13話
少し遅れましたが第2章始まります
ヒロ、クゥ、マリは近くの町を目指していた。
「マリ、町ってどのくらいで着く?」
「う〜ん、2マシュほどはかかると思います」
「思ってたより遠いんだな…」
「町に行くならそのくらいかかりますよ?知らなかったんですか?」
「そういえば聞かなかったな…」
ヒロは、向こうの世界の感覚でいたのでまさか2マシュ、2日もかかるとは思ってもみなかった。
「マリ、野営ってしたことあるか?」
「ありますよ〜、だからこのマリにど〜んと任せてください!」
「なら、頼りにさせてもらうよ」
「にゃ〜」
しばらく歩いているが、飽きてしまったヒロ。
「暇だな…」
クゥは、寝てしまったのでヒロが抱えることになった。
(気持ち良さそうに寝てるな…)
(いつもなら最高の気分なんだが…)
今のヒロは荷物を結構持っているのでクゥを抱えて歩くのは大変なのだ。
「ヒロ〜荷物少し持ってあげようか?」
「マリも荷物を持ってるんだ…気持ちだけもらっておくよ…」
「こう見えて結構力持ちなんだけどな〜」
ヒロは持ってあげようかと言ってくれた、マリに感謝しているが少女に荷物を多く持たせるのは絵面的よろしくない…
しばらく歩いたヒロ達は、野営をすることにした。
「テントはね〜、こうやって〜これを広げて〜こうするの!」
テキパキとテントを建てるマリを見ていたヒロだがあまり覚えられそうにないと、ヒロは思った。
クゥは、相変わらず寝ていた。戦力外である。
猫に何かさせようというのが間違いだが。
「ヒロ〜、ちゃんと火つけられる〜?」
「そのくらい出来る…」
ヒロはマリに出来ると言ったが、火はなかなか着かない。
ライターなどの便利グッズがあった向こうとは違い、火打石だからだ。
「この!」
何度か試してやっと火が着いた。
「がんばったね〜、えらいえらい」
マリに子供扱いされ少しイラッとするヒロだが、俺は大人、と頭の中で言い聞かせ落ち着いた。
フォンドにもらった黒パンとソーセージを焼いて食べた。スープがあった村の食事を早くも懐かしくなるヒロだった。
「俺は、外で見張りをしつつ休むから、マリは、クゥと寝ていいぞ」
「え〜それじゃあ、ヒロと…」
何を言いたいかは、何となくわかったが、見張りも無しで寝ることは、この世界では難しいだろう。
「子供はさっさと寝ろ」
「またそんなこと言って!知らない!おやすみ!」
「にゃ〜」
「おやすみ」
クゥはテントに入り、マリも怒りながら向かった。
「見張りか、徹夜はそれなりにした事があるからなんとかなるだろ」
夜も更けやる事のないヒロは、
「冒険者でもやるか…町に着いたらギルドに行ってみるか」
「俺にはどんな能力があるんだろうな…チートとか欲しいは〜…」
槍を手入れしながらヒロは独り言を言っていた。
朝になりマリが起きてきた。
「ヒロ!まさかずっと起きてたの!?」
「だって見張りだろ?」
「だからってずっと起きてるなんて…」
「少し眠いが、とりあえず朝ごはん食べよう」
「私が準備するから、ヒロは寝て!」
「いや…」
「寝てください!」
「有り難く寝させてもらうよ」
ヒロはマリが怒っていたので素直に仮眠をとった。
「にゃ〜」
クゥが寝ているヒロの横に来て横になった。
(クゥはあったかくて気持ちいいな…)
ヒロが起きたのは5時間も後だった。
「ヒロ〜起きて〜」
「あとちょっと…」
「起きなさい〜!」
ヒロはマリの大声で飛び起きた。
「ワァ!」
「やっと起きた〜」
「まだ眠い…」
「少し寝てとは言ったけど〜寝すぎ〜」
「どのくらい寝てた?」
「もうお昼過ぎくらいだよ〜」
「じゃあごはんは?」
「ちゃんと用意してる〜」
「ありがとう、お腹すいた…」
「ふふ〜、ヒロの奥さんになるんだから当然!」
「………ごはんもらうよ」
「もう〜」
そんな会話をした後、ヒロは無事ご飯を食べて町を目指すためまた歩き始めた。
「あそこに見えるのが町か?」
「そうだよ〜カルフォって言う町だよ〜」
「目的地のノルヤに行くには、このカルフォを通らないとコハナ村からは行けないんだ〜」
ヒロ達は夕方になり、カルフォに着いた。
「身分証はあるか?」
「持っていません…冒険者になろうと思って」
「仮の身分証が500マール、通行税が1000マールだ、2人で3000マール必要だがあるのか?」
「これで足りますか?」
フォンドからもらったお金を出して払った。
「大丈夫だ、ようこそカルフォへ」
「ありがとうございます…」
「ありがとう〜」
2人はお礼を言って中に入った。クゥは寝ていたので荷物に紛れてもらった。
「まずはどうしたらいい?」
「とりあえず宿を探しましょう〜」
「宿か…何処にいい宿あるかな」
「あそこの露天商の人に聞きましょう〜」
マリは果物を売ってるおばさんに聞きに行った。
「すいませ〜ん」
「あらあら、いらっしゃいお使いかしら?」
「実は宿を探してて、教えてもらえないかな〜って」
「そうなの?ふふ、あそこにいる人と泊まるのかしら」
「はい!」
「なら、私の息子が宿を営んでるから教えてあげるわね」
「この果物2つください!」
「あらあら、ちゃんとわかってるのね」
「特別にサービスするように書いてあげる」
マリは果物の代金1000マールと引き換えに果物と宿の地図におばさんのサインらしき物が書いてある紙をもらっていた。
「ありがとう〜」
どうやらこの世界は紙は、特別に高価という訳ではらないらしい、マリがもらったのは1枚300マールくらいだそうだ。
「ヒロ〜教えてもらった!これお土産ね」
「さすが…」
「褒めていいんだよ〜、お嫁さんにするのもいいよ〜」
「はいはい、宿に行こうね」
ヒロ達は教えてもらった宿に向かった。
週1〜2で投稿できるように頑張ります。




