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異世界でこそ引き篭もりたい  作者: 牛肉すきやき
1/1

導入とキャラクターメイキングについて その1

====================================================================




目の前には会議室で使うような長テーブルが2個、横にくっつけられていて。

それを囲むように椅子が7つ。


長テーブルの上にはコピー用紙が散らばってて、椅子の前にはお茶やジュースのペットボトル、筆記用具   あとは、サイコロが幾つか。


頭に浮かんだのは


「セッション?」


TRPGという少し特殊なゲームの用意だった。


「ていうかオレ何してんの?

 リアルでTRPGとかもう全然やってねーんだけど……いやそうじゃなくて。」


視界には長テーブルと椅子しか無い。

他に何もない、マジで何も無い。


真っ白けで距離感もよー分からん。

後ろを見てみる……やっぱ何も無い。


自分の手を見る。

普通の見慣れた自分の手だった。

キーボードを毎日毎日、仕事でも家でも叩くための手。


服は伸びきったTシャツにトランクス、裸足。

あ、これ寝る時の格好だわ。


つまり。


「夢ですね、分かります。」


オレは夢を見てる時に時々、夢だと自覚できることがある。

そうすると、夢の中の時間を巻き戻して前とは違う行動を取ったりできるんで、セーブ地点からやり直しみたいな事ができたりする。


明晰夢って奴だっけ?

まぁ、夢だと自覚すると途端、空飛んでたのができなくなったりするし、現実の自分ができることしかできなくなるんで一長一短だけども……


とりあえずは席について見ようと、一番近くにあった椅子を引いて座る。

そこで、会社のデスクで使っている椅子じゃんと気付いて若干テンションが下がった。


「これで対面に課長とか出てきた日には、明日会社休むわ。

 私、疲れてるのよ?って感じ。」


何となく置かれていたお茶のペットボトルを手に取る。

オレが良く買ってる奴だった。キャップをグリっと回そうとしたところで


「―――じゃあ田中さん、面談やろうぇあ!?」


聞こえてきた上司、さっき口に出した課長の声が聞こえて、頭で何か考えるよりも早くペットボトルを投げつけた。

実際、現実でこんな事は絶対にできないが、夢の中のせいか?


一回ぶん殴ってやろうと常々思ってた希望を実行に移してしまった。


「夢にまで出てくるとか無いわ、ほんっと無いわ。

 そこはオレの好きなキャラとかじゃねえの?おかしいだろ?課長と仲良く卓を囲みましょうとか、夢でもありえんわ。

 接待プレイでもしろってのか、いい加減にしろ。」


咄嗟に大きく横に逃げてペットボトルを避けた、いつの間にか向かいの椅子に座っていた上司に現実では絶対に言えない言葉を投げつけていく。


「何なのもう、夢の中でも気分悪いわ。」


吐き捨てるように、いや ぺっ と地面に唾を吐く仕草と共にもう1本ペットボトルを手に取る。


「いや言い過ぎじゃない?

 上司でしょ?おかしくない?社会人だうわぁ!?」


2本目のペットボトルを投擲するも、また避けられた。


「社会人なのは出勤してから退勤するまでだ。

 上司扱いして欲しけりゃ金払え、金。


 会社の外じゃ擦れ違っても話しかけんな、知り合いだと思われると恥ずかしいわ。」


「ひど!?どんだけ嫌いなの!?

 分かった、分かったからもうこの姿は止めるから。

 話が全然進まないから。」


焦った顔の上司は中々これでイラっとくる気持ちとザマーミロという気持ちが4:6で混ざった複雑な気分になるわけだが、見てる間になんかこう、全身モザイクのグロ禁止に配慮した画像になった姿が輪郭線だけの人形みたいになった。


なんか気持ち悪い。


んで、頭にGMとか文字が出てきた。


「は?

 自分の夢ながら意味が分からん。

 タイマンでセッションすんの?


