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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第1章 ここはどこ?
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11話

そろそろ第1章も終わりそうです


裏庭に移動しフォンドは、次の訓練について説明をした。


「ヒロ、横薙ぎと説明はしたが、追加で覚えてもらうことにした。薙ぎは、右薙、左薙だ。追加で左右の打ち下ろし、打ち上げだ。」


「難しそうだな…」


「突きは攻撃がメインだがこれらは牽制や突きの間入れる繋ぎの型だったりする。」


「正直、これを覚えてもらわないと話になんねぇ」


「そうなのか…」


「お前は、センスがあるすぐには無理でも2、3日あればそれなりになるはずだ。」


「とりあえず突きの時のようにやって見せよう」


フォンドは、棒を正面に構えて動き出した。


「ハッ!」

「ヤッ!」

「ハァ!」


フォンドは素早く、打ち下ろし、打ち上げ、左薙、右薙、を繋げて繰り出した。


「すげぇ…」


ヒロはその動きを見て驚いた。


「これらと突きを自在に連携して使えたら、そこらの魔物にもやられんだろ」


「できるか不安になってきた…」


「ヒロ〜♩頑張って♩」


「にゃ〜」


マリとクゥが応援したくている。クゥもマリも暇だったからではない…はず…


「話してても仕方ないとりあえずやるぞ」


「お、おう」


一つ一つを覚えるまでやらされた。しかしフォンドは教えるのが上手いのでお昼にはある程度の形にはなった。


「よしお昼休憩だ」


「はいっす」


マリはとクゥを起こしてお昼ご飯を食べる。


「いただきます!」


お昼のメニューはパン入りスープとソーセージだ。クゥは細かくしたソーセージを食べている。


「クゥはともかく、マリはお昼寝好きなのか?」


「えっ…うん!好きだよ」


「そっか」


ヒロは何気なく聞いたが、フォンドはそれを聞いてなぜか悲しそうな顔をした。


「ヒロ休憩が終わったら動きの確認だ、その後昨日と同じに模擬戦をする」


「昨日はほとんど受け流されて、運良く当たっただけだからなー」


「昨日のやる気は、どこへいった?」


「フォンドには、まだ届かないってのは今の俺でもわかるからな…」


「ヒロ、お前は勝てる者としか対峙しないのか?勝てない相手なら大切な者を見捨てられるか?」


(そうだ、あの時だってクゥのために…)


「そうだな…大切なものを守りたいからフォンドに槍を習ってたんだよな…忘れてたよ…」


フォンドは、すこし嬉しそうに


「お前は、まだ戦士どころか訓練を始めたばかりだ。そんなやつが、命を賭ける覚悟などできてるわけがない、俺も少し熱くなりすぎたな」


「いや、いい師匠だよフォンドは」


「おい!師匠は無しだと言ったろ」


「悪かったよ、フォンド」


そんなやり取りをしているとマリが、


「ヒロ〜♩私のことも守ってくれる?」


「助けてもらったからな、何かあったら助けるさ」


「にゃ〜?」


「もちろんクゥもな」


ヒロは、クゥに答えると頭をナデナデした。

クゥは気持ち良さそうに目を細めて横になった。



「ヒロ、そろそろ始めるか」


「あぁ」


フォンドとの模擬戦が始まった。昨日とは違い最初から本気でフォンドはやるらしい。


「先手はヒロにやるよ」


「今日こそ綺麗一本取ってやるさ!」


ヒロは、届く間合いまで走り、突きを繰り出した。


「ハァ!」


「!ムッ」


「ハッ!」


ヒロは突きを出しながら捻りを加えて昨日のようにした。それでもフォンドに逸らされたのでヒロは横に薙いだ。


「ふぅ、まさかいきなり決めに来るとはな…昨日の気持ちなら反応できなかったかもな。」


「よく言うよ、余裕て顔してるぞ?」


「さすがに昨日今日で覚えた奴に、簡単に一発くれてやるわけにいかないからな」


(まさか、昨日の型をマスターした上で横薙ぎに繋げてくるか…)


