10話
前回はヒロがようやく戦い方を覚える回でしたね。
[バシャ!]
フォンドは、ヒロに水をぶっかけた。
「冷た!」
「やっと起きたか」
ヒロは水の冷たさで起きた。
「あれどうなった?」
「モンスターの前なら終わりだったな」
「また意識を失ったのか…」
「だが俺から1本とったのは事実だ」
「えっ?」
「ヒロ、お前最後の突き覚えてるか?」
「いや、あんまり」
「そうか、お前は最後に俺の肩あたりに着きに来たが塞がれると思ってとっさに槍を捻ったんだ」
「それでどうして?」
「槍にも流派みたいなのがあってな、捻りを加える技は何個かある。」
「あれは貫通力を高めるための捻りだ」
「だから受け流すだけの力しか意識してなかったから弾かれて髪に掠ったってわけだ」
「でも偶然にしただけだからな…」
「偶然とはいえさっき覚えたやつがそんな発想はしない」
「最後の突きは良かったぞ」
「フォンドありがとう」
「ひさびさに冒険者の血が騒いで少し本気出しちまったがな。」
「そういえば口調が違うな?」
「無理してたわけじゃないがやっぱり戦ってるとなんとなくな」
フォンドは少し照れていた。
「ヒロ、ご飯食べたら畑を耕すぞ!」
「えっ!」
「えっ!じゃないお前手伝いするって言ってたよな?」
「それはそうなんだが…」
「槍は腕はもちろん足腰が重要だからな、あれは鍛えるのにちょうどいいぞ?」
「わかった、教わるからにはやってみるよ」
「その意気やよし!」
マリとクゥが起きたのでご飯を食べに家に戻った。
「ヒロ〜大丈夫〜?」
「さすがに体が少し痛いな」
「にゃ〜?」
「クゥ大丈夫だよ」
朝の残りで昼ご飯を済ませて、少し昼寝してから畑仕事始める。
クゥは、相変わらず寝ている。ポカポカの日差しで心地よいのだろう。
畑仕事はマリも手伝っている。
「ヒロ!腰が入ってないぞ!」
「はい!」
「うーんしょ」
夕方になる前になんとか終わった…身体がバラバラになりそうだ。
井戸の水を浴び布で軽く拭いて、ご飯を食べる事にした。
男は布を腰に巻いてあるだけなので、マリは緊張している。
「ヒロ訓練してみてどうだった?」
「きついが悪くないかもな」
「明日はなぎ払いだな」
「お手柔らかに頼むよ…」
「任せろ」
「あの!二人とも!女性がいるんですけど!」
マリは、ほぼ裸の二人を見て怒った。
「マリもいたのだったな、すまん忘れてた。」
「マリ俺は幼女…!」
「イッて!」
マリに叩かれた。
「ヒロ〜!」
「マリそういうつもりじゃなかった」
「わかればいいのよ!」
「にゃーー」
クゥもやれやれと言っているように鳴いた。
さすがに疲れたので料理はフォンドとマリがしてくれた。
「いただきます!」
「にゃ〜」
ご飯を食べたらさすがに起きてられなくなったので先に休む事にした。もちろんクゥを連れて。
「悪い、先に寝させてもらうわ」
「ヒロ明日もあるからちゃんと寝ろよ」
「ヒロ〜おやすみ♩また明日〜」
「あぁ、二人ともおやすみ」
ヒロはクゥをベットに下ろした後倒れるように寝た。クゥが俺を気遣ってかもふもふの背中を顔に近づけてきた。
最高の癒しだヒロはそう思っていたらいつのまにか寝ていた。
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「ふぁ〜」
「よく寝たな」
ヒロは身体がすこし痛いながら起きた。
クゥをナデナデする日課をしてクゥが起きるのを待った。
「にゃー」
「おはよう〜クゥ」
「にゃ〜」
クゥはまだ眠そうだがちゃんと起きてくれた。
「ヒロ〜起きた〜」
「ご飯だよ〜」
マリが呼びにきた。
「今行く」
「クゥ行こうか」
「にゃ」
テーブルに向かった。
「おはよう、フォンド」
「おぉ、おはよう」
「私には?」
「マリもおはよう」
「おはよう♩あ・な・た♩」
「疲れは残っているか?」
「今ものすごく疲れた」
フォンドはすこし楽しそうに
「そんな事言ってる余裕があるなら大丈夫だな」
「まあな」
「食べようよ〜」
「にゃ〜」
フォンドが待ちきれない約2名?のために
「そうだな食べるか」
「いただきます!」
今日の食事も美味しく堪能した。
「今日は、横薙ぎを覚えるのか?」
「槍の攻撃は突きと横薙ぎが基本だからとりあえず覚えればすこしは戦いになるだろう。」
「私も…」
マリが寂しそうに言った。
ヒロは、
「用事がないならいいぞ」
「やった〜♩」
「にゃ〜」
最近気のせいかマリとクゥの息が合っている気がする。
「もう少し休憩したら訓練を始めるぞ」
フォンドがヒロに対して言った。
「あぁ」
ヒロは、冷静にしながらもワクワクが止まらなかった。
(戦いにワクワクするなんてな…向こうじゃ考えられなかったな…」
10話にしてはあまり展開が進まずにすいません…
明日新年号が発表になりますね…何になるのやら