 オレ、そんなに飢えてねーぞ、一昨日もオンセやったじゃん。」


「いやこれ夢じゃないから。

 正確には夢の形をした神聖な、ゴメン、神聖ではない場だから。」


「GM、説明が要領を得ないんでもっかいお願いします。」


上司だったもの、頭にGMって書いてあるんでもうGMって呼ぶが、何言ってるのかサッパリ分からん。


「えーと。

 ここは夢の形を取った別のナニカです。

 具体的には、アナタには死んで貰います。


 いやもう死んだから、違うかな、死んで貰いました、かな。


 理由は、ゲームで良くある設定だけど。

 世界は実は複数あって、ゲームの卓メンバーを入れ替えをするみたいに面子を交換するルールだからなんだ。


 昔は体ごと持ってって入れ替えてたんだけど…ホラ、神隠しとかってあるじゃない?アレの何割かは今回のと同件だよ。

 キミの世界の場合、最近だと行方不明にするより死んだ方が後の処理が楽なんでそうしてるのね。

 

 死因は一律、寝てる間の心臓麻痺です。南無南無―――ぁ」


オレは立ち上がって、横にあった椅子を両手で引っ掴んでGMに投げつけた。


が、椅子はGMの体を通り抜けて向こう側に飛んでいった。


「話を続けると、これから別の世界に移動してもらう上での導入パートが今回の趣旨。

 分かってると思うけど、この手の話のお約束通りに蘇生は勿論できないし、拒否権も無いから。


 というか、キミの場合はこれ以上暴れたりしないとは思うけどね。」


全く、同じ姿勢のまま話を続けるGMに、今度はシャーペンを突き刺してやりたい気持ちを抱いたまま、椅子に座る。


「人様を殺しておいてこの態度。

 ぶっ殺したい、殺したこととかねーけど、ぶっ殺したい。


 つーても、どうにもならねえなら、しょうがねえ。そこはもういいや。

 だけどな、殺した以上は責任取れよ?できるならオマエぶっ殺したいけど。

 

 でもオレの周りのケアはちゃんとしてくれ。

 家族に補償しろ、具体的には金。


 家族に生活困らん金と穏やかな人生を出せ。そうすりゃオレの死体はゴミ箱に捨てても構わん。


 あ、パソコンの中身も消去しろ。完全に絶対に復旧できないように消してくれ。

 家族にエロ画像とか動画を見られるとか耐えられん。地球が粉々になった方がマシ。

 

 これがOKなら、後でオレの記憶から家族の事も消してくれ。

 もう会えないなら覚えてても意味がねえ。

 

 あー、人格形成に問題が出るならまずいのかな。姿形だけ消せばいいのか?」


家族がオレが居なくても生活できるってのが絶対条件だ。


死んだら悲しむだろうけど、死んだ……殺されたもんもんはしょうがない。

後は、それ以外で穏やかに平和に幸せに生きてくれればいい。


確認もできやしねえから、口約束だけでもオレにはどーしょーもないが、しょうがない。


「それなら条件はクリアできるかな。

 元の世界側で宝くじにでも当てて、変なのが寄ってこないようにして健康を維持できれば大体クリアできるよね。

 

