18話
少し遅れてしまいました。
一方その頃、クゥは起きて、ベッドの上でゴロゴロしていた。
「にゃー、にゃー」
ヒロ達が置いていた事が不満だったので、ヒロの荷物をツメでガリガリしたり、飛びかかったりったり一通り遊んだ後、ベットの下に潜った。
「にゃ〜ん、にゃ〜」
ヒロが来ないので、またクゥは寝ることにしたらしい。
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ヒロとマリは2階の資料があるスペースに向かった。
「えーっと薬草、薬草」
「森〜森〜」
二人は手分けをして資料を探していた。
「薬草の知識…これかな?」
ヒロはそれっぽい本を見つけたので、机に持って行って調べる事にした。
「そういえば、なんでこの世界の文字読めるんだ?、まぁ読める分には便利だからいいか」
「ヒロ〜地図と資料みつけたよ!」
「ありがとう、一緒に見るか」
ヒロとマリは、まず薬草について調べた。
「クラモ草…クラモ草…これか?」
「これだと思うよ〜」
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[クラモ草]
主な使用方法
下級ポーションの材料の一つ。
その他食べる、もしくは患部にすり潰して塗る。
生息場所の特徴
日陰で湿気の多い場所に多く見られます。
見た目
葉がギザギザしていて、葉脈が青色
注意
葉脈が赤色の場合は、毒草のクモ草であるので気をつけましょう!
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「なるほど、青色でギザギザか」
「わかりやすいね〜」
ヒロとマリは、薬草の本が理解しやすかったので楽しく見ていた。
「ついでに他の薬草も見るか」
ヒノカ草のページを探した。
「これだな」
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[ヒノカ草]
主な使用方法
中級ポーションの材料の一つ。
その他、下級状態異常回復ポーションの作成にも必要。
生息場所の特徴
日がよく当たる森などの奥に見られる。
見た目
丸に近い葉の形をしていて、黄色の花を付けている。
注意
花が付いていない場合は、時期が過ぎているため効果はない。
また、直接食べると腹痛、患部に塗ると悪化するため、ポーションにするまでは微毒性あり!
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「ケガをしたら、どちらにしてもヒノカ草は使えないな…」
「そうだね〜、高価なのとそのままだと使えないんだね〜」
「ケガをしたら、クラモ草を使わないといけないな…」
ヒロ達は他の薬草なども流して読んだ。
「次は、地形と森にいるモンスターとかの情報も必要だな」
「これ見つけるの大変だったな〜」
「そうか…それで森の情報は?」
「あ〜、疲れたな〜、優しい人いないかな〜」
「ありがとう…お疲れ様…」
「どういたしまして〜♩」
ヒロは一々面倒だと思ったが、機嫌を取っておいた方が後々、楽になるのでお礼を言った。
「この町から西にある森の名前は?」
「セリマの森みたいだよ〜」
「へぇ〜、どういう所なんだ?」
「ちょっとまってね〜」
マリは、森の情報をまとめてくれた。
「まず、距離はここから30分ほどの場所にあるみたい〜」
「ふむ、これからでも行ける距離だな」
「川が流れてるから、資源も豊富らしいね〜」
「モンスターとかは出るのか?」
「この本には書いてないね、イノシシ、ウサギ、オオカミとかはいるみたい〜」
「行く前に、聞いてみるか…薬草がありそうな場所はありそうか?」
「森の入り口の近場に、2カ所くらいありそうだね〜」
「そこに行ってみてから考えるか」
「それでいいと思うよ〜」
一通り必要な知識を手に入れた、ヒロとマリは1階に向かった。
「マリ、今日から行くか?」
「う〜ん、準備してから下見で行ってみよ〜」
「そうだな、もしかしたら少しは見つかるかもしれないしな」
