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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第2章 冒険者ってこんな感じ?
26/165

20話

早めに仕上がったので投稿して間もないですが載せますね(・ω・*)

ようやく西門に着いたヒロ達だったが


「!?おい大丈夫か」


「あぁ、何とか助かったよ」


門番達がヒロの血を見て心配した。


「悪いけど通ってもいいか…疲れてるんだ」


「わかった通っていいぞ」


「ありがとう」


無事門を通ったヒロだが、血が付いているので人々に見れて恥ずかった。


「…やっと着いた…」


「そうだね〜」


ギルドにやっと着いたヒロは、精神的ダメージで弱ってた。


「すいませんー」


「はぁいぃ!?」


「あのこれ…」


「大丈夫!?早く誰か!」


「ケガはしてないので大丈夫です…」


ヒロに注目が集まった。


「おい!大丈夫か?」


「ポーション持ってる奴いるか!?」


「無茶しやがって!」


ヒロを心配して、ギルドにいた人達が、寄ってきて心配してくれた。



「大丈夫です…だからこれを査定してください…」


「おい!誰か運んでやれ」


「おぅ!」


倒したオオカミを運んで欲しかったのに、ヒロ自身が運ばれてしまった。



ギルドの中央の辺りに運ばれたヒロをマリが歩いて追った。



「大変な事になっちゃたな〜」



マリはのほほんとした口調で呟いた。



そしてヒロは、


「俺は大丈夫なので、そこのオオカミを査定してください…」


「こんな血まみれで何言ってんだ!」


「これは、あのオオカミの返り血です…」


「……そうなのか?」


「…はい」


勘違いをしていた冒険者達は、


「なんだよ、脅かしやがって新人が、無茶したと思って心配したんだぞ!」


「新人が血まみれなら、誰だってケガしたと思うだろ!」


「そうだぞ!」


ヒロはとりあえず謝った。


「…すいません」


「ケガしていないなら、それでいい。あんまり心配させるなよ」



顔が怖い冒険者達に心配されたヒロだった。


「ヒロ〜、大丈夫?」


「あぁ、マリか…大変だった。」


「見てたから知ってるよ〜」


「見てたなら助けろよ!」


「だっておもしろ…じゃなくて、ヒロが我慢してるのかと思ってたから〜」


「…今、面白そうって言おうとしたか?」


「……そんなわけないよ〜、あはははぁ」


ヒロは、マリを半目で怪しそうに見つめた。


「ヒロ〜、そんな事より査定してもらおう〜」


「…そうだな…皆さん心配かけてすいませんでした」


集まってた冒険者達が、ヒロに返した。


「おぉ、気をつけろよ!」


「焦って死ぬなよ!」


「今度、いい店連れて行ってやるよ」


ヒロは、頭を下げて見送った。


(最後のは余計だ…)


「ヒロ〜、いいお店って何かな〜?」


「……美味しい酒でも出す店とかじゃないか?」


「そう〜………浮気って良くない事だよね?」


「……それはそうだな」


「だよね〜」



マリは笑顔で言っているが、目が笑っていなかった。



ヒロとマリは、買取カウンターに向かった。そこには、先程持って行ってもらったオオカミが置かれていた。


「すいません、そのオオカミ買取を頼みたいのですが…」


「さっきの騒ぎを起こした新人くんね」


「いえ、私が起こしたわけでは…」


「まぁいいわ、私はこのモンスターを見た事がないからちょっと待ってて」


買取カウンターにいた美人でカッコイイお姉さんが奥に向かった。

黒髪で少し鋭い目をしているが、背が高くスタイルもいい。


(猫が警戒してる時のような態度だったな…ストレスで胃に穴が空きそうだから、早くクゥに会いたい…)


そんなヒロのストレスの原因は、ヒロに聞いてきた。


「ヒロ〜、あれいくらになるかな〜?」


「それなりに強かったから…50000マールくらいになったらいいな」


「おぉ!美味しい物食べられるね〜」


「最悪、10000マールぐらいでも明日も泊まる分くらいは残るだろう」


「はぁ〜、ヒロは夢がないな〜」


「現実的なだけだろ?」


「ふ〜ん、少し減点かな〜」


「そうか…」


(おっ!現実的な人はあんまり好ましくないのか…それは、チャンスかもしれないな…冒険者ギルドならマリが、目移りする人もいるだろう…自由への鍵になるぞ!)


「なんで少し嬉しそうなの〜?」


「高く売れた時の事を考えてただけだ…」


「それは楽しそうだね〜」


「あぁ、楽しいぞ」


マリが少し怪しんだが、上手く誤魔化せたと確信したヒロであった。


「すいません、ヒロさんでしたか?」


「えぇ、そうです。さっき買取カウンターで受付してくれた人ですよね?」


「その…ギルド長が呼んで来るようにと…」


「えっ…何もしてないと思うのですけど」


「呼んで来るように言われただけなので」


お姉さんも少し困った顔をしたので仕方なく行く事にした。

相手を見て判断した訳ではない…ないのだ!