 後もまあまあ、大丈夫。

 家族のことが思い出せなくて辛いっていうのはあるかもしれないけど、まあ、そのうち平気になるんじゃない。」


何となく、GMの顔がニヤニヤしてるみたいに思えてイラっときた。

が、要求が通るならぐっと飲み込んでしまえるオレは社会人で良かった。


「じゃいいよ、話進めてくれ。

 後はどうすりゃいいんだ、オレこの格好で別ん世界行くの?世界観の設定とか出せよ、ルールブック見せろ。」


正直、オレは運動不足のIT企業勤務のサラリーマンなので、ステータスとかにすると相当、弱いと思う。

散弾銃も持ってないんで、贔屓目に見ても戦闘力2とかじゃないかな。


別の世界に行っても、30過ぎのオッサン、職務経歴無し住所無し戸籍無しとか、無理過ぎて一ヵ月後には死んでると思う。


「いやいや、移動してすぐに死なれても意味無いし。

 いや、バカやって死ぬ人も稀に良く居るけど、ちゃんと諸々、説明するよ。

 記憶もスキル取ってくれれば持ち越し可能だしさ。


 だからこうして、キミに合わせた説明の場を用意したんだし。


 この場の言い方で言うと、キャラメイクと世界設定の説明はするし、質問も受け付けるよ。」


言いながら、GMは何時の間にか長テーブルに置いてあった分厚い本をこっちに押し出してきた。

カバーは真っ白、表紙には何も書いてない。


とりあえず手にとって開いてみる。

ああ、目次もあんのね。


「ぇー……この世界は球体だと考えられており、大体地球と同じ大きさの惑星で宇宙も存在し……

 何これ、オレの世界意識し過ぎじゃね?ドコ向けの本なんだよ。」


やけに地球と比較した説明になってる。

曰く、所謂ファンタジーの世界です。科学的な事は余り期待しないで下さい。

曰く、魔法とかありますし、モンスターとか盛り盛りです。

曰く、神様が実在します。目の前のGMも神様です。敬っていいのよ?死ね。

曰く、未開の地とかスゴイ一杯あります。この世界の別次元という枠から悪魔とか攻めてきます。

曰く、地方によって風習や言語も異なり、統治の方法も違います。


「普通のファンタジーだなコレ。

 まあSFとかサイバーパンクよりは入りやすいかなあ……


 あー、なぁ、このルルブ持込させてくれよ。

 もしくは頭にインストールしてくれ。

 

 後、紙とシャーペンでもいいんだけど、オンセのが作りやすい。

 モニターとかキーボード使わせてくれ。」


ルールブックを読みながら、GMに注文をつけるオレ。

この場を用意したんならインターフェイスとか自由自在のはずだし。


正直、手書きよりキーボードで打つ方が多くなってる現代人ですからね。


「あら、じゃあそうしようか。

 モニターとキーボードね、ああ、じゃあキミの家のパソコン環境とかの再現のがいいのかな。

 

 ルールブックのインストールはちょっと……スキル枠使って欲しいかなあ。」


GMも頷いてくれてる、言ってみるもんだなやっぱ。


と、長テーブルの上に半透明のキーボード出てきた、何コレ、サイバーっぽい。

モニターも良くあるSF系のウィンドウ出てきた、でも画面とか配置がオレのパソコンっぽい。


とりあえずキーボード触ってみる……半透明なのに打鍵の感触がある、スゲエ!


「ぉおお、こんな世界に生きてみたかった……

 あ、Ctrl+Nで窓も増やせんのね。

 

 キャラシートどれだ、コレか。

 アプリになってるとか便利でいいなあ……ログでホラなアレでソレみたいだ。」


若干テンション上がったオレはGMそっちのけで操作と、手元のルールブックを捲っていく。

能力値の説明、基準、スキル、所持品、言語、魔法、魔法!


いいな、リアル魔法使いとか楽しすぎるわ。


ルールブックを何度も読み返してキャラを妄想する。


「ボーナスポイントが3d100って触れ幅すげーな………振り直しってあり?」


「無し、一発勝負。

 正確には作成ボーナスで+50あるから、3d100+50だね。

 はい、ダイスボード。」


GMが言いながら、オレの前に小さいウィンドウを表示させてきた。


"キャラ作成ボーナスポイントロール ON "


マジか。

一発振りか。


……こういう時のダイス目良くないんだよなあ、オレ。

できれば固定値を積み上げたい派なんだけど……嫌々ながら、ウィンドウの文字に指を伸ばして触れてみる。


"3d100+50 (41+75+61+50)=227"


ダイスが転がる絵も何も無く、即数字が出てきた。

227か……良かった、悪く無かった。


「1ゾロとかだったら面白かったのにな。」


「おい、今何つった。」


「はははは!」


このGM何なの?

何で笑ってんの?

この超大事な局面でそんな目出たら心が砕け散るわ。


「まぁまぁ、ネタにもならない目だったけど、じゃあキャラ作成して欲しいな、そろそろ。」


「人の人生をネタにしようとすんな。

 一回言わせて貰うし、今後もちょくちょく言うと思うけど、死ね。」


とりあえず、キャラクター作成のアプリから、キャラクターシートのウィンドウを出して眺めつつちょっとずつ弄ってみる。




>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

system

character

making

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Bonus point : 227

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

name :□


性別 :□

年齢 :0 △▽

種族 :□

From :□


attribute :雷


Str :0 △▽

Dex :0 △▽

Vit :0 △▽

Int :0 △▽

Mnd :0 △▽

Mgi :0 △▽

Luk :0 △▽


Skill :□



magic :□



Item :□



<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<




□はなんだ?と思って性別のトコロを押したら、選択肢が出た。


-----

・男性

・女性

・両性

・無性

・その他:GM相談

-----


………………

…………

……


チラっとGMを見る。


「ん?