ヒロは会話をしながら受付に向かった。
「すいません、セリマの森について聞きたいのですが」
「はいはい〜、セリマの森ね!何を聞きたいの?」
「最近、モンスターが出たとか出るなどの情報はありますか?」
「ちょっとまってね〜!モンスターの情報はないわね、でも行くなら気をつけていくのよ!」
「ありがとうございます」
ヒロは、受付の元気なお姉さんから聞きたいことを聞いた。
話すたびに動くので、かすかに胸元が揺れているのを見ていたヒロは、今日だけで異世界を堪能していた。
(異世界にきてよかったな…)
ヒロの心も満たされたので、準備をしてセリマの森に行くことにした。
「マリ、何が必要だ?」
「…私への愛…」
「………食料と水袋、あとは薬草を入れる物があればいいか…」
「…私もあれくらい大きかったら…」
マリのことは、そっとした方がいいと思ったのでヒロは1人で準備することにした。
「とりあえず、ギルドにある店で買えるか見てみるかな」
「手元にある12000マールの内使うとしても5000マール以内だな」
ヒロは売店の様な店に向かった。
「すいませんー」
「どうした、坊主?」
「水を入れられる物と採取した薬草を入れる袋って売ってますか?」
「…水を入れられるなら水筒か水袋だな…薬草を運ぶなら安いこれで十分だな」
「…水筒はいくらなんだ?」
「水筒が12000マール、水袋なら1つ2000マールだな…薬草の袋は1つ1000マールでいいぞ?」
「……水袋2つと薬草を入れる袋を1つください」
ヒロは手持ちでは水筒が買えないので諦めた。
「まいど〜5000マールだな」
「ありがとう…ちなみに水筒はなぜ高いんだ?」
「水筒は加工の手間がかかる、そして水袋よりも耐久性が高いな」
「そんなに水袋って壊れるのか?」
「使う人間、環境でも変わるが1、2回くらいの依頼で壊れるくらいだな…」
「かなりの消耗品なんだな…」
「お前難しい言葉知ってるな!お前の言う通りだ…だからある程度溜まったら水筒を買う奴がほとんどだな、魔法アイテムのだと鮮度と冷たさが維持されるらしいな!」
「へぇーいい事聞いたな、ありがとう」
「また何かあったら買いに来いよ?アドバイスしてやるからな!」
「あぁ、俺はヒロよろしくな」
「俺は、ガルハこれでもそこそこ顔は聞くからまたな!」
「またなー」
ヒロはガルハの売店からマリの元に戻った。
「マリ、食料どうする?」
「……あれヒロ?食料は、ギルドの食堂で買えるよ〜」
「水袋と薬草を入れる袋は買ってきたぞ」
「……いくらかかった?」
「5000マールだな」
「…妥当な価格ね、私なら500マールは値引きさせるけど」
ヒロは、その言葉を聞きマリに任せたらよかったと思った。
「次からは、相談する…」
「騙されてはいないから大丈夫だよ〜…ただし次は、私も買い物は着いていくからね〜」
「はい…」
「じゃあ食料を買っていきましょ〜」
マリに着いて食堂に向かうヒロの足取りは重かった。
(このままだとマリの尻に敷かれる所か、嫉妬のあまりなんて事も…)
(マリと別れるのはまず無理だろう…バッドエンドしか見えない…)
(しかしこの誘惑の多い世界ではマリだけというのは…もったいない、なら)
そんな事を考えていたヒロにマリが
「ヒロ〜どうしたの?食堂行くよ〜」
「おぉ、今行くよ」
「ぼぉ〜っとしてると危ないからね〜」
「わかったよ」
ある事を決意したヒロは、食堂に向かったのであった。
「すいません〜」
「どうしたの?お嬢ちゃん」
食堂の受付のおばさんがマリに尋ねた。
「保存食が欲しいんですけど〜」
「保存食ならこのあたりかねぇ」
そこには干し肉と硬い黒パン、干したブドウの様な物があった。
「いくらですか〜?」
「この3つを1食分のセットで600マールだよ」
「……500マールになりませんか…」
「う〜んこの干したブードを半分でいいなら500マールでもいいよ」
「!ありがとう〜お姉さん!」
「あら〜いい子ねぇ、このパンにジャム塗ってあげるね」
マリの交渉により、食料が500マールになり、ジャムまで塗ってくれる事になった。




