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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第1章 ここはどこ?
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PS 2話 〜フォンドの過去〜2

フォンドの過去の続きです、引き続き呼んでみてください。

「いるか…いるわけないよな」


彼女たちの部屋を訪れたフォンドは、部屋の中を眺めていた。


「あんなにお宝飾ってたら盗まれるだろうが…」


「愛してるか…俺はあんなに浮気してたのに…」


「すまない…みんな」


フォンドは床に手をついて泣きながら謝っていた。戻ってくるはずもない仲間達に…


――――――――――――――――――――――


3マシュほど経ってギルド長に呼ばれた。

「調子はどうだ?フォンド」


「なんとか…な」


「そうか…調査結果を教えるために呼んだ。」


「どう…だった」


「隠し部屋だが、扉はなく、普通の部屋だった…お前らの戦闘の痕跡はあったが…死体はなかった」


「そんな!?」


「それと遺跡らしき物もドラゴンも確認はされていない…お前らは見てはいけない物を見たのかもな…」


「わかった…」


「フォンドこれからどうするんだ?」


「わからない…どこか田舎に住むのもいいかもな夢でもあったし」


「そうか…元気でな、何かあったら訪ねてくれ」


「あぁ…」


ギルド長は、フォンドの未来が良くなることを願っていた。


そして、呑んだくれてたフォンドは、町を出ることにした。

田舎でひっそり暮らそうと思ってはいたが、当てもなく向かっていた。


町を出てしばらく経った頃、手持ちのお金も減って来たのでモンスターを狩って稼ごうと思い、森にいた。


「これだけ魔石があればしばらくは大丈夫だろ」


ゴブリンの魔石を10個ほど集めたフォンドは、森を出ようとしていた。

だがそこに、キラースパイダーが現れた。


「キラースパイダー!?なんでこんな森に!」


キラースパイダーは単独撃破ならBランクに位置するモンスターだ。


「こんな時にあいつらが…」


フォンドは、まだ亡くなった仲間のことを吹っ切れていなかった。


「だが、俺はあいつらの分まで生きなくちゃいけないんだよ!」


フォンドはキラースパイダーに向かっていった。


「なんとか、倒せたな…だが」


フォンドの身体にはいくつか致命傷に近い傷があった。なんとか森を出られたが…


「これじゃあ持っても数時間だろう…みんなすまない…」


「大丈夫ですかな?」


そこに商人らしき男がやってきた。


「このままだと長くは持たないかもな」


「!?大変だ!妻を呼んでくる!」


男は助けを呼んでくれるらしい。


「助かるといいな…」


フォンドは意識をなくした。


「おいいちゃん、だいじょうぶ?」


子供の声で目を覚ました。


「気がついたかね」


「私でも治療が出来て良かったは」


「俺は生きてるのか?」


どうやらこの商人夫婦が助けてくれたらしい。


「ほぼ助からんと思ってたんだがな…」


「妻が昔治療院で働いておってな…優秀じゃったんだよ」


「そんなことは…」


照れてそうは言っていたが治療痕を見たフォンドは並の腕ではないと理解した。


「助けられたな…金は….」


「金などいいさ、そのために助けたわけじゃない」


「しかし…」


「お前さん、名前は?」


「フォンドだ」


「フォンド、お前さん行く当てはあるのか?」


「ないな…」


「ならコハナ村に来るか?」


「コハナ村?」


「ここから1マシュほどにある村だ…お前さん冒険者だろ?なら村に冒険者がいるだけでみんなも安心する…来てみないか?」


フォンドは少し考えて、とりあえず行ってみることにした。


「世話になる…」


「気にするな、ケガが治ったら働いてもらうよ」


「あなたったら」


「おいいちゃん、むらにくるの〜?」


「あぁ世話になる…」


「おせわする〜」


「すまんな、この子はマリだ、仲良してやってくれ」


「わかった」


「なかよくしてやる〜」


「ふふ」


フォンドは久しぶりに笑った。

そして、1マシュほどして村に着いた。


「ここが家だ、広くはないがお前さんの部屋を用意した、使ってくれ」


「ありがとう」


俺は仲間の遺品と狩ったモンスターの素材を入れた袋と生活品を入れた袋を下ろした。


