28話
今週も何とか投稿が間に合いました。
とうとう目的地ノルヤに着いたヒロ達は馬車を処分する事にした。
本来ならあの悪い人達も連れてくる、もしくは殺害した証拠を提出して賞金をもらえるが、特に何もしないで縛って放置しただけなので報告だけする事にした。
「なるほど、この馬車についてはそちらでまかせる。あの通りを行けば馬具の店があるから買ってくれるだろう、こちらで預かってくか?」
「ありがとうございます、では」
マリ、ミーシャンと共に馬具のお店のある通りを目指した。
「はぁ〜、緊張した〜」
「…つかれた…」
「いや、お前達何もしてないだろ…」
「ヒロ、細かい〜」
「…うるさいのはよくない…」
「お前達、実は仲いいだろ…」
「…それはない…」
「負けないんだからね〜!」
仲が悪いというか、対抗心が芽生えてる様にヒロは感じた。
「まぁ、ほどほどになー、馬車って幾らで引き取ってくれるんだろうな?」
「…しらない…」
「ふ〜ん、知らないだぁ〜」
「…べつにこまらない…」
「こほぉん、この馬車だと60〜70万くらいかな〜、馬込みで100万で私なら交渉出来るよう〜!」
「なら、マリに頼むわ」
「…ヒロとおとなしくまってる…」
「うん、うん…てっ!ずるわダメ〜!」
何となく姉妹で喧嘩しているような二人を見て、少しこのパーティーでの行動が楽しくなってきたヒロであった。
「はいはい、早く行かないとご飯ゆっくり食べる時間がなくなるぞー」
「…!それはダメ〜!私が一番に選ぶ権利があるんだから〜」
「…ごはんはたいじ、はやくするマリ」
二人でとてとて走ってくる様子は子供にしか見えない。
(これはこれで楽しいのかもな、でも料理枠と恋人枠が今後欲しいな…次は大人であって欲しい…)
「ヒロ〜、遅い〜!」
「…ヒロ、はやくする…ごはんだいじ!」
「焦らなくてもご飯は無くならないよ」
馬具屋に着いたヒロ達は、門の所まで来てもらう事になった。
それからは、マリの巧みな交渉により宣言した通り100万マールになったのだが店主は、落ち込んでいたのでマリに言いくるめられたのだろう。
「おつかれ、マリ」
「むふぅ〜、言った通りになったでしょ〜!」
「あぁ、すごいすごい」
「…これでごはんいっぱい…」
「そうよね〜!何がいいかな〜」
自慢気なマリとご飯の事を考えてるミーシャンを見ながらヒロは、後ろをついて行くのであった。
「う〜ん、あのお店とあっちのお店迷うな〜」
「マリ、そろそろ決めてくれ流石にお腹が空いた」
「…ぺこぺこ…」
「待ってよ〜」
「宿屋も探さないと行けないんだから、時間かかるなら俺が決めるぞ」
「…ヒロ、はやく…」
「わかった〜!じゃああっちのお店で!」
マリが投げやりな感じで今日のお昼のお店を決めた。
「 [レストラン ロースト]、ここがいいかな〜!」
「…いいにおい…」
「ここ…気のせいか?高級とか特別みたいな事がレストランの横に書いてあるのは…」
「きっと特別に美味しいお店なんだよ〜!たぶん」
「…おいしい!…」
「…わかったよ」
ヒロはレストランの横に書いてある不穏な文字を気にしつつ、マリ達の後ろについていった。
そして……
「やっぱり会計がとんでもなく高かったぞ!」
「…あれだけしかたべてない…」
「そうよ!あんなに少しで高すぎるわよ〜!」
ヒロ達は、ローストという店なので鳥の丸焼き、その他に5品、果実水を頼んだのだが…
「あれだけで50万マールなんて詐欺よ!衛兵に言わないと〜!」
「…まだまだたべられた…」
「高級って書いてあるんだから高いのは当たり前だろ…でもまさか食べ物屋にもランクがあるとは…」
「そんなの知らなかった〜!」
「…つぎはおなかいっぱいたべる…」
「ミーシャンちゃん、期待してるよ」
「…まかせて!…」
ミーシャンはキラキラした目でヒロを見て自信満々に答えた。
「じゃあ、宿屋探してギルドに行くぞ…正直これから不安だ、主に懐が・な!」
「ちょっ!私のせいなの〜」
「誰が店選んだ?俺らは王族、貴族か?」
「……さ、最初くらいは〜………ごめんなさい!」
「……おかねだいじ…」
「はあー、次からはちゃんと考えてくれよ」
「も、もちろんだよ〜」
お金は大事だが、ヒロは200万近くあったので50万なら反省しているならいいか、そんな風に思った。
