ようこそ
つい書き進めてしまいました。
毎日更新なんてきっと途切れると思います。
ですがどうかたのしんでくだされば幸いです。
「ようこそおいでくださりました。お時間より少し早いのでお茶を召し上がりつつ少々お待ちいただきますね。それでは招待状を拝見します」
扉を開けるとご婦人方や子供連れ、夫婦など様々な方がいらっしゃった。しかし物見客もいたのだろう、招待状ときくなり残念そうな表情を浮かべそそくさと立ち去る方もいた。
まぁ今回のはプレだし、お代もいただかないからみんなを受け入れるのは無理。材料費とかお金の心配がないからといってぽんぽん出せません。ケチですみませんね。それが社会と言うものよ
一組ずつ捌き、案内と共にドリンクをいれるので少し時間がかかったが特にもめることもなく案内が終わった。
「あの、すみません。」
最後の一組が終わり、中へ戻ろうとしたときに声をかけられた。大体23辺りの女性。身なりはしっかりしているのでどこかの使用人かしら?まぁ私服みたいだしオフなのでしょう
「どういたしました?」
「招待状はもっていません。しかし私の主がこちらへお邪魔したいと申しております。いれていただいても可能でしょうか」
主、というからにはお貴族様でしょう。うわぁ、正直一般市民でそんな高貴なひと来るとかめんど、ごほん、大変名誉ですなー。やだやだ
席はあるけど同じように俺も貴族だ~とかそんなやからが増えても…ね?
「すみません。今日は開店ではなく、近所の方々を招いたプレオープンになります。ですのでお金などはいただいておらず、味を知っていただき、この後のオープンに向けての宣伝にもなるといった内容なのです。ご貴族様を特別扱いすることもできかねますし、我々はこの土地に来てまだまもなく本当にご貴族なのかすらわかりません。他の方々も同じようにいれろと言われても席に限りがありますので…」
と渋ると女性はちらりと、後ろへ視線を向け首を振りました。
すると少女の声が後ろから聞こえた。
「無理を承知でお願いしています。それに多少騒がしくても気にいたしませんし特別なんて求めてないの。少し、この甘い香りのものを口にしたいの、ダメかしら?」
14くらいかな?まぁ外国風みたいだしもっと若いかも。ワンピースを着た女の子がそういってきた。ドレスじゃないってことはお忍びで、この女性の主とは彼女なのだろう。
「中にいれると言う時点で特別扱いですけど、まぁいいでしょう。その代わり、貴族様方にも広告と最後でもいいので御身分を」
「お任せください!いざとなればお母様に広めてもらいますわ。まぁお味にもよるのだけれど。まぁ、そうね。あとで名乗らせていただきますね」
少女とそう言い合いクスクスと笑ったあとに中へ一緒にはいる。
少女と先程の女性、そして背後にいた男性が最後のお客様だ。
「美玲、急遽一組増えたわ。ご案内お願いね」
「?はい!どうぞこちらへ」
ゲストの皆さんより少し離れた席へと移動していく。そして美玲が飲み物を運べば、こっちのスピーチになる。
最後の皿をテーブルに置くと翠がこちらにきた。
見たところ私の作ったのと差なんかない。流石ね。
「あの客、飛び入りなのにいれたんだ」
「お疲れさま。まぁ断る方がめんどくさいと思ったし」
「それに貴族の舌に合うかの反応も見たかったしね」
不敵に笑って見せると、やれやれといった反応をされてしまった。