組み直し
「ただいま戻りました」
「ただいま~!店長さーん!」
本から顔をあげ、おかえりーと言うと二人とも二階に来た。
「店長ずるい、俺らが外にいってる間お菓子とお茶食ってたわけ?」
「美玲にもください!」
「はいはい、今いれてあげるからお菓子食べて待ってなさい」
紅茶を煎れて、蒸らしている間にお茶菓子の追加を探しにいく。
今日マフィン焼いたけどまだ包んでないのよね、それで良いかな
あとラッピングしてあったのの一番日の早いものを出せば良いか。
籠にそれらをのせて上に戻ると二人ともポリポリとサブレを食べていた。
机の上に追加分をおいて、カップに紅茶を注ぎ砂糖とミルクを一つずつそれぞれのさらにのせ、二人の前に置く
「どうぞ召し上がれ」
「生菓子出さなくてよかったの?」
ポリポリと食べつつ聞いてくる。
「食べたいなら出すけどカットしてないからホールでいい?」
実際翠と二人で仕込み終わってるから在庫やあるものも把握してるんだよなぁ
「ムリムリ、ホールなんて食えない。それ隣に配ったら?挨拶回りはしてないらしいし、ここは急じゃないにしろ数日でできたとかで俺たち有名な魔法使いかなにか?とか騒がれてたから」
「はい!若いのにすごいですね!とか君たちもすごいのかい?って聞かれたので簿かしておきました。」
「はぁー、まぁ魔法はイメージと体力と知識らしいから馴れたら日本人は跳ね上がるでしょうね。そうね、生菓子は日持ちも悪いしそうしましょうか。美玲、ラッピングよろしく」
ふぁーい、と口にものをいれつつ答える美玲に私と翠はため息をついた。
「翠、此処等の情報」
「商会への登録は完了されているらしい。フードを被った人が済ませたと聞いた。この国はラミュラ王国で世界的に西の国だって。税金は年単位で一律3万ユール、果物ひとつ辺り10ユールだったから30万相当だね。」
「まぁ、年なら妥当かねぇ。甘いお菓子はあった?」
「果物はあったけど、ほぼ目につかなかった。ハチミツらしいものはあったけど300ユール、値段的にも相当だよ。大きさは小瓶1つ...60gあたりかな」
相当だね、お菓子1つの値段も検討し直しかな。焼き菓子メインで生は持ち帰り不可にしてこちらのカフェで食べてもらうか。
「そうなるとご近所に生菓子は渡せない...ナッペ済んでるし、上のフルーツ乗せた?」
「乗せたのは二つ、ホールで売る用のやつね。カット用は切ってから飾る。いつものことでしょ」
上出来♪と撫でようとすると弾かれた。全くかわいくなくなっちゃって。
「美玲、指示を直すわ。明日近所の奥様方で手の空いてらっしゃる方々を呼んで食べていただきましょう。そのセッティングを任せるわ。翠は相場からしてここの単価を考えるのを手伝ってほしい」
二人は頷き、紙とペンを持ちよりそれぞれ作業していく。
美玲は、この二階のカフェスペースの飾り付けやレジの配置商品の並べ方なんかを。
翠はこの世界で作る場合の原価計算とかのため、メモを取り出して紙ひたすら計算式を書き込み、電卓ででた回答を書いている。
これがまた面倒なのよね。
私的には安く売りたいけど、高級品の甘味が簡単に手に入るとなるとお貴族様...下手したら王族が出てくるわ
私だけならともかく、保護下の二人もいるんじゃ勘弁願いたいわ
礼儀作法と魔法を覚えなきゃ。
開店前にはマスターしておかないとね、プレは明日。
近所の人によって噂は流れ、数日のうちに戸が叩かれるようになる。
となると、開店は3日後に設定しておいた方が良さそうね。
看板にそう書いておけば皆さんわかるでしょう。制服は今のままで構わないしすることは金額の調整と、カフェメニューのケーキと軽食の見直しかな。持ち帰るようにショーウィンドウに置いてたけどその数を減らして、皿デザートを増やすべきね、暇があれば飴細工なんかをのせて出すのもいいかも。
そんなことを考えながら私も二人と同じように紙とペンを持ちより書き込み始めたのだった。