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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第2章 冒険者ってこんな感じ?
28/165

22話

少しペースが落ちていますが週1話ペースで頑張っていきたいと思います。

ギルドマスターとの話合いが終わったヒロは、カウンターで報酬をもらう事になった。


「ヒロさん、こちらですよ♪」


「ユーリィさんでしたよね?」


「そうですよ♪こちらが買い取り、討伐報酬合わせて90万マールになります♪後ランクもEに昇格しますねぇ♪」


「おぉ……ありがとうございます」


「ふふふ♪昨日冒険者になったばかりなのにすごいね♪」


「運が良かっただけです」


「それでも生き残れるだけで十分よ♪」


「ははは、ありがとうございます」


ヒロは、褒めてもらえて嬉しかったのだが隣にいるマリからの視線が鋭かったので適当な返しで流したのであった。


「それじゃあ、失礼します」


「はい、またね♪」


「ヒロがお世話になりました〜♩」


マリが最後に余計な事を言ったが、ユーリィさんは、気にしてなかった。


「まず装備の調達に行くか」


「お金も入ったからちゃんとしたの買いたいな〜」


「そうだなこの前も、もっとしっかりした装備ならもう少し楽に勝てたかもしれないからな」


「私も戦えるように、防具ほしいかな〜」


「もちろんマリにも買うよ、ちゃんと働いてくれないと困るからな」


「は〜い!」


装備を調達するための店を調べるのを忘れてたヒロ。


「あっ、どこに行けばいいか聞くの忘れてた…」


「しょうがないな〜、私知ってるよ!」


「なん、だと…」


「これでも商人の娘だったからね〜♩」


「……お願いします」


「ふっふっふ、任されよう!♩」


この幼女に頼る事が多いのは、仕方がないとは思っているヒロだが出来る事はしないとな、そんな事を考えるヒロだった。


「たしか〜、この辺のはず!」


「そうなのか?、露店があった場所に比べて静かだな…」


「ランクの高そうな冒険者の人達に聞いたから、間違いなくいい店だとは思うよ〜」


「店らしい建物は無さそうだけど」


「あれが看板かな〜?」


そこには、鎧と剣が描かれた看板が付いたいた普通の建物だった。


「本当にここか?」


「そのはずだよ〜、隠れた名店じゃない?」


「隠れ過ぎだ…合法だよな?」


「とりあえず入ればわかるよ!度胸だよ」


「そうだな…」


扉を開けて入ってみるとそこには、鎧や武器が数多く置いてあった。

見るからに品質の良さそうな物がそこら中に置いてある。


「いらっしゃい」


奥から男が出てきて挨拶をされた。


「どうも…」


「どうも〜♩」


「よく場所がわかったな、誰かに聞いたのか?」


「私が冒険者の人に聞いたの〜!」


「そうかい」


「すいません、この槍直せますか?」


ヒロは、柄が真っ二つになった槍を出した。


「………どんなモンスターにやられた」


「ジェットブラックウルフ、というモンスターです」


「運が良かったな」


「まぁなんとか」


「この槍じゃなく安物の槍ならここには、いなかったかもしれないだろうな」


「それは師匠から譲ってもらったんですよ」


「いい師匠に出会ったな、この槍の柄に使った木だが木を張り合わせてから加工してある、手の込んだ物だ。普通の木の数倍の強度になる、時間は少し掛かるが治るだろう」


「それは良かったです…特殊な素材だったら直せないかもと思っていたので」


「この槍は修理するとして、他に必要なものはあるか?」


「この子、マリって言うんですけど防具と片手斧を、あと俺にも防具をお願いします」


「じゃあまずその嬢ちゃんのを見繕うか」


「嬢ちゃんじゃない、マリだよ〜!」


「悪かったなマリ嬢ちゃん、付いてきな」


マリは、片手斧が置いてある場所に向かった。

ヒロも待ってる間、暇だったので槍を見に行く事にした。


「へぇー、槍って一口に言っても違うんだな」


そこには、柄の素材や長さが違う物から槍先の形状、材質の違う物が飾られてあったり置いてあった。


「………あれ?」


ヒロは、無造作に置かれていた槍の一本に目が行った。

鈍く銀色に光っていて少し青みがかった槍先をした槍だった。


「何故だか、この槍から目が離せないな」


「ヒロ、何か気になる物でもあったか?」


「あっ、いやこれが気になってね」


「それは辞めた方がいい、使われてる素材としては申し分ないと思うが加工も出来ないし、手入れもろくに出来ない槍だ。使い物にならんよ」


「そうなのか?」


「あぁ、力や熱を加えても変形しない。砥石でいくら砥いでも削れもしない、だから切れ味もほとんどない、丈夫な棒くらいにしか使えない」


「これいくらするんだ?」


「買うのか?」


「なんか気に入ったんだよな」


「5000マールでいい、お前他にも買ってくれるんだろ?」


「あぁ、じゃあ纏めて後で払うよ」


ヒロは、気になった槍を買うことを伝えてマリの様子を見に行った。


「マリ、決まったか?」


「ヒロ!これすごいよ!♩」


マリが手に持っていたのは、見た目は普通の鉄斧に中央部分に宝石のような物がついた片手斧だった。


「それいい武器なのか?」


「たぶん付与効果のある武器だよ!」


付与効果付きの武器は、魔法武器とまでは行かないまでも一般的な武器より高価で優れた効果のある武器である。


「マリ嬢ちゃん、中々いい目利きだな」


「これって掘り出しもの〜?」


