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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第7章 ダンジョンってこんな所なのです ?
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96話

多忙により描くのが間に合わず、投稿が止まってしまいました、すいません。(´・ω・`)

 馬車が山を降り、森の中を進む。


 メイズアンスに向かう馬車の中では争いが起きようとしていた。


「…わたしの…」


「ミーシャンちゃん、これは私が食べるつもりだったんだよ!」


「…ちがう、のこしていたの…」


「こっちのお菓子と交換するのは?」


「…だめ、これは…」


「うぅう、これも付けるよ!」


「…もうひとつ…」


「それは欲張りだよ〜!」


 マリとミーシャンは誰がどの残っているお菓子を食べるか、という事で激しく口論している。


「マリ、何でミーシャンちゃんが持ってる方が食べたいんだよ?」


「だって〜、それノルヤの高いお店で買ったのだから〜!」


「でもマリは、3つも食べられるからいいだろ?」


「違う!この3つよりあの一つは優っている!」


「…そのとおり…」


「そうか」


 結局、その高級なお菓子を半分ずつ食べ3つのお菓子も半分に分ける事で決着は着いた。


 森を抜け、ハイベル一家はメイズアンスの手前の村で降りるため、もうすぐ別れることになる。


「ハイベルさんは、村でお店を始めるのですか?」


「ええ、小さいながらも店舗として使える建物もありますので、一からのスタートになります。」


「・・・ハイベルさん、資金はあるのですか?」


「ほんの少しですが」


「私が冒険者をしている事はお話しましたが、実は余っているモンスターの素材がありまして・・」


「申し訳ないですが、高ランク冒険者のヒロさんが持て余している素材を(さば)く事は・・」


 ここでヒロは気まぐれでハイベルに出資してみようと考えた事、お金ではなく捌く自信のある素材を譲渡する事を説明した。


 ハイベルトは了承したがメイズアンスに近い街までついて行きそこで素材を受け取りたいと言った。


 村に着いてから受け取った後に売りに行くと奪われる可能性がある為である。


そこで街で売った素材のお金を商業ギルドに預ける方が安全だと言った。


「すいません、そこまで考えが及ばず」


「いいんですよ、出資していただけるのですから…ですがヒロさんが高ランク冒険者だとしてもそういう事も想定した方が良いかと」


「ありがとうございます、護衛もいたします」


「こちらこそ、ここまでしていただき本当にありがとうございます。必ずこの恩はお返しいたします」



 それから目的の街、プラサスへと着いた。


 この街からメイズアンスまで半日で着く距離らしいと降りた時、行者の人が教えてくれた。


「メイズアンスが近いせいなのか発展してるんだな」


「ええ、ここはメイズアンスから出る素材やアイテムを各地に運ぶ為の中継地でもあり、メイズアンスへ行く為の玄関口でもありますから」


「でもそんな所で俺が持ってる素材なんて売れるかな?」


「大丈夫ですよ、ここは素材を扱う店も多い上、買い付けに来る商人も多く訪れますから幾らでも捌きようがあります」


「ハイベルさんは一緒に宿を探したら、卸先を探してもらえますか?


「勿論です、時間は有限ですからね」


 ハイベル家族とヒロ達一向は宿を取りそれぞれ別れて行動する。


 ハイベルは卸先の選定、ハイベルの子供と妻そしてこちらの女の子組、ヒロと別れた。


「久々に一人行動か」


「メイズアンスから今日着いたばかりの掘り出し物があるよ!」


「メイズアンスの職人が売った武具がこんなに安く買えるのはここだけ!」


「メイズアンスの探索者が好んで飲むお茶が入荷したよ!」



「メイズアンス、メイズアンス…本当にメイズアンスの恩恵で成り立ってるんだな」


 ヒロは呟く様に言ってぼんやりと道を進む。


「よお、見ない顔だな」


「それは、まあ…」


「どうした?通りたかったら通行料を貰わないと行けないルールなんだよな」


「俺たちもモンスターじゃないからな出す物を出してくれたら帰ってもいいんだぞ?」


 気づくと裏路地の様な場所に来ていた、その男達は一般でもただのチンピラとは少し雰囲気が違った。


「冒険者か?」


「冒険者、そんな腰抜けなわけ、ねぇーだろ!」


「探索者様だよ、分かったら素直に出しな!」


「その偉い、偉い探索者がチンピラの真似事か?」


「あぁっん!偉い人間にお金を差し出すのがお前達みたいな人間なんだよ!」


 理由は分からないが探索者としてやって行けない奴らが集まってこんな事しているとヒロは感じ取った。


 ヒロは武器を取り出し、探索者達に向ける。


「まさか武器を出して来るとはな、死にたいのかよ!」


「その気はない、こんな所で遊ぶ気分もないから綺麗掃除してやる」


「この野郎!」


「風よ!」


 ヒロは槍に風を纏わせると向かって来る探索者の前の空間を一突きすると風の突風の様に吹き荒れ、裏路地の壁を削りながら男達を吹き飛ばす。


「はぁ、こんなゴミに気を使ってしまった」


「うぅ、ぁぁ」


「ぐぅ、い、いてえ!」


「ごほぉ、げほぉ、おぉお」


「………」


「これに懲りたらまともに暮らすんだな」


「な、何者なんだ」


「腰抜けのただの冒険者だ」


 ヒロの攻撃の爪痕が残る裏路地からゆっくり歩いて去るのであった。


[ゴミは綺麗にしないと…そうだよな$%☆♪]


「…あれ、俺疲れてるのか」


 ヒロはみんなの所へと戻るのであった。


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