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ルシャント

どうして戦争は起こるの?

店の掃除をしていたウィルは入り口の方に久しい顔を見つけた。それは羽根突きの帽子をかぶり、ちりちりした長い髪を一つに結い、服装はまるでバランスもセンスもないものを纏っていた。一言で言うなれば、変人というのが一番しっくりくるだろう。


「あ、店長〜」


変人はここ“笑う門”の店長でした。ウィルは箒を持って動いていた手を止めた。


「ずいぶんと今回は長い旅でしたねぇ。大丈夫でした?死んでませんか?」


ウィルの笑顔つきの言葉に店長は親指を立てて白い歯を光らせた。


「この俺様に肉体の終わりが来ても魂は永久不滅さ!」

「せめて肉体の終わりが早く来て欲しいですねぇ」


二人とも広くない店内で笑いあっていた。

ウィルはとりあえずこの変人店長にご飯を作って出してあげた。店長は魚介類が好きなので、今回は秋刀魚の塩焼きとアサリ汁だ。


「うまい!うまいぞマイサン!」

「店長の息子になった覚えは微塵も無いですけどねぇ」


ウィルはまた掃除を始めた。


「時に少年、君はいつまでここでバイトをしてくれるのだ?」

「はい?」


また突拍子のない事をこの人は、と思ったウィルなので掃除を止める事はなかった。


「近々戦争が勃発するのさ!紳士ウィル、君はそれでもここ“笑う門”にいてくれるのかい?」

「戦争?一体どこがやるんですか。ボケるなら旅行中だけにしてください」


床は掃き終わったのでウィルは雑巾を手にしてテーブルを拭き始めた。


「ヤイゴの森に接してる三カ国に決まってるじゃあないか!お隣のハンディーラはあのイルハウ大会の優勝者、アーキルが味方についてるって話」

「へぇ。あの決勝戦当日にお腹壊して遅刻してきたアーキルですか」


ようやくウィルは手を止めて店長の話をちゃんと聞き始めた。店長はせっせと秋刀魚の骨をとっているところだった。


「そうそう。で、ビビハは老魔術師のラリアがついてるみたいだな」

「じゃあここは?」


ルーパのあるこの国はルシャント。ハンディーラとビビハの間にあって、三カ国の中で一番小さい国である。


「ルシャントはぁ、なんて言うかぁ〜」

「気持ち悪い話し方は止めてください」

「はいはい。ルシャントは孤立無援です。最近じゃあ戦争の匂いをかぎつけた旅行者は皆ルシャントを離れてる」

「あぁ、だから最近静かなんですね」


ケンカの絶えないルーパだが、それでも最近人が少なくなってきているな、とウィルは思っていた。


「でも戦争の理由は?まさか、どこの国にヤイゴの所有権があるとか下らない事ですか?」

「まっさか!どこの国に伝説の召喚獣を手に入れる権利があるか、だよ」

「……」

「……」


二人は見つめ合って同時に深い深いため息をついた。そして同時に、


「「くっだらない」」


と言い放った。

大半が人間の欲からきている。たまに不可抗力の場合があるのだよ。


小さな子ども、ロードと一緒に住み始めた賢者の会話

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