「あぁ、そいつは知り合いが持ち込んだ付与効果武器だ。ダンジョンから持ち帰ってきたんだが、ここにあった魔法武器を買う時に足りない分のかわりに引き取った物だ。」


「おぉ〜!因みに何が付与されてるの?」


「確か、"ダメージ増加 Ⅱ " だな」


「マリ、それって強いのか?」


「ヒロ!武器にスキル付いてるんだから強いに決まってるんだよ〜!」


「そっ、そうなのか…スキルも調べた事なかったから実感がないんだよな」


ヒロは、スキルについてフォンドから少し聞き齧った程度の知識なので、スキルを実感した事がまだない。なので恩恵を感じるのは難しいのだろう。


「その "ダメージ増加 Ⅱ " って実際どのくらい強いんだ?」


「実は、私もそこまで詳しくないんだよね〜」


偉そうに言ったマリだったが、実はスキルが付いてる武器が強い事は知っていたが、実際に細かいスキルの効果は知らないのであった。


「マリ、お前なぁー」


「えへへぇ〜♩」


「ヒロ、マリの嬢ちゃん、" ダメージ増加 Ⅱ " は大体攻撃で与えられるダメージを10%増加すると言われてるな。スキルには、レベルが存在して効果の大小を表す。ダメージ増加なら5%ずつ効果が増えるらしいな」


「なるほどな」


つまり、Ⅱ で10% なら X で50%アップするかんじにるなる。馬鹿に出来ないスキルであると感じたヒロなのだった。


「因みにこの斧幾らなんだ?」


「30万マールでどうだ?」


「……30万もするのか?」


「付与効果武器は最低でも50万以上するからなお得だぞ、因みに魔法武器だと200万は最低でも必要だな」


その事を聞いたマリは


「ヒロ〜、買い時だよ!」


「買えない額じゃないが…なんで最低相場より安いんだ?」


「引き取ったはいいが使い手がいないからな…片手斧とは言えかなりの重さだ。さらに斧の使い手は少ないんだ、片手斧になるとさらにいない」


「それでも50万で買う奴もその内現れるだろ?」


「ヒロとマリ嬢ちゃんに恩を売った方が得だと思っただけだよ」


「はぁ…ならお言葉に甘えさせてもらうよ、ただ返せるかどうかは保証出来ないけどな」


「やったねぇ〜!」


「残り30万で防具見繕ってくれるか?マリ、盾も使うか?」


「使う〜!」


「いいだろう、売れるだけ恩を売ってやるよ」


「はは、返ってこなくても知らないからな」


店主がヒロとマリの防具を選んでくれた。


マリには、[グレートベアの骨盾(ボーンシールド)]、[トライホーンブルの皮鎧(レザーアーマー)」、[フォレストラビットのブーツ]


ヒロは、[ロックリザードの鱗鎧(スケイルメイル)]、[ゴブリンナイトの籠手]、[フォレストラビットのブーツ]


を店主に選んでもらった。


「おぉ、冒険者っぽいな」


「ヒロ〜、何言ってるの? 私達冒険者だよ〜!」


「そうなんだけどな、装備が…あれだったからな」


「まぁ、そうだよねぇ〜」


ヒロ達は、冒険者っぽい格好になったので気分が高揚していた。


「ヒロ、マリ嬢ちゃん気に入ったか?」


「あぁ、中々いいな」


「バッチリだよ!おじさ〜ん♩」


「そうか、それは良かった…代金なんだが」


「おぉ、幾らだ?」


「すまん、予算を少し超えてしまった。」


「……どのくらい?」


「65万だ…」


「なるほど…ちなみに槍の修理費用は幾らだ?」


「3万ほど見てくれれば大丈夫だ…」


「マリ、どうする?」


「う〜ん」


値段交渉に関しては、マリに振るのがいいと考えたのでとりあえず丸投げした。


「おじさん、予算を5万も超えちゃったの?」


「すまん、つい調子に乗ってしまった。…」


「そうなんだ〜、予算は伝えてたのに〜困っちゃうよね〜♩」


「………」


「でも、これだけ買ったんだから割引してくれるつもりだったんでしょ〜?♩」


「いや…その…」


「じゃあ10%割引してくれる?」


「…それだとこっちも厳しい」


「じゃあ8%なら」


「それも…」


「えぇ〜……じゃあ購入代金は65万で、ヒロの槍を修理する費用をサービスにするのはどうかな〜?♩」


マリが落とし所として、槍の修理代金を無料にさせるように誘導した。

マリが横目でチラリと店主を見るとやれやれと言った感じで諦めた。


「はぁ、サービスはするつもりだったからな…それでいいぞ」


「やった〜ありがとう、おじさん♩」


「マリ嬢ちゃんは、とんでもない商人になりそうだな」


マリのおかげで、予算超過5万マールが修理費用の分を差し引くと2万の超過でしかもより良い装備が手に入れられた。


「おじさん、そういえば名前聞くの忘れてた〜」


「あぁ、俺はハンス。ハンス装備屋の店主をしてる。ノルヤに息子が鍛冶屋をしてるから行くことがあったら行って見るといいぞ」


「ハンス、色々ありがとう65万マールだ」


「ありがとう〜、ハンスおじさん」


「ヒロ、2マシュもあれば修理も終わるからその時に受け取りにこいよ」


「わかった、じゃあまた寄るよ」


「私も寄るからね〜」


「あいよ、毎度あり」


ヒロ達は、挨拶をしてハンスの店から出た。


「結構かかるもんなんだな」


「そうだね〜、いっぱい入ってきたけどその分使っちゃったもんね」


「ノルヤに行くのは少し稼いでからの方がいいな」


「向こうでお金無くなったら、この辺より大変だと思うよ〜」


「はぁー、槍が戻ってきたら頑張るかぁー」


マリは、小さな声で


「私は、この町のギルドから離れたいんだけどね〜、ヒロが余所見しちゃうから…」


ヒロには、その声は届いていなかった。


「何か言ったか?」


「何でもないよ〜♩」

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