14話
前回のあらすじ
ヒロ達はコハナ村を出てカルフォの町についたのであった、宿屋を紹介され向かうのであった…
ヒロ達はおばあさんからもらった地図を頼りに宿を探していた。
「たぶんこっち〜」
「大丈夫なのか?迷って襲われるなんて嫌だぞ…」
「地図くらい読めます!」
ヒロはなかなか着かなったので不安になった。
「あっあれだよきっと〜」
そこには隠れ家的な宿があった。
[宿屋 アプルン]
アプルンは、マリがおばあさんの所で買ってきた果物の名前だ。宿屋を探す途中に食べながら聞いた。味はりんごだった。
「ちゃんと着いたでしょ〜」
マリがドヤ顔で言ってきたので適当に流すことにした。
「はいはい、さすがだね、えらいね〜」
「ヒロ、絶対褒めてない…」
「そんなことないって、とりあえず宿に入ろう…」
マリは納得がいかないと言う顔で付いてくる。
「いらっしゃい!宿屋アプルンにようこそ!」
「何名様ですか?」
主人らしき人とその奥さんが迎えてくれた。
「すいません2名です…あとこれ」
「?母さんの紹介か、珍しい事もあるんだな」
「お母様のですか?」
宿屋の主人達は驚いていた。
「そんなに珍しい〜の?」
「母さんは人を見る目が確かだからな、なかなか紹介することはないんだよ」
「へぇ〜」
「紹介ってことなら1泊4000マールの所、3000マールにしてやる、1食1500マールだがそれも1000マールでいいぞ?」
「ありがとうございます」
「なら2部屋で6000マールだ」
やっと休めると思っていたらマリが
「ヒロ〜もったいないから1部屋で大丈夫!」
「どうやって寝るつもりだ…」
「それはねぇ〜」
「わかった、マリが床で寝るのかありがとう」
「違うよ!一緒に寝たらいいよ〜」
確かに手持ちにそこまで余裕があるわけじゃない、ヒロからしたら宿代半分で済むのは…
「……1部屋で頼む…」
「むふぅ〜」
マリは満足そうだった。
鍵をもらい時に小さな声で
「あんまり騒がしくはしないでくれよ?」
宿屋の主人に変なことを言われた。
「…みんな俺をロリコンにしたいのか…」
深く考えると疲れるのでヒロは気にしないように部屋に向かった。
「マリ、夕ご飯食べるのいつにする?」
扉を開けながらマリに尋ねようとしたら
「ヒロ〜私を先に〜」
そんな寝言を言って、布団を半分めくってベットに横になるマリを久しぶりに拳骨を落とした。
「イッた〜!」
「マリ、バカだとは思ってるがそこまでバカだとは思ってなかった。」
「え〜せっかく2人なのに〜」
「クゥもいるぞ?」
「男と女二人っきりならすることは!」
「マリ、あんまりバカなこと言ってると縄で縛って床で寝せるがいいか?」
「……今日のご飯何かな〜?」
マリはヒロが本当に怒っているので今回は撤退した。
「今から食べるか?」
「そうだね〜お腹すいたな〜」
マリの企みを阻止したヒロは、夕ご飯を食べるため1階の食堂スペースに行くことにした。
「すいません、二人分お願いします」
「あいよ〜」
待つこと30分くらい夕ご飯が出てきた。
「なかなか美味そうだな」
「そうだね〜」
黒パン、焼肉のような薄切り肉、スープは、村で食べていた物とは違い、野菜とソーセージだけでなくパセリのような物とたぶん胡椒だと思われる物が入っていた。
焼肉はシンプルに塩と胡椒だった。黒いのはやっぱり胡椒だった。
「うまいな」
「美味しい〜ね」
「マリ、香辛料…この黒い粉って高いのか?」
「う〜ん、質によるけど2000マールくらいでこのくらいの瓶はたぶん買えるよ?」
マリは人差し指と親指で大きさを教えてくれた。
たぶん5cmぐらいの瓶らしい。
物語では紙や胡椒は高価でそれで儲けるなんて事はそれなりにあることだが、この世界では適用されないらしい。
「旅をするから調味料を少し買っておくのもいいかもな」
「そうだね〜奥さんとしてはちゃんとした物食べて欲しいな〜」
「はいはい、ありがとう」
そんな会話をしたヒロは黙々ととご飯を食べる。
「ごちそうさま」
二人は食べ終わったので町ですることを話した。
「マリ、この町で冒険者ってなれるのか?」
「冒険者ギルドはあるはずだよ?」
「じゃあ明日行ってみるよ」
「でも、目的地のノルヤは大きいからそっちでなるのもいいかもよ?」
マリはヒロに提案した。
「本来ならそうなんだろうけど、もらったお金にも余裕はないから、何か不測の事態があったら行き倒れるぞ…」
「……お仕事は大事だよね〜ヒロ♩」
「あぁそうだな、一緒にするぞ」
「えっ!私もするの?…」
マリは自分は働かないで、ヒロが稼いでくると思ってたらしい。
「……そうか…短い間だったが、ありがとうマリ元気でな…」
「!ヒロ、冗談だよ〜ちゃんとお手伝いするって〜」
「なんだ、冗談か危なく旅の仲間と別れる所だった」
ヒロは、マリが冗談を言ったのだと思ったがマリは本気で働く気がなかった。
しかしこのままだとヒロなら置いていきそうだったので心を入れ替えたのだった。
そして部屋に戻り、クゥにご飯を食べさせてヒロたちは寝るのであった。
まったりパートからそろそろ戦闘パートに突入する予定です。




