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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第3章 なぜこのスキルが ?
52/165

40話

遅れごめんなさい(´・ω・`)

また怒られたヒロは皿がテーブルいっぱいに並べてある事について言及する事が出来なかった。


「おいしい〜!」


「…うまうま…」


「ヒロ君〜、人はこんなに色んな料理を考えてるんだねぇ〜♪」


「そ、それは良かったです…」


豪勢な朝食を終えたヒロ達はポーションを買いにギルドに向かった。

ポーションはギルドで無くても買えるが騙されるリスクもあるので少し高くてもギルドで買うのは初心者の常識らしい。

なぜ、らしいかと言うとマリが集めた情報だからである…いつ聞いたのであろう?


「ポーション!、ポーション!」


「…ぽーしょ…」


「ミーシャンちゃん、マリの真似しなくていいからね」


「ポーション♪ポーション♪」


「…真似しなくていいからね」


マリとティルがポーションを買いに行くだけなのに、何故かテンションが上がっている。


「そんなに嬉しいのか?」


「何となくだよ〜、ヒロ君♪」


「ヒロの腕治ったら〜、お金稼げるでしょ〜?」


「…おぉ…」


「なるほど…ミーシャンちゃん、別に名案では無いよ」


どうやらポーションで腕を治したらすぐ、働かせる気らしい。


(クゥとダラダラするつもりだったのに…)


「ヒロ〜?何で嫌そうなの〜?」


「そんな事ないよ、うん、嬉しい」


「そっか〜」


「やったねぇ〜♪ヒロ君♪」


「…やったね…」


ヒロもこのまま休んでいたら気付いた時には、無一文になる未来がチラリと見えてしまったので、ここは従った方が良さそうだな、とヒロは思った。


「依頼を受けるのはいいけど、軽いのにしてくれよ?身体がもたない」


「えぇ〜、報酬少ないよ〜?」


「…うぅ…」


「くっ、そんな顔しても、今日はダメだからね」


ここで無理しても仕方ないんだ、ヒロはそう言い聞かせて見ない事にした。


「よし!腕治しに行くぞー!」


「は〜い」


「…むぅ…」


「ヒロ君〜♪」


有無を言わさずポーションを買いに向かったヒロだが、強引に進めた事を後悔するのだ。




「あっ!マスター!ヒロさんが来ましたよ〜!」


「いい所に来たなヒロ、早速だがな」


「ちょ、どう言う事だ?」


「前回の依頼で迷惑を掛けてしまったから、代わりの依頼をな」


「…俺、腕が折れてて」


「これからポーション買うんだよ〜!」


「…うん…」


「ヒロ君が言ってたよ〜♪」


「だそうだが?」


ここはどうにか避けねばまた面倒な事になる、とヒロの直感が言っているのだ。


「でもヒロは軽い依頼じゃないと、受けない〜って言ってたんだよ〜?」


「なるほど、かなり軽い依頼だからちょうど良かったな!」


「本当か?前回それで…」


「おい、マスターを疑うのか?アクシデントが簡単な依頼で早々起こるわけなかろう」


そう言われてしまうと、受けなくてはいけない気がして来たヒロだが、反論を行ってみる。


「マ、マスターの軽いと俺の軽いは違うかもしれないだろ?」


「…薬草採取なんだが、難しいか?」


「物によるだろ?…ふふふ」


(よし、これはいい流れだぞ)


「…ふむ、クラモ草は知っているか?」


「クラモ草?あー、採取した事あったよな?」


「私とヒロで、やった事あるよ〜!」


「それが依頼だ、ほら簡単だろ?」


「あっ……」


こんな簡単な誘導に引っかかってしまったヒロであった。


ギルドマスターなのだから、ヒロが受けた依頼の事を調べるなど造作もないのである。残念ながらヒロはその考えには至らなかった。


「あー、腕が痛いなー、依頼はダメそうだー」


「ポーションは〜?」


「残念だけどしばらく休もう、それで美味しい物を食べるのはどうかな?」


「…おぉ…」


「それはいいね♪ヒロ君♪」


「ヒロ〜いいの?ポーションなくてもいいの?」


「もちろんだよ」


「やった〜!」


今度は仲間のやる気をそらせる作戦に出た。


(ふふふ、仲間が行きたくないなら、受けられないもんな、よし!)


「おほん!迷惑掛けた詫びの品だ」


「これは…?」


「中級ポーションだ、浮いたお金で美味しいご飯食べられるだろ?依頼も受けたらさらに食べられる、いい話だろ?」


「ヒロ〜、よかったね!」


「…うまうまいっぱい…」


「お得だね〜!ヒロ君♪」


「お、おう…だけど」


「何かなヒロ?」


「いえ、ありがとうございます!」


まさかここまでうちのパーティーを調べて手を打って来るとは、それとマスター怖い。何あれ絶対100人くらいやってるよ!


「はい、依頼受領しました♪」


「頼んだぞ、ヒロ!」


「はい…」


「やったねぇ〜!」


「…うまうま…」


「ふふ、楽しみだねぇ〜♪ヒロ君!」


「はは、もちろん…ポーション飲んでもいい?」


もう決まってしまったヒロは、とりあえず貰ったポーションを飲んだ。


味はとても苦かった、これ味覚死んだかな…コソコソ二日間は味がしないとか聞こえるな…


「不味い、舌が変だ」


「絶対飲みたくない〜!」


「…いらない…」


「私もいらない〜♪」


そして腕の辺りが熱くなり、少し筋肉が膨らんだら縮んだりして…腕が治った。治ったのだが治る時の見た目が悪い…これから食事をしたく無くなった。


「俺、体調悪いからご飯いいや…これで食べてくれ」


「これだけ〜?」


「…すくない…」


「ヒロ君はいいの〜?♪」


「俺はクゥの分だけでいいよ、じゃあ宿に戻るね」


ヒロはマリ達と別れ、クゥの分と一応軽く食べられるパンを買った…味がしなかった事に絶望したが、嬉しそうに食べるクゥを撫でながら癒されたのであった。

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