(まぁ、この金の半分はマリが稼いだ様な物だからなー)
「よし、宿屋さっさと探すぞー」
「…がんばる…」
「値切りは任せて〜!」
「二人ともほどほどになー」
宿屋を探しながら冒険者ギルドも見つけた、というか大き過ぎて探すまでもなかった。
「ここかなぁ〜?」
「そう見たいだな」
「……つかれた…」
途中教えてもらった宿屋に着いた、値段も手頃なサービスの良い宿屋らしい。
「すいませんー」
「はい、いらっしゃいませ」
「2部屋、片方ツインで、とりあえず10泊したいのですが」
「……大丈夫ですよ、シングル1泊8000、ツインが12000マールですがよろしいですか?」
「はい、前金の20万マールとりあえず払っておきますね」
「!ありがとうございます、ごゆっくり!」
宿屋はすんなり泊まる事が出来た、どうやら前金で払う人も少なく、それどころか払っても2泊分くらいなので滅多にこんな事をする人は居ないらしい。
「ありがとうございます。じゃあマリ、ミーシャンちゃんはツインの部屋で、俺はシングル部屋だ。荷物預けたらここに集合な」
「…わかった…」
「やだ〜、ヒロと一緒の部屋がいい〜!」
「わがまま言ってるとー…マリのご飯だけ携帯食料になってるかもな」
「……さ、さぁ〜ミーシャンちゃん行こう〜」
「…?わかった…」
マリは、ミーシャンを連れて部屋に向かった。
「じゃあ俺も行くかな、クゥには部屋でのんびりしてもらってお土産買って行けばいいだろう」
早速部屋に着いたヒロは、クゥの入ったリュックからクゥを出し、武器などを入れている袋だけ持って部屋を出た。
「中々来ないなー、着替えてるのか?」
「………」
「!びっくりした、声掛けてくれたらいいのにミーシャンちゃん」
「…ふふふ、びっくりした…」
「びっくりするからあんまりしないでね?」
「…わかった…」
「もう〜、出るの早いよ〜ミーシャンちゃん」
「…なんで、なやむかわからない…」
「服は大事なの〜」
「ミーシャンちゃん、今度買ってあげるから見に行く?」
「…ヒロがいうなら…」
ミーシャンは、ヒロの言葉にはすごく素直に聞いてくれる、一方マリに対しては…
「じゃあ、私が選んであげる〜!」
「…マリはだめ…」
「なんで〜!」
「…ヒロがいい…」
「?俺は女の子の服の事は分からないぞ?」
「…いい…」
「まぁ、実際に見たらミーシャンちゃんも選びたくなるからいいよ」
「…うん…」
ミーシャンは、嬉しそうに微笑んでヒロを見た、そんなヒロは買ってもらえる事を喜んでるくらいにしか思っていないのだが…
冒険者ギルドに着いたので、顔を出してどんな依頼があるのか見る事にした。
「へぇー、やっぱり中も凄いな。カルフォとは外観規模も内装も段違いだ」
「…うるさい…」
「本当、大っき〜いね〜」
「あんまり騒がしくしてると絡まれるから気をつけろよ?」
「大丈夫よ!斧があるから〜」
「あー、斧で対応するのだけはやめろよ、相手が普通に死ぬ…」
仮に絡んで来たとしても、武器で攻撃したら罪になりかねない、マリの斧なら普通の鉄の剣なら叩き折って生身に致命傷を与える事も出来るくらいの威力がある。
「物騒な話はこれでおしまいな」
「は〜い」
「…うるさいのつかれる…」
「ミーシャンちゃんごめんね」
「…ごはんをえらぶためだから、がまんする…」
受付にノルヤに来たことを伝える為に向かった。
「依頼ですか?それとも登録ですか?」
「依頼を見に来たのですけど、カルフォから来たばかりなので挨拶に来ました。」
「あらぁ、冒険者にしては珍しいですねぇ」
「そうなのですか?こっちのマリと一緒に組んでいます、こっちの子は冒険者じゃありません。
「よろしく〜」
「…よろしく…」
「なるほど、そういう方なのですねぇ、すごいですねぇ…」
受付嬢は褒めている様な口調だが、その目は目の前にゴミがある様にヒロを見ている。
「あなたの名前は?」
「ヒロです、こっちの子はミーシャンちゃんです」
「こんにちは、ミーシャンちゃん、マリちゃん…変態ロリコン君…」
「…あのー」
「なに変態ロリコン君…」
ヒロが恐れていた自体になってしまった、幼女を2人も連れているのだから思われても仕方ないのだが…
(納得いかない!冤罪だ!それにマリは18歳だぞ!)
