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6.脱出(2)

「……出口?」

「はい、ここから飛び降ります」


 案内された先は城の外壁だった。高さは体感で15メートルほどだろうか。やけに冷たい夜風のせいかのか、その高さのせいなのか、俺の膝は若干笑っていた。

 下は水堀になっており、そこに小舟が一艘浮かんでいる。そこからチカチカと明かりが瞬くと、娘も剣とは反対側に提げたポーチからだした筒状のものをひねったり戻したりして、明かりを出したり消したりしている。懐中電灯に見えるのだがこの世界にもあるのだろうか。その懐中電灯?を再びポーチにしまうときりっとした目を俺に向ける。


「今なら巡回にも見つからずここから脱出できそうです。さあ、お早く」

「お、おお、おう」


 挙動不審になりながらも返事を返し、改めて下を覗く。

 俺の目にはわずか数センチにしか見えない小舟の上にうまく飛び降りれるのだろうか。いや、どうして船に着地せねばならないと思ったのだろうか。水堀なのだし、そこそこの深さはあるだろうから水面に飛び込んでもいいだろう。と、言うよりも普通に考えて彼女が言っているのは水面に着水した後に小舟にあがる方だろう。いやでも今この寒さで水に飛び込むのか? 着替えもないのにそれはつらいなぁ――

 などと余計な考えまで巡ってきた矢先、横に居た娘が「先に行きます」と呟いたかと思うとその身を宙に投げていた。


「おい――!?」


 みるみる小さくなっていった娘の姿は、小舟にすっぽりと収まる。水面の波紋も少なく、この位置まで聞こえる音もない。完璧なまでの着地だった。

 いよいよ後がなくなった俺は一度振り向いて追手が無いことを確認する。息を整え、眼下を見返せば、小舟から2つの灯りが見えた。その灯りは船首と船尾にあり、この間に降りろと言いたいらしい。

 俺は外壁の縁に足をかけ、大きく息を吸う。水に落ちても大丈夫なように。

 こういう時はためらわないことが重要だと、俺の頭のなかにある知識が語る。ためらっていると恐怖はどんどんと体を支配して、そして最後には動けなくなってしまうから。


「ふっ!!」


 俺は跳んだ。灯りが導く、船の真ん中に向けて。


 実際の降下時間はものの数秒だと理解はしている。

 が、体感時間はそんなものは関係ないのだ。

 血液が遡ってくる感覚が体中を駆け巡り、空気を裂く音が耳をつんざく。迫り来る小舟。足から順に、それも一気に襲ってくる喪失感。

 怖い、いやもう怖いとかそんなもんじゃない。現代風にいうとヤバイ。そりゃもう激ヤバですよ。月明かりくらいしかない夜の帳の中、黒い水面に浮かぶ小舟に飛び乗れって普通に考えたらありえないでしょ。だってお前、小舟、マジで小せえし。え? 死ぬ? あ、これ死ぬんじゃね? さっき考えてなかったけど水に落ちたらこの寒さでショック状態になって心臓ヤバイんじゃね? あ、ヤバイ。ヤバイって。マジでヤバ――


 バンッ! と音を立てて、俺は小舟の中に手足をつけて着地した。小舟は揺れ動いたものの、転覆するような揺れじゃない。

 生きてる――

 うまくいったことよりも、生きていることに感動を覚えた。


「そのまま伏せていてください。移動します」


 渋い男の声だ。ついで、かいを漕ぐ、ぎぃぎぃとした音が聞こえ始めと小さな水音とともに小舟は進みだした。


みんなどうやってそんなに一日で何千何万文字も書いてるの…?

いやプロットを作らず、かつ推敲や肉付けをせずに投稿してるから文章量が足らないんだろうなぁとは思うんですけど

話を進めた方がよかろうと細切れでも書いた分だけ投稿してるんですが、今回話ぜんっぜん進んでないな。飛び降りただけだぞオイ

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