扉を開けると知らない場所でした。
甘いお菓子は幸せを運ぶ。
それは作り手である私が一番実感していることである。
私は若くして、といってもいいのかな?
28歳で自分の城を築きました。あまりお金に余裕もなかったから大きいわけではないけれど狭くもない。
コンセプトは幸せな思い出。
店名はpatisserie souvenir
そして今日とて少ないが皆気のいい店員たちと仕事場にいるんだが。
「店長、いつの間に立地変更したんですか?」
「見事に洋風?レトロ?な感じの町並みですね!」
「んなわけないでしょ翠。美玲はマイペースね、つか本当にここどうなってんの」
窓からは美玲のいったような中世ヨーロッパだろうか?レンガ造りの家や日本にはなさそうな大きな時計台がある。
「とりあえず店の確認するよ、なくなったもの、変わったとこが見つかり次第報告ね」
はーいと間延びした二人の声を聞きながら私は裏、在庫や休憩室や私の仕事部屋を見に行った。
扉を開けると在庫は元あったものより多くあった。それに部屋は少なかったはずなのに増えていた。
部屋をそれぞれ見ると美玲、翠、千鶴と掘ってあり、寝室ができてるし、仕事部屋はいつも通りだった。机の上にほんと手紙がある以外は。
『松川千鶴さんへ
急にごめんね!ちょっと店ごと異空間に飛ばしちゃったからそこで暮らしてね!お店の運営費はもちろんしばらくの材料などは自然と増えるからべつにいいよね!お金は円じゃなくってユーマって単位でまぁ金貨とか面倒なのはあるけど書いてあるからわかるよね。
魔法や魔物とか溢れかえってるから電気とかの代用もできて便利でしょ?他の二人も巻き込み事故だけどまぁなんとかしてね!
世界のこととか本に書いてあるから読むといいよ。
この世界を楽しんでね~?
Ps.これ読んだあと皆7歳くらい若返ってるからね!
神様より』
... ...。
「翠ー!美玲ー!緊急事態ぃぃいいい!!」
そうして、ここの世界の生活は幕をあげることとなった。