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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第7章 ダンジョンってこんな所なのです ?
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128話

お久しぶりの投稿になってしまい、すいません。


忙しさと体調を崩していた事もあり、思っていたより書くことが出来ませんでした。


読んで頂けたら幸いです。



 ヒロの戦いは、マリ達とは打って変わって近接戦を強いられた。


「さっさと離れろ!」


「怖いですね、貴方の魔術が強力なのは知っています」


「やり難い相手だな」


「流石に支援魔術があるとは言え、このままでは少々きついですね」


「そうなのか?余裕そうだけどな」


「私はアイリ様の元に行かなければなりませんので」


「行かせると思っているのか?」


 ヒロは槍を握り、デイバンを睨む。


デイバンはヒロの殺気に真剣な眼差しで見つめる。


「怖いですね、本気で戦わなければならないようです」


「面倒になる前にケリをつけさせてもらう」


 ヒロは無数の冷気の塊をデイバンに向けて放つ、しかしデイバンは紙一重で直撃を避けていた。


「流石にこの物量の魔術、避けきれないかもしれませんね」


「逃がさねえよ」


 デイバンの回避先に瞬間的に凍結させる程の冷気を作り出す。


「当たったな、これで終わりだ!」


「ゴッ、ヤ・・セ・フル」


 ヒロは槍先に風の力を集中させ、素早く接近しデイバンの腹部を貫く、その瞬間デイバンの背後を衝撃が突き抜けた。


「今出来る近接での最高の一撃、手応えもあった。これで終わり」


「ソレハ、マダ、ハヤイデスヨ」


「今ので生きて・・・何だその姿は!」


「コレハ、ワレラ、メガミ、ノチカラ」


「魔王の次は女神か」


「モウ、モトノ、スガタニハ、モドレナイデスガ」


「魔王軍にはお似合いの姿になったな」


「コレイジョウ、オオクノコトバハ、イリマセンネ」


 黒い甲虫の様な身体に腕から鋭い爪が生え、威圧感は先ほどの比ではない。


 歩く度に、小石が身体を溢れる何かによって、浮いては落ちる。


「漫画かよ、現実でこんな奴と戦う事あるのか」


「・・・イザ」


「氷よ、貫け、風も行ってきな」


 ヒロは氷の槍がデイバンに向かい、風が氷の槍を凄まじいスピードで敵を貫こうと迫る。


 そのデイバンは迫る、氷の槍を気にせず歩いて向かって来る。


「避けなくていいのか?」


「・・フヨウ」


 氷の槍はデイバンに突き刺さる筈が、金属にただの氷にぶつかった様に砕け散った。


 直後にアイリを拘束しているマリ達が目に入った。


「あっちは終わったみたいだな」


「アイリサマハ、チカラヲイタダイテハ、イマセンデシタネ」


「これで5対1だぞ」


「モノノ、カズデ、デナナイウウ」


「ヤバい力で言葉も話せなくなったかよ」


「イ、イ、ザぁモイヌ」


「来いよ、昆虫!」


 デイバンは、先ほどの余裕のある歩みと違いヒロでさえ反応する事がギリギリな速度で目の前に迫る。


 槍を両手で抑え、デイバンの爪を受け止める。


「ぐっ!」


「・・ヨ、ワイ」


「痛いだろ、クソが!」


 肩に爪が突き刺さりながらも大水を発生させて押し流す。


 デイバンとの距離は離れたが、肩からは少なくない出血によりいつもの半分くらいしか力が入らない事を少し槍を握った事で感じ取ってしまった。


「みんな、こっちには来るな!」


「・・・エ、ブ、ア」


「風よ、吹き飛ばせ!」


「・・キ、カム」


「効いてないのかよ!肩に穴は空くし」


「・・オ、ワダ」


 ヒロは十全に力を発揮出来ない状態ながらも魔法を使いながら、どうにかデイバンの攻撃を捌いた。


 爪や脚による攻撃は苛烈でヒロの体力を徐々に削ってゆく。