「どんどんかかってきな!」


フォンドは挑発するように言った。


「行くぞ!」


ヒロの攻撃はフォンドを捉える事が出来ない。


「ヒロ、動きが雑になってるぞもう終わりか?」


「まだまだ!」


ヒロの体力もそろそろ限界だろう。


「次で終わりだ、これ以上は意味もないしケガするだけだからな」


「わかった」


フォンドは驚いた。


(凄い集中力だ…昨日もそうだがあいつは、ギリギリになると、とんでもない成長をする…)


ヒロが動き出した。


「ハッ!」


ヒロは全身を使って勢いよく左に薙いだ。


「力押しじぁ無理ぜ?」


フォンドは避けて対応した。


「まだだ!」


「!クッ」


勢いを利用して全宙返りのように槍を打ち下ろした。


(なんて動きだ…熟練の槍使いみたいだった…)


フォンドは油断した。さすがのヒロもこんな動きをしたら限界だろうと…


「ここだ!」


ヒロは穂先の下の辺りを握って突きを繰り出した。


「くっ、ていゃ!」


フォンドも反撃するしかなかったのでヒロの手を棒で叩いて槍を落とさせた。


「いってぇ!」


ヒロは攻撃された手をかばってうずくまっている。


「ハァ、ハァ、やばかったぜ」


フォンドはようやく我に返った。


「ヒロ!すまない…手は折れてはいないな…悪かった」


フォンドはヒロに頭を下げて謝った。


「いや、俺も油断してた」


そんなヒロを見てフォンドは


「こちらの負けだ、危なかったとはいえ受け流すか避けるだけのルールだったからな」


「最初、それと最後は俺を追い込むくらいの攻撃だった…自信を持ちな、俺が教える事はもうなさそうだな、ヒロ!お前は一人前の槍使いだ!これからもちゃんと精進しろよ」


フォンドの言葉にヒロは


「ありがとう…ございました!」


「そうなったら宴会だな!飲むぞ!」


「私も飲む〜!」


「にゃ〜」


「お子様はダメだ、ヒロが一人前になった宴会だしな」


「お子様言うな!」


フォンドはマリに殴られた。結構痛そうにしてる。

家に戻り宴会だ。


「ヒロの一人前を祝して〜乾杯!」


「うまいなこの酒」


「当たり前だ昔手に入れたビンテージだからな」


「本当!美味しね♩」


「にゃ〜ん♩」


クゥもご馳走を食べて満足そうだ。


クゥを寝室に運んで、マリはフォンドがベットに運んだ。


「ヒロ、おめぇは大した奴だよ」


「フォンドのおかげだ、感謝してるよ」


「こっちこそありがとうよ…おめぇこれからどうすんだ?」


「ここはいいところだが少し旅に出ようと思う。」


「魔法とか他にも気になる事もあるしな」


「そうか…ヒロ…マリも連れて行ってやれないか?…」


「お前まで俺とマリをくっつけたいのか?」


「お前も少しは感づいてると思うが…マリの両親は亡くなってるんだ。」


「なんとなくはな…」


「マリの両親は盗賊にやられてな、その時マリも乗ってた馬車が…」


「そうだったのか…」


「俺も気にかけてはいたが、ダメだった」


「森に行ったのも、もしかしたら…」


「そんなことないさ、マリは強い、俺を助けてくれたしな」


「ヒロ、おめぇの前だけマリは明るくなる、安心して眠れる、マリに外の楽しい世界を見せてやってくれ。マリの両親にできる恩返しなんだ…」


「わかった…マリが行くと言ったら連れて行くよ」


「ありがとう、ヒロ」


そういうとグラスに残った酒を注いで


「ヒロの新しい門出に!乾杯」


「あぁ、乾杯」


グラスのぶつかる音が響いた。



ヒロもやっと一人前になりました

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