥォオオオ!」
「こうなったら一か八か!やっ」
フランドルが覚悟を決めてドラゴンゾンビに向かおうとしたその時、ヒロ達が戦っていた方向から爆音が轟いたそのすぐ後に凄まじい衝撃波がフランドルとドラゴンゾンビを襲った。
フランドルは気がついたてどのくらい経っていたのか、分からなかったが何者かの攻撃によって引き起こされたその惨状を見て
「よく生きてたな…あぁ、あの化け物がちょうど盾代わりになった様だな…」
そこにあったのは先程までフランドルが命懸けで戦っていたドラゴンゾンビがバラバラになって散らばっていた。
「ヒロ達がやったみてぇだな…これはさっさとSランク認定をギルド会議で提案した方がいいなぁ」
「…ぉ〜」
「誰か呼んだか?」
「ぉ〜い」
「ヒロ達か?」
「お〜い!フランドル無事だったか?」
「あぁ、お陰様でなぁ…」
「ははは、いやー、まさかこんな事になるなんて思って無かったんだよなー」
「お前達は…ボロボロだな」
「やばい相手だったけど何とかな」
「はぁ〜疲れた〜」
「…つかれた…」
「ヒロ君〜、お姉さんが咄嗟に結界を張らなかったら〜、今頃みんな粉々だったんだからねぇ〜」
「うっ、ありがとうティル」
ミーシャンの最後の攻撃の直後、過剰な威力になってしまった
止めの攻撃のせいでヒロ達も爆心地の近くだった為フランドルの比ではない危険に晒されていたのだ。
「そっちの子はあの規模の攻撃を防げる結界を張れるとはなぁ」
「ふふふん♪お姉さんは凄いんだからぁ〜♪」
「はっはっは、大したもんだよお前達は!」
「おのれぇー!」
「師匠!」
フランドルとヒロ達がいい感じで終わりを迎えようとしていた時にそいつはやって来た。
「やっぱりてめぇ、生きてたんだな」
「はぁ、ぐぅ、はぁ、フランドルお前に復讐する為に私は生き残ったのだ!」
「パラライシス!」
「ちっ!身体が!」
「師匠!今です!」
「さぁ、フランドル今こそお前に死を!」
首謀者のネクロマンサーがフランドルに何かをしようとしたその瞬間ヒロはフランドルの前に立ちはだかった。
「待て!」
「ちっ、やり損なった」
「おい、何を、した、ん、だ」
「ヒロ〜!」
「…ヒロ!…」
「ヒロ君〜!」
「大丈夫か!ヒロ!」
黒いもやがヒロを包み、そしてヒロは倒れてしまった。
「ティル!」
「…ティル…」
「………!なんて事をしたの貴方は!」
「私の使った魔法を知っているのか?」
「[ディコンポゼーション]…」
「その歳で博識の様だね…その通り、肉体を腐敗させる呪いだ」
「キッ!」
「しかし、私もあの方から伝授された魔法を知っているとは、君は生かして連れて行こう、霊体や死体のままだと記憶が無くなって役に立たないのだよ」
「マリ!ヒロに槍を握らせて!進行を抑えられるはずだから!」
「うん!」
神槍には本来、光の属性も持つ性質上多少の呪いに対しての浄化作用がある。
「無駄だ、1時間もすればそ奴は…」
「グライブ、狙いは俺だったんだろ?なら俺と殺し合い、この代償はお前の命で払って貰うからな!」
「フランドルよ、あの時の復讐…今度こそ果たさせてもらう!」
こうしてこの事件の最後の戦いが始まった。