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ネコ好きの平凡な人生のはずが なぜ?  作者: 遊遊
第7章 ダンジョンってこんな所なのです ?
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89話

まだメイズアンスに出発しませんが後1、2話お付き合いお願いいたします(´・ω・`)

 冒険者ギルドを出たヒロは一人、ノルヤの街を散策していた。たまに、アンデット事件の事を知っている人に話かけられ、たわいも無い話をして一人を満喫している。


「そういえばこっちに来て結構経った気がするな…1年くらいになるか?」


「おっ、どうした兄ちゃん?何か欲しい物あったかい?」


「ああ、そこの果物盛り合わせを1つ貰える?」


「まいど!もしかして兄ちゃん、ヒロって名前かい?」


「おう、そうだよ」


「街の英雄じゃねえか!これも持って行ってくれよ」


「いいのか?奥さんに怒られそうだぞ?」


「ふん、そんな事俺が一言、言えば」


「…一言、言えばどうかしたのかい?」


「…お、いたのか?いや、これは」


「ヒロさんだったね、持っていって頂戴な…あんたが居なきゃこんな所で今頃商売なんて出来てないからね」


「ありがとう、果物盛り合わせの代金」


「あんた、律儀だねえ…」


「じゃあ、また来るよ」


 ヒロは果物盛り合わせとおまけでパイナップルの様な果物を貰った。


 後で聞いてみたらこの辺ではなかなか珍しい果物の様でみんなで美味しく頂いた。


「なぁ、これ」


「なんだい?まだ許してないよ」


「いや、お前だってあれ渡してたじゃねえか!」


「別に街の英雄にやるのは構わないけど、その前に自分が言えばどうのと寝言を言ってたからね」


「いや!あれはだな!」


「んっ!」


「すいませんでした!」


 こちらの世界でも女性は強いのは変わらないらしい。



 それから数日後、ノルヤ冒険者ギルドから呼びだされたヒロは一人向かう。


「ヒロさんお待ちしてました、マスターの部屋に案内します」


「ありがとう、ルリの冒険者証出来てます?」


「はい、お帰りなさいお渡ししますね」


「どうもありがとうございます、ここですね」


「マスター、ヒロさんがお見えです」


「入ってくれ」


「私はここで失礼します」


 ヒロが中に入るとフランドルは相変わらず忙しそうにしていた。


「おう、来たなとりあえずソファに座ってくれ」


「忙しそうだな?」


「まあな、すぐ終わる」


 少し待つとフランドルも向かいのソファへと座った。


「ふう、待たせたな」


「それよりメイズアンスの資料がまとまったのか?」


「おう、その手の事が得意な奴に振って何とか出来た…がメイズアンスは冒険者ギルドの力が弱くてな」


「商人にも聞いていたが、本当なんだな」


「メイズアンスはダンジョンが多くある関係で探索者に権力を与えている地域なんだよな、冒険者もそれなりだが専門でやっている探索者には、いま一歩なのが冒険者…まぁ、嫌われてるのもあるがな」


「とりあえず、こっちで読んでみるよ」


「メイズアンスの冒険者ギルド用に紹介状も用意しておくからメイズアンスに行く前に取りに来な」


「わかった、助かる」


「何かあったら、また来な」


 下に降りて、ルリの冒険者証を受け取り、宿へと向かった。


 部屋に戻り、クゥを左手で撫でながら纏めて貰った資料に目を通す。


「探索者ランクはE〜Sランクに分かれているのか、冒険者ランクと似た感じなのは商人のマピリスから聞いているのとほぼ一緒か」


「……でもAランクからある免除が凄いな、特定店舗での支払い無料、殺害のような特定事件以外は無罪か」


「しかもBランク以下は探索で入手した物は一時提出及び強制買取が出来る…これもおかしいけだAランク以上はなし」


「スタンピードってのは…ああ、ダンジョンからモンスターが溢れる事があるのか、その場合はAランク以上の者は、Bランク以下に命令し、拒否させない事が出来ると…」


「メイズアンス、やばくないか?」



 ヒロは商人のマピリスから聞いていた時もかなり厄介な場所と思っていたが、資料を見るとAランク以上の特典が明らかに異常な権力を与えている様に思えた。


「ああ、これから向かう場所なのにテンション下がる…」


「にゃー」


「ごめんごめん」


「にゃぉ」


「そろそろ、みんなを誘ってご飯でも食べて来ようかな」


「にゃぉ〜、にゃ〜」


「クゥの分はちゃんとここに用意しておくよ」


 一通り資料に目を通したヒロは、クゥの背中を最後ひと撫でし、ラーメールから買ったお魚(調理済み)を器に出して、みんなの部屋に向かうのであった。

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