19話
投稿頻度が落ちてしまいすいませんでした
(´・ω・`)
マリのおかげで安く食料が手に入ったヒロ達は、宿に武器などを取りに戻った。
「冒険者ギルドはどうでした?」
「今、登録してこれから少し依頼に行こうと思ってました。」
「そうですか、宿はどうしますか?」
「今日も泊まりますので、これで」
「わかりました、食事は?」
「外で食べるかもしれないので、大丈夫です」
「では、お気をつけて」
「ありがとうございます」
ヒロは、宿の主人に伝えて、部屋の扉をノックして入った。
「マリ、準備は出来たか?」
「ヒロ〜、クゥが…」
「!どうしたんだ!?」
「…ヒロの荷物をガリガリしてた…」
「……それは良くある事だ」
「そうなの〜?」
マリが深刻な事の様に思っていたが、ネコは良くやる事なので問題はない。
「クゥ、おいで」
「!にゃ〜、にゃ〜、にゃん」
クゥは、ベッドの下から出て来てヒロを出迎えた。
「クゥ、寂しかったのか?」
「にゃ〜」
「そうか、ごめんな」
「にゃ!」
「ありがとう、クゥまた外に出るからここでお留守番お願いできるか?」
「にゃ〜」
「ここにご飯置いていくから」
「にゃ〜ん」
ヒロはクゥにまた出掛ける事を伝えた。
「ヒロは、クゥとお話できるの〜?」
「いや、何となくわかるだけだ」
「そうなの?話してる様にしか見えなかったけど…」
「そんな便利な能力あるわけないだろ?」
ヒロはマリがおかしな事を言ったので否定した。
(ネコと話せる能力があるならすぐに欲しいわー…)
ヒロは、ネコが大好きなので話す事が出来る方法を探すのもいいなと思った。
「まぁ、趣味の範囲で動物と話せる能力があるか探すのもいいな」
「え〜、強い能力でお金いっぱい稼いでよ〜」
「そんなに稼いでどうするんだよ」
「一等地に豪邸建てて、優雅に暮らすの〜!」
「とりあえずは日々の暮らしが出来るようになってから考えるよ」
ヒロ達は今ほとんどお金がないので稼がなければならない。
「わかってるよ〜」
「なら、依頼をこなしに行くぞ」
「はぁ〜い」
マリは片手斧を、ヒロは槍と荷物を持って宿を出た。
それから、西の門から出て森に向かう道を進んだ。
「マリ、後どのくらいだ?」
「後10分くらいしたら見えると思うよ〜」
「そうか…暇だな」
「一応外なんだから緊張感持ってよ〜」
「緊張感がない、マリに言われてもな」
ヒロ達は、移動中モンスターどころ野生動物にも会うことがなかった。
「こんなに動物がいないものなのか?」
「凶暴な動物でもないと結構、隠れてるのが多いよ、それに、森に行けば嫌でも会うんだから我慢してよね〜」
「はぁ…森に、面白いのがいればいいな」
「依頼で行くんだから、ちゃんとしたよね!」
「はい、はい」
「はぁ〜、ヒロはまったく〜」
マリに呆れられたヒロだが、特に気にしてはいない。
(今はお金がないから仕方ないが、落ち着いたら、家でも借りてクゥとゴロゴロしたいな)
そんな事を考えて歩いていたヒロが
「もしかしてあれか?」
「おっきいね〜!あれだよ〜」
そこには、大きな緑が広がっていた。全体的に背の高い木が多く、どのくらい広がっているかわからないくらいだった。
「おぉ、これは少しやる気が出てきたな」
「そぉ〜…怖くない?」
「いや、冒険って感じが良くないか?」
「私1人で行かないといけないなら、絶対入りたくない…」
「大丈夫、ちゃんと助かるから」
「無事に帰れますように…」
マリが無事を祈っている横でヒロは、ワクワクしながら森を目指すのであった。
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5分ほど歩くと森の入り口に辿り着いた。
「雰囲気があっていいな!」
「ありすぎだよ〜…」
「怖いのか?なら帰った後の事を考えるんだ」
「例えば…」
「これが終われば、美味しいものが食べられるだろ、クゥとゴロゴロ、もふもふできる」
「……まだ薬草取ってないよ…」
「だけど取れないとも決まってない、ならいっぱい取れると思った方がいいだろ?」
「…そうだね」
「それに俺は、作戦は命を大事に派だからな」
「それ普通じゃない?…」
「いや、ガンガン行こうぜ!派も結構いたな」
「それ長生き出来ないよ…」
「まぁとりあえず行くぞ、夜になったらシャレにならん」
「はい…」
早く森に行きたいヒロと行きたくないマリとの温度差は激しかった。
ヒロ達は、クラモ草を探して森を進んでいた。
「マリ、そろそろクラモ草がありそうな場所の近くか?」
「そのはずだよ…」
「マリ怖いと思うから怖いんだ、楽しく歩いてたら何も寄って来ないさ」
「………」
「ほら、森に入ってから何にも」
ガサッガサッと草むらから音がした?