 何、なんか希望があるの?

 チンコ3本とか?いいよ、いけるよ?」


「いけねえよ。

 頼む、死んでくれ。」


思わず反射的に口から死ねって出たわ。

なんだ3本って。どっかの南国の妖怪か。


とりあえず、普通に 男性 を選ぶ。

女キャラとか特にオンラインでは普通にやったこともあるが、実際になりたいか?というとちょっと難易度が高い。

他もあえて選択する程、オレの守備範囲の中で重くないしな。


年齢は……種族次第なトコロがあるな、保留。

種族の選択肢は


-----

・純人間種

・亜人種

- エルフ

- ドワーフ

- リザード

- ホビット

- フェザー

- ドラコン

- ゴブリン

- オーク

- コボルト

- オーガ

・半魔種

- 魔人

- 獣人

- 鬼人

- 吸血鬼(GM相談)

・その他:GM相談

-----


多いなオイ。

名前的に何か分かるのも多いけど、フェザーってなんだ?


ルールブックのキャラクター選択可能種族ページを見てみる


-----

■ フェザー


背中に鳥類の翼を持った種族。

背中の翼以外は特に人間と大差ないが、種族的に痩身、筋肉は余りつかない。


飛行に関しては研究の結果、翼から風を発生させており、魔法的な作用で飛んでいるらしい。

高原や山岳に集落を作り、生活圏からは余り外へは出ないが、渡り鳥のように集団で移動する一族も存在する。


一族から離れて外部へ出る者は、外の文化を吸収するためであったり、ただの好奇心であったりと様々だが、その飛行能力を生かした長距離の伝令や手紙の配達、偵察兵になる者が多い。


ちなみに、別に鳥目で夜は目が見えないといったことはない。

-----


あぁ、翼人か。

ゴブリンとかオークとか……誰が選ぶんだよ。

いや、そういうキャラ作って遊ぼうってシナリオならありえるか、姫騎士を捕まえろ的な。


オーガと鬼人ってどう違うんだ?


-----

■ オーガ


2.5-3mの体躯に溢れる筋肉で禿頭、何本かの短い角を備えた種族。

男女問わずに全員が禿頭。他種族から見るとほぼほぼ、区別はつかない。


見たままに怪力と体力で他を圧倒するが、頭は大して良くない。

割と本能に忠実。

森や山岳に小規模な集団を作って生活する。


ゴブリンやオークを手下にしている場合もある。

-----




-----

■ 鬼人


外世界の邪神が送り込んだ魔物とこの世界の人間が混じって生まれた種族。

混じった理由?邪神の手下だぞ、察しろ。


大柄な人間を基本ベースに頭に角が伸び、牙や爪が伸びている。

持って生まれた魔力を身体能力強化に用いており、オーガを越える筋力を発揮する。


身体能力強化以外の魔法習得に大幅な制限がかかる。


魔物を送り込んだ邪神の精神支配によって滅茶苦茶に暴れまわったため、世界の裏切り者扱い。


邪神が退けられ、精神支配が解けた後は壮絶な迫害を受けたので、辺境に村レベルの隠れ里を作ってひっそりと暮らしている。

-----


駄目だ。

どっちも選択肢に入ってこねえ。


そーいうキャンペーンだからってんなら兎も角、この種族で頑張っていこうとは思えない。


「なぁ、魔人とか獣人も似たような感じなん?

 普通さ、獣人ってもっとこう……さぁ……」


「どっちも似た感じだよ。

 獣人はその三つの中で一番、えぐいから是非オススメしたいな、GM的には!」


「ごめん、口が臭いんでそれ以上喋らないでくれますか。」


「!?」


クソみたいな台詞を吐くGMを黙らせると、一応、獣人を見てみる…………


……そしてページを閉じる。

どの人間国家でも人権の無い種族・何処にいっても迫害される・ベースになった獣の特性を持つが、血が薄まった今では見た目にも出ないことが多いetc


なんだこの、スケープゴートのために設定されましたみたいな種族は。

えた・非人かなんかか。七人死んで一人前か。


あり得ん。

コレを自分にしたいヤツは頭がイカれてるバカだけだ。


魔人もそうだが、今ものすげー嫌われてんのは元になった邪神に精神支配されて大暴れしたのが原因なのか。

そんでもって邪神様どもは現在はこの世界には大きな干渉はできない……と。


「大きな干渉?なんか細かいのはあるってことか?」


「…………サーテードウデスカーネー?」


「てっめぇ、コレどっかに手下とか信者とか残ってんだろ!そうなんだろ!?」


「資料が無いのでお答えできません!お答えできません!

