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彼の日課
「綺麗な夜空だね」
屋根の上で寝そべっている少年が呟いた。
肩にかかる程度のさらさらな黒髪と、黒い瞳を持つ少年。
「はい」
周りに少年以外は見当たらないのにどこからともなく声が聞こえてくる。
「……夜風は体にひびきます」
「そうだね、もう寝るよ」
そう言うと少年は体を起こし、自分の部屋へと戻っていった。
机とイス、そしてベッドがあるだけの部屋。彼はベッドに横になり今日習った魔法と薬草の復習を頭の中でしながら眠りについた。
そして翌朝、食堂に行く前にまた復習をしてから部屋を出た。