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召し上がれ

「それでは、皆様へ飲み物が行き渡ったようですのでこの店の紹介と、ささやかですがサンプルのお菓子をお配りします。


私の名前は千鶴。そしてこの店の名前はpatisserie souvenir。souvenir(スーヴニール)とは記憶やお土産などに使われている言葉です。私はお客様がここでの時間やお菓子を食べているときを幸せのひとときと思って、覚えてもらいたい。そういう思いを込めて名付けました。


大体一人あたり小さいケーキを2種。フレジェとタルトになります。

フレジェはイチゴのはいった四角いものの方です。

生クリームとスポンジ、イチゴ、ムースのケーキです。

タルトは丸いものです。中はチョコレート。その間にオレンジピールが入っています。

この国ではどれ程甘味が広まっているかもまだわかっておりませんが、それぞれ違う食感になりますのでご賞味ください。

そのあとはティータイムにも使える焼き菓子を複数用意がございます。


私の自慢のお菓子たちをどうぞごゆっくりお楽しみください。」


フレジェとは日本でショートケーキのような代表的なケーキです。

型で平らに流したスポンジを切り取り、その間にイチゴ、を敷き詰め、ムースで固めたもの。上には生クリームを絞り飾りはミントとイチゴ。時間もギリギリだったのでできなかったが飴細工をのせてもきれいになるんだけど今回は断念。


チョコタルトの方はシンプルにガナッシュを流し、間にオレンジピールをいれてある。タルト生地に使うバターの半量を有塩にしてて、甘くどくならないように工夫した。


どちらもうちの看板だったものである。

こういう場でマカロンとかの方が華やかになるとは思うけどあれ好み別れるしね。

お客様の言葉に耳を傾けてみた。


「まぁ!紅茶の付け合わせに砂糖をおいてあることからも驚きましたが甘くて美味しい…」


「このようにお菓子といえばクッキーしか出たことがありませんし」


「クッキーといえど高級品でわたしたちの手には届かないじゃない」


「甘味といえば果物が一般的ですしね」


「なんでしょう、この舌にのせると溶けてく感じ、これがムース?濃厚で美味しいと言うのかしら?」


好感は持ってくれてるみたい。でもここじゃ砂糖って高いの?

まぁ冷蔵庫や倉庫からかってに材料が湧いてくるから気にもしてないんだけど、価格帯がまた面倒だしこれは貴族専用…いや専用にしてしまうとご褒美って言う一般客の足がさらに遠退く。専用はやめよう


貴族様っぽい人たちはどうなんだろうと目線を配ると、そこは一枚の絵だった。

…ん?絵?まってまって流石貴族。一般服をきててもにじみ出るってやつ?ねぇめっちゃキラキラして見えるぅ

そして飲み物の追加にさりげなく入っていける美玲…あぁもうみんな美しすぎるわ。12歳の幼女っぽい美玲が本当にかわいい中身と相応になったからかな!(失礼)


「あら、ありがとう。」


「いいえ。お口に合いましたか?」


「えぇ、とても。紅茶も美味しいわ。うちにほしいくらいね」


「ありがとうございますっ!私的にはシューとかもおすすめです。今日はおいてないんですがオープンのときには並んでると思うので」


「ふふ、それは楽しみね。本当に美味しいわ、ね?エリィ」


「はい。甘さが調度よく、バランスもとてもよろしいですね。何より砂糖の純度も…。私が見たところ最高級品と考えます。」


「…私も食べてよかったのでしょうか」


護衛の男性と思われる方が呟くとおかしそうに女性が笑った。


「当然でしょう。壁側に立っていることもできません。何よりお嬢様通いとおっしゃりましたし用意されたものは食べて当然よ」


男性はそっか、と呟きまたお菓子を堪能しているよう。


どうやら貴族受けもいいみたい。でも最高級…?これはまた価値観について考えなくては行けないかも。

砂糖の純度の問題なら市場で砂糖を仕入れてお菓子を作れば市民向けにもできるわよね。生菓子は金額をつり上げるべきね。


そう思考しながらまた食べている皆さんの反応感想に耳を傾けるのだった。

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