 公式回答が必要な場合はメールでお問い合わせください!」


言ってるようなモンじゃねーか!

絶対に選ばない、選んだら厄介なイベント発生が確定する罠種族だこれ。


「一応聞いておくが、吸血鬼のGM相談ってなんだ。」


「あぁ、それは吸血鬼には色々居るからだね。

 ハーフとかお約束の始祖とかさ。ハーフとかは作り込みが必要だから応相談になってるのさ。」


へー と生返事しながら吸血鬼のページを捲ってみる


-----

■ 吸血鬼


この世界の神が他所からきた神の尖兵を狩るため、選んだ個体に濃い目に力を注いで変化させたもの。


厳密に言うと、この「神から力を注がれたもの(以降は始祖と記載)」だけが吸血鬼に該当するが、

ここでは始祖から力を分けられた転向者、始祖・転向者の子であるハーフも取り扱う。


外見特徴

始祖:真っ赤な目と病的に白い肌だが、これは力を注いだ神が自分の外見を反映させたため

それ以外は元種族の特徴を引き継ぐ


転向者:真っ赤な目、それ以外は元種族の特徴を引き継ぐ


ハーフ:真っ赤な目、それ以外は吸血鬼と子供を生した種族の特徴を選んで引き継ぐ


特徴

始祖:オーガを超える超身体能力、エルフを超える魔力を持つが、外世界からの侵略者を滅する使命を持つ

   使命は直接、神から下される。

   昼間に弱体化する制限を得ることにより、夜間に更にステータスが強化される


   吸血行為によって対象のHP/MPを吸収するドレイン能力を持つ

   自分の血を他者に与えることにより、転向者という配下を持つ


転向者:使命は始祖から伝えられ、直接神と言葉を交わすことはない

    身体能力強化、魔力強大化、両方をそれなりに、のどれかを始祖から与えられる

    昼間の弱体化は緩和されるが、その代わりに夜間のステータス強化も伸びが抑えられる


    吸血行為によって対象のHP/MPを吸収するドレイン能力を持つ(効率は始祖の50%)

    始祖から能力を与えられた場合にだけ転向者を作れる


ハーフ:吸血鬼と子供を生した種族の特徴を選んで引き継ぐ(GM相談)

    使命を持つことが無い


    吸血・ドレイン能力を得た場合の効率は始祖の25%

    転向者を作ることはできない

-----


なんだろうこの、えーと……


「これ種族っていうか軍隊なんじゃ……しかも特殊部隊っぽくね?

 命令で敵を殺すマシーンなんじゃねの?


 なんかこう世間一般の吸血鬼っぽいイメージと違う……」


要するにこれ、外世界からの侵略に対向する迎撃マシーンだよね。


「お、よく気付いたね!

 そうなんだよ、もう外世界からちょっかい出してくるのが鬱陶しくてさ!

 こっちはルール守ってリソース投入してるのに、そんなの関係ねぇ!って感じで、横から手を出してくるからさあ!


 不肖、このGM様がいっちょデスマシーンでやっつけてやるかと!

 地球のサブカルチャーを勉強して他の神にプレゼンして通した種族だよ!」


思わず反射でオレは叫んだ。


「これ作ったのお前かよ!!

 しかも今なんつった、デスマシーンつった!?

 イヤだ、こんなん絶対選ばんからな!?しかもサブカルチャーとかもう、ははーん、オマエ、さてはバカだな!?」


「ぶっぶー。

 GM様に暴言を吐いた罪でキミの種族が今大決定しましたー。

 吸血鬼が当選確実です。

 おめでとうございまーす、死ね!」


「おいいいい!オマエ今、死ねつったよな!?死ねって言ったよなあ!?」


「恨むなら己の不敬を恨むのだなぁ!おらぁ!」



キャラメイクのウィンドウがオレの顔の前にスライドしてきて、勝手に動き出す。




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system

character

making

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Bonus point : 227

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name :□


性別 :□

年齢 :0 △▽

種族 :始祖吸血鬼(原種:□ 選択してください)

From :□


attribute :雷


Str :0 △▽

Dex :0 △▽

Vit :0 △▽

Int :0 △▽

Mnd :0 △▽

Mgi :0 △▽

Luk :0 △▽


Skill :□



magic :□



Item :□



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種族欄が勝手に吸血鬼に!

