90話
2週ほど投稿出来ずにすいませんでした(´・ω・`)
みんなのいる部屋に声をかけると外のお店で食べることになった。
主にマリとミーシャンの希望だ。
「今日は新しいお店がいいわねぇ〜!」
「…おっきいおにくの店もいい…」
「確かに…」
「何件も行かないからな?」
「えぇ〜」
「…えぇ…」
「段々二人が似てきてる」
「私は何処でもいいわよぉ〜、こっちの料理って美味しいからぁ〜」
「甘いのが食べられる所にしなさい!」
「ティルもルリもそっち側なのか」
このパーティーメンバー達は食べる事が好きな様だ…ヒロ自身もなんだかんだいいながら、こっちの世界での食事が楽しみだったりする。
勿論それなりのお金は掛かるが稼ぐ額も多いし、装備も…
「なぁ、メイズアンスに行く前にそろそろ装備買い換えた方が良くないか?」
「…そういえばずっと同じだよね!」
「…おなじ…」
「私は特に困らないけど、一応必要かもしれないわねぇ〜?」
「か、かわいいのがいいわね!」
「明日は装備を買いに行こう、絶対にな」
その日は様々な料理のあるレストランに行く事になったのだが、それなりのお金が懐から去って行くのであった。
次の日、ノルヤにある装備屋へと来ていた。
「う〜ん、微妙だねぇ〜」
「…ほしいのない…」
小さい二人の言葉ではあるが店員さんは、こめかみをピクピクさせながら笑顔で聴いている。
ヒロも正直前回装備を買ったあの店よりいい物はないと思った、鑑定済み。
「こちらにある装備はどれも一流の職人のハンドメイド品、そちらの小さなお嬢様には分からないかも知れませんがね!」
「あまり、そういう言い方は失礼じゃ無いか?」
「貴方のお連れ様が物をよく知らない様だったので教えて差し上げたまで」
「ヒロ君行きましょぅ?」
「私には相応しいお店じゃないようだから、ヒロ行くわよ!」
「はぁ、じゃあ俺たちは店から出るよ」
ヒロ達は別の装備を取り扱う店を探す事にした。
商業地区から職人が集まる地区に行く事にしたが、これはヒロが作ってる所に直接行ってみた方が早いと提案したからである。
「へぇ〜、ノルヤの職人地区って来た事なかったけど凄そうだねぇ〜!」
「…ちょっとうるさい…」
マリの興味津々な態度とは対照にミーシャンは大きな音に耳を押さえながら少し嫌そうにしている。
「ミーシャンちゃん大丈夫?」
「ティル姉、ミーシャンに音軽減の魔術を」
「はぁ〜い、「サウンドバリア」♪」
「サウンドバリア?ティルそれって音が聴こえなくなったりしないのか?」
「ヒロ君、バリアと言ってもそこまでの遮音性は無いのよぉ〜♪」
「そうなのか、俺も覚えておこうかな」
「いいわよぉ〜、まずは」
それから少しティルから教えて貰い、無事ヒロも「サウンドバリア」を覚える事が出来た。
それから装備関係を作っている場所を聞き、紹介された所に行くが、あの店に売っている物より少しいい装備があるくらいで今の装備を更新する程の物では無かった。
「ヒロ〜、どうする〜?」
「そうだな、メイズアンスに行く前に装備を変えたかったんだけどな」
「…どうして?…」
「メイズアンスは話した通り探索者という冒険者とは違うメイズアンス特有の組織がいて、そこが強い権力があるんだよ。」
「…それで?…」
「権力があるってことは、いい装備を作る職人を抱え込んでる可能性もあると考えてる。ダンジョンからの装備の方がいいらしいけど全員に行き渡る程は無いと思うから職人から装備を買えないと考えて買って置きたいんだよ。」
「…なるほど…」
「そうわ言ってもヒロ、全然無いじゃ無い」
「すまんルリ、正直安易に考えてたよ」
「ルリちゃん、ヒロ君は問題が起こる前に考えて言ってくれたんだから怒っちゃダメよぉ」
ヒロ達は話しながら歩いていると地区の端の方へと来ていた。
「あ〜、行き止まりだね〜」
「今日は戻るか、フランドルに改めて聞いてみるよ」
そんな話をしていると建物の間から見ている男がいた。
「お前さん達、良い装備が欲しいのか?」
「誰だ?」
「小さな装備屋の店主だ、お前達がノルヤの街を救ってくれた英雄だろ?」
「どうだろうな、一応ギルドマスター達に協力したのは俺たちだ」
「…なら店に来な、お眼鏡に叶う装備もあるはずだ」
その小さな装備屋の店主について行くと職人地区の裏側の様な場所であった。
「入りな」
「…失礼します」
「は〜い!」
「…ぅぅ…」
「入りますねぇ〜」
「入ってあげるわ」
中に入ると最初に行った店に比べれば全員が入ると半分くらい埋まる程の広さしかないが、
「…すごい…」
「これってかなり良い物じゃないかな〜?」
「すごいわねぇ〜」
「なかなかの品揃えね!」
「ノルヤにこれだけの装備があるのかよ」
「俺は昔メイズアンスにもいた事がある、その頃に手に入れた素材で作った装備を細々と売ってるのさ…フランドルからお前達の事は聞いてたよ」
ヒロはなるほど、と納得した。
フランドルは装備が俺たちの装備が同じ事を少し心配してくれていたのだと、しかし特殊な装備ではあるので言われるまでは紹介するつもりは無かったのであろう。
「ありがとうございます、欲しいのは俺の防具」
「私は斧と防具!」
「…ぼうぐ…」
「私は軽い皮タイプの防具かしらぁ」
「私もティル姉と同じの!」
「わかった、わかった少し待っててくれ」
店主は後ろの倉庫と思われる場所へと向かったのであった。