「ヒロ?急にどうしたの?」


「…何か言ってたか?」


「[ないのだ]って何が?」


「……悪いことは、していないのだ!って思っていたが、口から出ていたか」


「私も何もしてないよ〜?」


「とりあえず、話を聞きに行こう面倒に巻き込まれるのは嫌だからな」


「後ろから付き添ってあげるよ〜」


「マリも当事者かもしれないんだけどな…」


ヒロは、とりあえずお姉さんに着いて行き、ギルド長の部屋に向かうのであった。


「ここがギルド長の部屋です」


案内されたのは、2階正面の奥にあった部屋だ。

少し豪華な扉だったので少し気にはなっていた所だった。


お姉さんがノックをして入室の確認を取った。


「ギルド長、ヒロさんを連れてきました。」


「…入れ」


短くギルド長らしき人は、答えた。


「失礼します」


お姉さんに付いてヒロ達も部屋に入った。


「来たか…」


そこには、筋肉ムキムキで目が鋭く、いかにも猛者という風貌の男が座っていた。

服装は、金らしき刺繍をあしらった、赤い服を着ていた。


「ギルド長、こちらがヒロさんです」


「…ごくろう、仕事に戻ってくれ」


「失礼します…」


お姉さんは、一礼をして部屋から出て行った。


「………」


「………」


「とりあえず座ったらどうだった?」


ギルド長が2人に座るように勧めた。


「失礼します」


「ありがとう〜」


ヒロはとりあえず無難に答え座り、マリは、いつものように答え座った。


「さて、君達を呼んだ理由なんだが…」


「………」


「何ですか〜?」


この重い空気の中でもマリは、ブレない。


(マリ…お前すごいな)


ヒロは、マリの事を少し尊敬した。


「ヒロとマリだったな…登録したのが今日だと聞いているが…」


「…はい、今朝に2人とも登録しました。」


「そうなんだよね〜」


「…そうかそうか、俺はギルド長のグランガだ」


「グランガ様、よろしくお願いします。」


「よろしくお願いしま〜す!」


「ははは、よろしくな。それから俺は様で呼ばれるのは苦手だ…さんを付けて呼んでくれ。」


「それでは、グランガさん…何故私達は、呼ばれたのですか?」


ヒロは、少し空気が変わったので本題について聞いてみた。


「お前達2人が狩ってきた、モンスターについてだ…」


「……何か罰則に触れる事でしたか?」


「いや…ただ駆け出しが狩れるようなモンスターじゃないって事だ…あれはレアモンスターだ…」


「……そうなのですか?」


「ふ〜ん…正直お前らが狩ってきたとは思ってない…拾ったか、盗んだと思ってる」


「……いえ、マリと2人で狩りました…嘘ではありません。」


「本当だよ〜!」


どうやらギルド長は、今日の獲物を何処かで盗んだのでは?と思っているらしい…


(確かに強かったが…奇跡的にという発想はないのか…)


「正直、奇跡で倒せる相手じゃない…Bランク認定のモンスターだ。名称は、ジェットブラックウルフ…漆黒を名前に持つモンスター…色が純粋に近いほどモンスター種族の中で強いとされる」


「それは、あのオオカミが種族の中では一番強いという事ですか?」


「正確には、群れを率いる王や女王の様な個体がいるから一番ではないが…その群れの一匹でBランクといえばどうかな?」


「それは…やばいですね」


「そうなの〜?」


「お嬢ちゃん、群れの一匹でBランクだ…王もいてそれが数十、数百いたらどうだ?」


「あ〜…やばい〜!」


「そう…ちなみに過去あった群れだがSランク依頼で、AランクとSランクパーティが全部で20ほど集まって討伐出来たらしいという資料がある。」


「……それほどとは、思いませんでした。」


「…だから正直に話してくれ」


ヒロは、どうしたら信じてもらえるかと考えた、そしておもむろに話始めた。


「確かに、冒険者の登録を今朝したのは事実です…しかし、ある人に師事をしたので奇跡的に倒せたこれが真実です!…」


(少し強気に言い過ぎたか…)


「ほぉ〜…名前を聞いてもいいか?」


「コハナ村の村長で名前は、ファンドという人です…」


「!…ファンドか…」


「知っているのですか?」


「あぁ、その頃俺も冒険者として一線にいた…」


「それで〜?」


マリは、続きが気になったので素直に聞いた。


「俺は当時Cランク、同じCランクでフォンドが率いるパーティはBランク確実と言われていて、数年後にはAランクにと噂されるほどだった…」


「ふむふむ〜」


マリが楽しそうに相槌を打った。


「…実際1回だけ見た事がある…その時俺よりも確実に上に行く奴だと思ったよ…」


「そうなんだ〜」


「……だからその話を聞いて、今回の事は、信用できると個人的には思っている。」


「じゃあこれで、大丈夫なのか?」


「ただ、ギルド長としてまだ信じる訳には行かない…」


「はぁ…そうですか」


「1日待ってくれ、それで終わらせる」


「……分かりました、と言いたい所ですけどお金が心許ないんですよ」


「……1日待たせるからな、俺からのポケットマネーだ、足りるだろ?」


「10000マールですか?!」


「足りないか?」


「いえ、十分です…」


「とりあえず、今日は戻っていいぞ、その代わり明日朝来てくれ」


「分かりました…」


「は〜い!」


マリは、元気良く返事をした。


(はぁ…面倒事に結局なったよ…)


ヒロとマリは、ギルドを出て宿に向かったのであった。


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