指でスライドさせようとしても動かねえ、変更できねえ!


「ぐおお!クソ、てめえ何てことしやがる!?

 横暴過ぎんだろ戻せ、戻せボケぇええ!?」


「もうそこは選択項目じゃなくしたから無理でーす。

 直接書き込んじゃったもんねー、大人しく元になった種族を選ぶがいいさ!」


咄嗟にテーブルにあった鉛筆を向かいのファッキンゴッドGMに投げ付けるが、やっぱりすり抜けやがる。


「まぁ、吸血鬼でもいいじゃない。

 本当ならポイントがかなり必要だけど、こっちで書き込んだから消費ゼロだし。

 その分他に回せるじゃない?いい買い物しましたよ、お客さん。」


「どの口が喋りやがる。

 あーもう……じゃあ、この中で一番魔力補正の高いのドレだよ。」


「それならエルフかドラコンかな、ドラコンだと角とか尻尾とか生えて、鱗までついてマジオススメ。」


「なるほど。」




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system

character

making

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

Bonus point : 227

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

name :□


性別 :□

年齢 :0 △▽

種族 :始祖吸血鬼(原種:エルフ)

From :□


attribute :雷/魔/聖


Str :0 △▽ (×10.7)

Dex :0 △▽ (×10)

Vit :0 △▽ (×10.7)

Int :0 △▽ (×11.5)

Mnd :0 △▽ (×11.5)

Mgi :0 △▽ (×11.5)

Luk :0 △▽ (×2)


Skill :精霊会話

    森林適応

    不死者

    不老者

    再生者

    成長促進

    夜間ステータス強化5L

    昼間ステータス弱体化5L

    バッドステータス耐性5L

    エナジードレイン1L

    交神5L

    転向者作成1L

    看破

    意思伝達(吸血鬼限定)

    □




magic :雷魔法1L

    精霊魔法1L

    神聖魔法()5L

    □



Item :□



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「なんでさ!?」


信じられない!って声のGM様だが、オレはむしろそっちのが信じられん。


「自分がなるんだぞ?

 角とか尻尾とか上級者向けなのは無理の無理無理。

 エルフの耳が長いのだけなら慣れれそうだから、実際、選択の余地は無い。


 あとなんかスキルがめっちゃついてんだけど。ステータスの補正?もおかしいだろ、10倍超えがあるぞ。」


「そりゃ、外世界の敵絶対殺すマンだよ?

 決戦兵器マンだもの、それぐらいないとむしろ負けるというか、あってもたまにま、まあ強いに越したことないじゃない!」


本音がガバガバの駄々漏れだ。

つまり、この補正があっても勝てんヤツが出てくる可能性がある、と。


「なぁ、今の世界で始祖って何人居るんだ?そいつら普段、ドコで何してんの?」


「んー。

 15人くらい?かなあ、世界の色んな場所に居るけど、どっかの国の貴族になってたり、世界の危険地帯に住んで自分を鍛えてたり、かな。

 貴族になってるのはアレだよ。

 始祖吸血鬼が住む=有事の際に安心!だから、どこの国でも優遇してくれたり、取り込もうとするからさ。」


言いたいことは分かったが、オレはド田舎で隠棲しよう。


田舎で静かな静かに余生を過ごそう、やったことないけど畑を耕して生きよう……生きられるかな?