「このままだとヤバいな・・・水よ現れろ、風よ水を包んで圧縮しろ」


 ヒロはウォーターカッターをイメージして、生み出した水を気流操作で包み、圧縮し針程の隙間を開けて開放した。


「うぇ!よく分からんが死んだよな」


「・・ソ、ンハズハ」


 開放された水はウォーターカッターの様に飛ぶのでは無く、一瞬氷柱が飛んだと思った瞬間デイバンに光が当たり胴を切り裂いた。


「物理とかあんまり詳しくないからな・・・考えずにやるのは危険すぎるな」


「ア、ア、サ」


 デイバンの上半身と下半身が分かれて動けずに叫んでいる。


 上半身だけで向かっては来なかった様でヒロは安心していた。


「流石に上半身だけで移動して攻撃はされなかったか」


  しかし、デイバンは胸の辺りに爪を突き立てた。


 ヒロから見たら自害をしているのかと感じたが、見逃した事を直ぐに後悔する事になる。


「肩が痛すぎるが倒せたから」


「・・・ガ」


「嘘だろ、逃げろみんな!」


 デイバンは胸から取り出した魔石をマリに向けて投げた、正確にはアイリに向けて。


「なんだ?コレハ」


「・・ト、二、コンダ」


「仲間を取り込んだのか、自分の身体も」


「・・ア」


 その精神に感じる圧力は先程の比ではない、確実に殺される事を自覚している。


「凍てつけ!風よみんなを飛ばせ!」


「待って!」


「・・マ」


 マリ達は、風で吹き飛ばされヒロが見えない距離まで飛ばされた。


 余裕が無かった為、受け身を取らなければ大怪我を負ってしまうくらいの衝撃だ。


「くそ、がよ」


「・・ゲ、ゲァ」


 ヒロの身体はデイバンの爪により肩から落とされ、右脚は膝から無くなっていた。


「最悪だ、この世界に来て、少しは楽しかったけどクゥとネコ達と向こうでのんびり暮らしたかった」


「・・ダ」


「それだけだったのによぉ!くそ、ガァ!消えろよ!俺の腕も脚も返せ!俺を」


 痛みと今までのストレスがヒロの精神を蝕んでゆく、ヒロの中にあった闇の種子(たね)が芽吹く瞬間が訪れた。


「はっ、遂に可笑しくなったよ、痛く無いし、身体の調子が良く感じる。」


「・・ナ」


「何故か腕も脚もある、何でも出来そうだ」


 ヒロの身体から青紫と黒い煙の様なオーラが、内側から湧き出て来る。


「ようこそ、ヒロ・・コレでわたくしの物、ずっと一緒にいましょう」


「ネコ?」


「初めましてヒロ、芽吹きなさいダークシード」


「はっ?何だ!これは・・・」


「やっと大好きなヒロを」


「・・ガ?」


 ネコはヒロに命令を下す。


「ヒロ、貴方を虐めていた虫を倒しなさい。力をあげるわ、存分に楽しんで下さいませ」


「・・・ああ」


 ヒロは神槍を拾うと形を変え、命を刈り取る大鎌に変わった。


 ヒロは、反応出来ないデイバンの前に立ち鎌を振り上げデイバンに突き立てた。


「グァガァ!」


「・・消えろ」


「ふふふ、良いわ、とってもいいこんなにわたくしの力を使いこなせるなんて運命ね」


 デイバンの身体は徐々に消えて、この世界から消えてしまった。


「さあ、ヒロ帰りましょう」


「・・帰る?」


「そう、帰るのよ私達の」


「「「「ヒロ!」」」」 「にゃ!」


 マリ達がヒロの元へと戻ってきた、来てしまった最悪の時に。


「来たのね、ヒロに付いてる不用品達」


 


 



読んで頂きありがとうございます。


物語の流れは頭の中にはあるのですが、文章にするとどう伝える事が良いのか難しく、書くのが遅いです。


これから不定期での投稿とする事に致します。


ストックが出来るくらい書く事が出来ましたら、投稿を決まった間隔で行いたいと思っています。


投稿から空いてしまいすいませんでした。


読んでいただきありがとうございます。





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