「ここに来て良かったかもな…」


フォンドが来て20マシュ経った頃、


「大変だ!モンスターだ!」


フォンドはそれを知らせてくれた30代くらいの男から話を聞いた。


「どんな感じだ?数は?」


「ゴブリンが5匹だ!」


「…俺が倒す、村のみんなには隠れるように言ってくれ!」


俺は装備を整え、向かった。その平野にゴブリンはいた。だが、ゴブリンの中でも強い部類のゴブリンソルジャー、ゴブリンメイジもいた。


「あれは、ソルジャーとメイジか…」

「間違えたら死ぬな…」


ゴブリンは弱いがソルジャーとメイジがいる場合は、Cランクといえど死ぬ。


「二度なくなるはずだったの命だ…せめて恩くらいは返したな…」


「雑魚ども!俺が相手だ!」


フォンドはゴブリンに向かって槍を投げた。

槍使いの予備武器だったそれをゴブリンメイジに向けて。


「まずはてめぇだ!」


ゴブリンメイジに向かう槍を庇おうとするゴブリンだったが間に合わず、ゴブリンメイジの頭に刺さった。


「メイジは厄介だからな、それを倒せばなんとかなる…危ない賭けではあったな」


残りのゴブリンを倒して村に戻った。


「全部倒してきたぜ」


フォンドは、致命傷こそないが傷付いていた。


「ありがとう、フォンド、治療を受けて休んでくれ…本当にありがとう」

「ありがとう!」


村のみんなにお礼を言われたフォンドは昔はそんな気持ちで冒険者をしていた時期のことを思い出して懐かしくなった。

(最初、みんなで受けた依頼の時もこんな感じだったな…」


「おいいちゃん、だいじょうぶ?」


「俺は強いからな」


「ダメですよ無理しては治療しますね」


俺は治療を受けたて寝た。


次の日のお昼を食べてる時のことだ。


「フォンド、村長にならんか?」


「なんだ突然?」


「前の村長が亡くなって、商人の私が村長のようなことをしているが、今は空いているのだ。」


「俺がか?知識はそれなりにあるがまだ来て日が浅いぞ?」


「昨日のことで村のみんなもお前を認めた。だから大丈夫だ」


「考えさせてくれ」


「あぁ、私達は明日商売で町に行く…それまでに考えてくれ」


「短いな…わかった」


そして次の日マリを連れて馬車で出かけた。


「おい!盗賊が近くに出たらしいぞ!」


その言葉を聞いてフォンドは嫌な予感がした。

1マシュほどかけて町に着いたフォンドは、マリ達のことを聞きに行った。


「マリという娘なら預かってるぞ?ただ…」


「無事なんだな…会わせてくれ!」


マリは寝ていた。


「よかった…」


「おいいちゃん…」

「おとーさんとおかーさんが…」


その言葉を聞いたフォンドは


「そうか…」


それしか言葉をかけられなかった。

どうやらマリを庇った二人は盗賊に殺されたということを聞いた。


「マリ…村に帰ろう…」


「……」


マリは答えないが付いてきてはくれる。


村に帰ってきたフォンドは村のみんなに

二人が亡くなったことを伝えた。

そして


「みんな!聞いてくれ!俺は村長になろうと思う!そしてマリを代わりに育てる!」


村人は納得してくれた。

どうやらすでに話は通っていたらしい。

それからマリは、少しずつだが話せるようになり、算術なども覚えさせ村長の仕事を手伝ってくれるようになった。


「村長〜、これが牛の買い付けの資料〜」


「ありがとう、置いておいてくれ」


「は〜い、じゃあお父さんとお母さんの所行ってくるね〜、村長の友達の所にも行ってくる〜」


「悪いな、俺も後で行くよ」


「は〜い」


フォンドは仕事をしながら、出て行くマリを、見ていた。


仕事が終わり、墓参りに行った。


「あんたらに助けてもらった恩をマリに返すよ」


マリの両親のお墓の前で言った。


そして、もう一つの墓の前で


「みんな…遅くなって悪いな」


「お前の槍ちゃんと手入れしてるからな…」


「宝は供えられないが、今年出来た小麦のパンだ食べてくれ…」


「今でもお前のを愛してるよ…」


フォンドは花とパンを供えて仲間達の墓を後にした。



月日は流れ、村長になって十数年、


「森の探査でも行くか…」


この後悪魔に操られ、ヒロと出会うのであった。








フォンドの過去いかがですか?少し長くなりましたが、読んでいただきありがとうございます。

この後第2章が始まります。


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