「属性?かな、に最初から雷があったけど増えてる……この看破って何だ?」


「今居た世界、電気が溢れてるでしょ?そのせいか、転生させると全員が持ってるんだよね、それ。

 もう初期特典だと思って。


 魔と聖は始祖吸血鬼になるとつくの。

 魔物寄りで、かつ、神のヒットマンだからそうなるの。


 あと、看破はまぁ鑑定魔法というか、対象のステータスが見えるヤツ。

 外世界の手先を見つけるためものだけど普段も使えるよ、便利便利。」


ヒットマンて。

看破はアレか、スパイとかを確実に発見、狩り出すためか……ほんと怖い種族、というよりもう特殊工作員だな。


とりあえず入力するか。

ステータスの基本は……人間の成人男性が5がベースか。


「あ、ボーナスの増やし方は?」


「何かを殺す。強いものほど高得点。」


「ア、ハイ。

 んじゃ作っていくけど、分からんものは質問させてくれよ。」


「はいはい、そんじゃ張り切っていってみようー!」




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system

character

making

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

Bonus point : 0

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

name :□


性別 :男

年齢 :20 △▽

種族 :始祖吸血鬼(原種:エルフ)

From :□


attribute :雷/魔/聖


HP:79

MP:1265


Str : 5 △▽ (×10.7) → 53

Dex :20 △▽ (×10)  →300

Vit : 5 △▽ (×10.7) → 53

Int :30 △▽ (×11.5) →345

Mnd :40 △▽ (×11.5) →460 (×2) →920

Mgi :40 △▽ (×11.5) →460 (×2) →920

Luk : 5 △▽ (×2)   → 10


Skill :精霊会話

    森林適応

    不死者

    不老者

    再生者

    成長促進

    夜の主(夜間ステータス強化10L)

    昼間ステータス弱体化8L

    バッドステータス-完全耐性

    エナジードレイン5L

    交神(対象神:アフラ)5L

    転向者作成5L

    看破

    意思伝達

    記憶継続

    思念会話

    眷属生成5L(残コスト:200)

    知覚拡大

    知覚共有

    魔法威力倍加

    魔力容量倍加

    詠唱破棄

    世界典範閲覧権限

    杖術1L

    剣術1L

    □


magic :雷魔法-完全習得

    精霊魔法-完全習得

    神聖魔法(信仰対象:アフラ)-完全習得

    結界魔法-完全習得

    無属性魔法-完全習得

    錬金魔法-完全習得

    生活魔法

    □


Item:雷精樹の霊杖

   鋼の剣

   リクレクションローブ

   収納の指輪


   庭付き一戸建て

   携帯食料×10

   □



<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<




「よし、できた。」


「待て待て待て。」


出来上がったキャラシートを前に、やり遂げた顔をしたオレにGMが文句をつけてきた。


「んーだよ、完璧だろうが。」


「オマエこれ引き篭もる気満々だろ!

 結界張ってどっかに隠れて出てこない気だろ!!

 何かあっても全部眷属にやらせて家から出ない気だろ!!


 昼間の弱体化レベルを上げてまでポイント稼ぎやがって!」


ちっ、気付きやがった。

スキルやら魔法やらのページがむちゃくちゃあって時間かかったが、その分、オレの隠遁生活ライフを支える構成にしたのに。


特に眷属生成ってのがいい。

スキルや魔法をコストの範囲で能力だけじゃなくて、見た目も弄れるってのがいい。


作成ルールが別になってて細かい部分はまだ読めてないが、素材を用意すれば割とコスト節約も可能みたいだし。

家事のできる眷属を作成してオレの世話をさせようと思う。


「王侯貴族だとか、魔法や戦闘に極振りしたヤツは一杯居たけど……

 吸血鬼になってオレ様至上主義みたいのも居たけど、まさか、引き篭もりになるつもりだなんて!」


「そいつ頭おかしいんじゃねえの?

 まずは生活を安定させろよ、その吸血鬼になったヤツまだ生きてんのか?」


「生きてるよ、割と長く生きてるよ。

 強いけど我侭放題だから周りがえらい難儀してるみたいだね。


 他の吸血鬼の言うことも聞きやしないみたいだし。」


「よし分かった、オレもソイツにゃ近寄らん。そのバカの名前は?」


「タカシ。享年22歳、無職。」


「日本人かよ!!」


なんてこった、日本の恥だ。


「日本では高校生の時にイジメにあって登校拒否、引き篭もりにな」


「それ以上聞きたくない!!!」


もういい、もう沢山だ。


どういう性格で、何で違う世界で人に迷惑かけまくってるのか?まで、完全に想像できた。

典型的駄目なヤツ!


「よし、切り替えていこう。

 後はなんだ、名前と出身地か。出身地って言われてもなあ……」


ルールブックのマップと地名、国の解説を見ながら考えるか。





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