「…….マリ、武器を構えろ」
マリは、返事をしないが無言で頷いた。ヒロも槍を短めに持って構えた。
「来るならさっさと来い!」
「来ないで…」
マリが小さな声で呟いた時
「ワォーン!」
オオカミのような動物が現れた。毛並みは黒く、凶暴そうな牙と鋭い爪を持っていた。
「!あれはやばそうだな」
「…モンスターかもしれない」
「マリわかるのか?!」
「なんとなく、やばそうな雰囲気だから」
「手傷を負わせたら、逃げるぞ!」
オオカミがヒロ達に向かって襲いかかってきた。
「ワォーン!」
「!確実にモンスターだな…」
何とかオオカミの爪を避けたヒロは、木の幹が3割ほど切れ込みが、ついたのを見て焦っていた。
「…マリ俺が囮になって注意を逸らすから、斧で攻撃してくれ」
「ヒロは…」
「何とか動きを止めるから、マリは気にせずやってくれ」
「ヒロ…気をつけて」
「あぁ」
ヒロは、石を2、3個拾いあげてオオカミに向かって投げた。
「こっちだ!毛むくじゃら!」
「ガルルル!」
ヒロの投げた石を軽く避けて、ヒロに向かって走ってきた。
「クゥを待たせられないから、倒させてもらうぞ!」
「ガォ!」
飛びかかり爪で切り裂こうとするオオカミをヒロは、槍の柄で防ごうとした。
その瞬間槍は中ほどで切れた。
「…もらったばっかりだが、助かったな」
ヒロは、柄の別れた部分を持って2槍スタイルで構えた。
「片方で防御して、攻撃することが出来れば隙は出来るはず…」
ヒロは、覚悟を決めてオオカミに向かって行った。
「槍のお返しだ!」
「ガオ!」
「!やばい」
ヒロに、向かって大きな口を開けて噛み付いてくるオオカミに対して
「これでも食べてろ!」
ヒロは、とっさに柄の方を口元に向けて突いた。
オオカミが噛みつき粉々に噛み砕く瞬間に
「これで終わりだ!」
ヒロは、首元に槍を突き刺した。
「グゥァァワォ!?」
「マリ!」
「えい!」
その瞬間、オオカミの首は地面に落ちた。
「はぁはぁ、助かった」
「危なかったんだからね!」
「……悪かったよ」
ヒロは命をやり取りしたオオカミを見ながら地面に座った。
「…血抜きをしたら今日は森を出よう…」
「その方がいいね〜」
「飯を食べよう、お腹がすいた。」
「そうだね〜」
ヒロ達は、黒パンと干し肉を食べて休んだ。
「そろそろ、持って行って大丈夫か?」
「もう大丈夫だと思うよ〜」
「なら、俺が担いで持って行く」
「首は?」
「薬草を入れる為の袋に入れるから…」
「わかった〜」
「ありがとう」
ヒロ達は、今日の獲物を担いで森から出る事にした。
「他の動物がいないな」
「そうだね〜、こんなに血の匂いするから警戒してたけど」
何事もなくヒロ達は森を出た。
「マリ、疲れたら言ってくれ、休むから」
「大丈夫〜」
マリは、まだ元気があったのと森から出られる事で明るく答えた。
「わかった…町を目指そう」
「はぁ〜い」
しばらく歩くと町が見えてきた。
「血がついてるから、落としたいな」
「着いたら、ギルドにこれ持って行って、宿で洗おう〜」
「それがいいな」
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