第2話 妹が出来たよ!
3話連続投稿です。少し張り切っちゃいました。
さてとどうすっかなぁ。相手はチンピラされどチンピラちゃっかりナイフなんて持ってたりして。
ハハハ…‥笑えねーよ。
俺なんて武器「チャキ」ん?
俺の腰から金属音がした。俺は自分の両腰に視線をやる。すると腰には左右一本ずつ剣が鞘に収められていた。しかし二刀流と言うわけではないらしく両方の剣も短剣程の長さで双剣と言った方が正しいだろう。右の短剣は黒色で刀身には薔薇の装飾を施しあった。左の短剣は白色でこちらも薔薇の装飾を施してあった。
白薔薇の花言葉は「無邪気」「純粋」。黒薔薇の花言葉は「憎しみ」「恨み」。確か妹(女神)は俺の性格によって形成される。
俺の性格ややこしいなぁ…。無邪気かと思いきや憎しみ持ってるし、純粋かと思えば恨み持ってるし。なんか違くね?俺の知識不足な気がしてきた。
武器の性質やら俺の性格やら考えてる時間はない。
相手は二人。共にナイフで武装している。
こちらは剣に触れたことすらないど素人が一人。
武器のアドバンテージはこちらにあるだろう。ただしそれは武器の性能を万全に出せる実力があってのアドバンテージだ。
今の局面に限って言えばアドバンテージなどあってないようなものだろう。
しかしこちらに勝機がないかと言えばそうでもない。ここ二十秒程相手を観察しているが脅して来るばかりでナイフで攻撃してこない。さらに、よく見れば相手はナイフを持つ手が震えている。相手も命のやり取りは初めてなのだろう。
ぼっちは人間観察が得意なのだ!
しかし俺は殺し合いと言って差し違えない場面に初めての遭遇下にも関わらず何故か冷静でいれた。なぜだろう…こいつらにだけは絶対に負ける気がしねぇ。
ああ…相手が引け腰だからか。
それから十秒程相手を観察し続けていた。すると相手がしびれを切らしてナイフを投げてきた。
しかし俺は避け無かった。そのナイフが無慈悲に俺に迫り俺の肩を切り裂く、はずだった。俺の予想通りというか案の定というか相手は俺にナイフを当てる度胸が無かった。そのため何も動いていない俺の横をナイフは素通りする。
怖かったぁ………。賭けだったけどやったぜ!これで相手は得物を失ったことになる。
相手はナイフが当たらなかったことに動揺したのか相手に隙ができた。俺はその隙をついて相手の懐に入り込む。俺の動きは決して鋭い訳では無いが引け腰の相手それも無様に大きな隙を晒している相手の懐に入るのは俺でも容易だった。双剣をクロスさせ接近、相手の懐に入り俺は双剣で相手を切り裂こうとした所で
静止の声が入った。
「そこまでだ!」
声のした方向に顔を向けるとそこには騎士達が六人程立っていた。とりあえず俺は武器を鞘に収め直す。
その中でも一際大きな鎧を着込んだ初老の男が少し威圧を込めて口を開く。
「第七騎士団団長オルフェーヴル・ヴェルディと申す。近隣の住民から通報があり参った。お主らここで今何をしておった?」
「お、俺達はここでいきなりそいつに斬りかかってこられたんだ。アンタ達が来てくれなかったら俺の命は無かった本当に感謝してるぜ。な、なぁ」
「あ、ああもう少しで二人ともこいつに殺されるところだった。俺からも礼を言う」
チンピラ二人がいきなりまくし立てるように言い訳をする。
え?ちょ待って。これ俺が捕まる流れじゃね?やべーやべー。どうしよどうしよ。
「それは誠か?」
先程より、より強い威圧を込めてヴェルディさんは言い放つ。
「ほ、本当に俺達は被害者なんですって!」
「信じてくださいよ!」
「お主らには聞いていない、少し黙れ」
チンピラ二人はヴェルディさんに睨まれて身を竦める。
「してそこの双剣よ、二人の言っていることは誠か?」
「ふぉぇ!?ああ、えっと、こいつらが我可愛い妹を襲っていたから斬ってしまおうかと思って……」
いきなり話しかけんなよおっさん。びっくりして変な声出ちまったじゃねぇか。
「嘘をつくな!加害者が被害者ぶりやがって!」
「そもそもその襲われていた妹とやらがいないじゃないか!」
やめてやめて、俺が捕まっちゃうから勘弁してよ。
「いるわよ!ここに!」
急に甲高くそれでいて澄んだ綺麗な声が聞こえてきた。その声の主は騎士達を押しのけて前に出てきた。アリアだった。
「騎士団長さん!あの二人が私を襲ったの!早く捕まえて処刑してちょうだい!」
「嘘を言うな!むしろ俺達がお前を庇ってあいつから逃がしてやったんだろうが!」
「そうだ!そこの双剣野郎がこの子を襲っていたんだ!」
まだチンピラ共は言い訳をする。それは流石に無理があるだろう。妹に怒鳴りかかるな。唾が飛ぶだろう。
ヴェルディさんも流石に察したのか呆れたため息していた。
「アキラお兄ちゃんは女の子を襲ったりしないもん!ね?」
そう言って俺の右腕にアリアが抱きついて来た。アリア胸が……成長途中なのであまり胸は大きく無かったかが妹の胸だ。存分に堪能させて頂こう。てか惚れんの早くね?こんなにチョロい妹は大歓迎です、
「アキラお兄ちゃん?」
「あ、ああもちろんそんなことはしないぞ、この世の全ての妹に誓おう!」
俺はできる限り最大の誓いをアリアと交わした。アリアの頭の上にははてなマークが浮かんでいたが。危ない危ない、初で可愛いアリアが俺の考えていることを察して離れたらどうすんだ。胸が堪能できないだろ。
「妹に誓う?まぁいいや。」
アリアがテキトーに俺の誓いをスルーする。
「騎士団長、騙されないでくれ!お願いだから」
流石にヴェルディさんも鬱陶しくなってきたのか
「詳しい話は詰所で聞く。おい!お前らそこの二人を拘束しろ!」
部下達に命令する声に苛立ちが混じっていた。
こうしてチンピラ二人は騎士団に引きづられて身柄を拘束された。
「ご協力感謝する!」
最後にヴェルディさんの声が聞こえてきた。
人に感謝されるのは何年ぶりだろう。なんだかむず痒い気持ちになってきた。
それはそうと目的を忘れてはいけない。
「なぁアリア」
「んー、なにー?」
因みにアリアはまだアキラの腕をホールドしたままである。
「冒険者ギルドに行きたいんだが場所知らない?」
「冒険者ギルド?それならね、私の家の横だから家までアキラお兄ちゃんも来て!」
アリアははしゃいだ様に言う。
こうして俺はアリアとともに陽だまり荘へと向かうのだった。
良ければ今後も見てくれれば嬉しいです!