「…誤解はやめてください、そんな言われはありません」
「マリは、ヒロの事好きだよ〜?」
「おい!変な事言うな!」
「…はぁ、変態ロリコン君、これから話かけないでね」
「もぉー!マリはこう見えても18歳だぞ!、ミーシャンちゃんだって途中で困ってる所を助けただけだー!」
ヒロは誤解を解く為にギルド中に聞こえるくらいの大きな声で叫んだ…
「ヒロ〜、何を言ってるのかな〜?」
「何って真実をだ…な…」
「……それだけ〜?」
「待て、話せばわかる、そんな物を構えるな!」
「大丈夫〜、一瞬だから〜」
「わぁー!助けろ、あんた!」
「…私は関係ないですよね?」
さっきまで好き勝手に言っていた受付嬢は、この状況を見て関わる事を辞めたのであった。
そして
「お前達やめる!」
「むぅ〜!」
「こっちはやめたいんだよ!」
「これ以上騒ぐなら処罰するぞ!、逆らうなら叩きのめしてもいいぞ」
「「すいません」」
さすがにとても怖かったので、マリも直ぐにヒロと一緒に謝った。
「何が原因だ?」
「間接的にはあの受付嬢です」
ヒロの指差す方向をその人は怖い顔で睨みつけた。
「またお前か!」
「違いますよぉ、ギルドマスター、あの子が悪いんですよぉ」
「ほぉー、そこのお前どうだ?」
「ロリコンと勘違いした挙句変態ロリコン君と言われて、誤解を正す為にこの子の年齢も含めて叫びました。それで…」
「よし、わかった。こっち側の不手際だ、処罰は無しとする」
「えー!私ですかぁー?!」
「どう考えてもお前だろ!どれだけトラブル起こせば気がすむんだ!反省しろ!」
「はぁーい」
何とかギルドマスターの登場により騒ぎは収まったが、この後も悩まされる事になるとは、ヒロは思ってもいなかった…
「悪かったな、俺はノルヤのギルドマスターのフランドルだ」
「よろしくお願いします、ヒロと言います。」
「よろしくね〜!マリだよ〜」
「…ミーシャン…」
「おぅ、よろしくな…ギルド職員の責任は俺が取らないといけないが…」
「じゃあ、教会の場所教えてもらえますか?スキル鑑定が出来ると聞いたのですが…」
「その為にノルヤに来たのか、スキル鑑定か…結構掛かるぞ?」
欲しい情報を聴けそうだが、お金もかかるらしいという情報まで入ってきた。
「ちなみにどのくらいですか?…」
「一人20万くらいだな、貴族や豪商、あと有望な一般人くらいしかスキル鑑定なんてしないからな、冒険者でもやってるのは半分くらいだろうな」
「なるほど、手持ちで足ると思うので、教えてもらえますか?」
「結構稼いでるんだな、ヒロ…」
「たまたまですよ」
「場所はここを出て大通りを左、中央を西に向かえば大きいから見えるだろう」
「ここって北側ですか?」
「そうだ、方角がわかるなら大丈夫そうだな」
とりあえず聞きたいことは聞けたので、教会に向かう事にした。
「ありがとうございます、これから向かおうと思います」
「気をつけてな、依頼もやってくれよ?」
「明日また来ますからその時に」
「またね〜!」
「…また…」
挨拶をしてギルドを後にするヒロ達は、教会のある場所に歩いて向かった。
「確か西だから、ここを右だな」
「待ってよ〜」
「…よゆう…」
「もう少しだから頑張れ」
「歩くの疲れた〜」
「もうすぐ見えてく…る、あれだな」
「う〜、どれ〜?」
「…きれい…」
「わぁ〜!すごくきれい〜!」
そこにあった教会は、白を基調とし青色の石の装飾を散りばめた小さなお城の様に見えた。
「…近くで見るとより凄なこの教会は」
「…きれい…」
「こんな所で結婚式挙げたいな〜」
「とりあえず中で聞いてみるかな」
「……」
「わぁ〜」
「二人共中に行くよ、帰りにまた見てもいいから…」
「…はっ!、わかった…」
「え〜、わかったよ〜」
二人が後ろ髪を引かれるように教会を見ていたが、スキル鑑定も大事なので後で満足するまで見せる事にした。
「すいませーん」
「おや、君達は?」
「私達はスキル鑑定をして貰いたくて教会に来たのですが、どの様にすればして頂けますか?」
「なるほど、私が案内しますね」
「よろしくお願いします」
いよいよヒロは念願のスキル鑑定をして貰える事になったのだ。
いよいよヒロ達のスキルが次の話で明らかになりそうです(・ω・*)




