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<7>

短めです。

<7>

 

 檸檬の部屋では少年二人が向かい合っていた。とはいえ、今は休憩中である。

「なぁ、亨。」

「うん?」

「昼間の話だけど…。」

 今度は檸檬の方が言いにくそうに呟く。だが、機嫌の良い亨は笑顔で檸檬を見た。

「何?」

「…実は、桃の肩にいた精霊、俺と契約してるんだ。」

「そうなのか?!」

「うん。桃を見守って、必要な時は俺に連絡をくれるように…。

俺も、亨に黙っていたのは同じだよな。ごめん…。」

「いや。檸檬が俺に言いにくかったのも判るし。自分がそうだったから。

でも、そんなとこも檸檬と俺、似てるよな。」

「うん。そうだな。」

「だけど。」

 少し言い淀む亨に、檸檬は顔を上げた。すると亨は、悪戯ぽくニヤッと笑い返した。

「檸檬の精霊、すっごい綺麗だろ?

そうじゃなくても檸檬って女の理想が異常に高いのに、

毎日あんな綺麗な人と一緒にいたら、益々人間の女が霞んでしまうよな?!」

「大きなお世話だ。」

 檸檬はちょっと膨れてみせた。だが、思い直して亨に聞く。

「そういえば、みんなとの話の腰を折りたくなくて、そのまんまにしていたんだけど、

精霊と妖精ってどう違うんだ?」

「精霊は自然現象から力を得たりその力をコントロールしたりする生き物で、

妖精は大抵植物なんだけど、個々の生命に付いている生き物って言ったら良いのかな。

だから、妖精は自分の植物が枯れることが自分の死に繋がるから、

日々の生活を営むのに必死になってる。

人間と契約なんて、そんな余裕は全く無いんだ。

逆に精霊は、自分の属性の力を司っているから、

その力と引き替えに自分の望みを叶える為、人間と契約する。」

「ふうん。」

 柔軟な頭脳を持つ檸檬は、その説明を、何の抵抗もなく受け入れた。

そんな様子を見て、亨は言い足した。

「それから、見た目も違う。

精霊は属性の姿か人間の姿だけど、妖精はよくあるイラストみたいな感じ。

人間に羽が生えたような。

それに妖精は身体が小さくて、その大きさを変えることはできない。」

 ああいったイラストは架空であって架空ではないということだ。

納得して檸檬は頷いた。



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