16話
なかなかクゥを登場させられないですね〜
(´・ω・`)
冒険者ギルドに着いたヒロ達は、扉を開けて中に入った。
入って右側には酒場があり、左側は何かを販売したり、どうやら何かを買い取りしてもらう場所らしい、正面は中央にはボードがあり奥には受付があった。
「マリあの正面の所に行けばいいのか?」
「たぶんそうだよ〜」
ヒロとマリは受付に向かった。
(テンプレのあれがくるのかなー…)
そんな事を考えていると
「おい!にいちゃん、子供を連れてどうしたんだ」
(テンプレきた!ってなる所なんだろうけど…)
「あの〜…」
「お前見ない顔だな、登録か依頼でもしにきたのか?」
目の前にいる片手剣を差した革の鎧を着た30歳くらい男性が聞いてきた。
「実は、連れと二人で登録しようかと…」
最後まで言う前に
「なんだと!」
(あぁー、どう対処したら…こんな時にチート能力があれば…)
「妹と一緒に冒険者になるなんて、色々あったんだな…」
(えぇー)
「はい…まぁ色々ありましてマリと一緒に冒険者になろうと」
「そうか…何か困った事があったら言ってくれ、これでもカルフォのギルドでは中々のパーティーのリーダーだ。」
「俺の名は、ブレイだ [蒼炎の園]がパーティー名だ。」
(蒼炎…園…どういう意味だ…)
「ありがとうございます…何かありましたら、ブレイさんにお力をお借りします。マリもいいね」
「はい!ヒロ兄様〜」
「ははは、仲良さそうでいいな!またな」
ブレイは去っていった。
「マリ……冒険者ギルドっていい人が多いのか?」
「どうだろう〜、あんまり悪そうな人はいないかもね〜」
(やっぱり創作の物語のテンプレはここでは役に立たないのか…)
「とりあえず冒険者登録にいくか…」
「そうだね〜♩」
ヒロは、向こうの世界でたまに読んでいた物語のテンプレを予想してどうするかを考えていたがここでは当てはまらないことを諦めていた。
そんなヒロに対してマリは楽しそうにしている。
「すいません」
ヒロは、受付のお姉さんに尋ねた。
「依頼でしょうか?」
「いえ、冒険者登録をしたいのですが…」
ヒロは受付のお姉さんに伝えた。
しかし、ヒロの目線はお姉さんの中央のロックオンしていた。
それもそのはずだ、大きいと表現するには足りない、巨大と言ってもいい山が連なっていた、しかも美人でスタイルもいい。
(なるほど…ここはテンプレなのか!)
そんなヒロを見たマリは、
「ヒロ〜…どこを見てるの〜」
マリは笑顔だが目が笑っていない、そして後ろから背中をかなりの力でつねられた。
「!マリ、初めて来たから緊張してたんだ。」
「そうだよね〜初めて来たんだもんね〜」
そんなやり取りを見ていたお姉さんは、
「ふふふ、初めては、みんなそんな感じですからね♪」
と楽しそうに言ってくれた、少し艶のあるかんじで…
「冒険者登録を2人でお願いします…」
「かしこまりました♪この書類を書いてもらえますか?」
そこには名前、年齢、得意な武器、魔法、を書く欄があった。
「すいません、魔法はまだ使えるかわからないのですが…」
「まだ見ていないのですね♪空欄で構いませんよ、代筆も出来ます♪」
お姉さんは優しく教えてくれた。
ヒロは、こういう所だけテンプレでよかったと心の底で思った。
顔に出さないようにしているが…
「ヒロ、早く書いた方がいいよ」
マリは低いトーンで早く書くように促した。
ヒロは急いで書いた、怖かったからでは決してない、人が並ぶかもしれないからだとヒロは思うようにした。
「これで大丈夫ですか?」
「これでいいの〜?」
二人の書いた書類を見て
「お二人とも綺麗な字ですね♪大丈夫ですよ、冒険者を諦めたらギルドの職員に来て欲しいくらいです♪」
お姉さんにギルドで働きませんかと誘われた。
ヒロ一人なら、おそらくそのまま職員まっしぐらだった…しかしここにはマリがいる…
「ヒロは、身体を動かす方が好きだよね〜」
「……」
「ね〜!」
「……はい」
ヒロは、マリが怖くなってきた…このままではマリの計画は成功してしまう…ヒロは抗えない運命なのかと絶望を少し感じた。
「ふふふ、では登録料一人3500マールお願いします♪」
「これでお願いします」
ヒロは7000マールを出した。
これでヒロの手持ちは12000マールほど、2日ほどはなんとかなるが…
「手続きをしてきますので、少しお待ちください♪」
受付のお姉さんは奥に向かった。
「ヒロ〜、登録が終わったら依頼見に行こうね〜」
「見てもわからないから、アドバイスをもらった…」
「………」
無言の笑顔のマリが怖い。
「……はい」
ヒロは、恐妻家の夫はこんな気分なのかと思った。
優しさが欲しい…
「おまたせしました♪こちらが冒険者カードです、ランクはF→E→D→C→B→A→Sと上がります♪これはFランクのカードですね♪」
「ありがとうございます」
「わからない事があったら聞いてくださいね♪」
ヒロは、その言葉に希望を見つけた。
「あの、クエストの…」
ヒロはクエストの事を聞こうとした瞬間に殺気のようなものを感じた、もちろんヒロはまだ殺気など受けたことはないが…
「何かありました?♪」
「いえ…ありがとうございました。」
「あっ私ユーリィって言います♪何かありましたら、遠慮なくきてね♪」
「はい…」
ヒロの反抗のタイミングを逃したのであった。
ようやくヒロの活躍が始められますヾ(・ω・*)




