始まり~桐生隼人篇~②
今回は、少し長くなりました…。
(ダリぃな。)
暑い夏!学校行くのが、めんどい。
「おはよう、隼人。」
人気者の俺は、たくさんの女子に声をかけられる。
「はい、牛乳。」
背の低い俺に、牛乳をくれる女子。その名は、一ノ瀬葵。俺の幼なじみ。一時期、付き合っているという噂が流れた。だが、それはガセ。
「牛乳、どおも。」
昔から、牛乳をくれる。でも、身長は伸びない。なんでか分からない。
「隼人!お客さん。」
翔太が、俺を呼ぶ。
「前田君、ありがとね。」
「いえいえ。」
どうやら、彼女が呼んだらしい。名前は、なんだっけ?
「どうしたの?」
「あの…。」
この雰囲気からしたら、告りにきたのだろうか。
「何?」
飛びっきりの、営業スマイル。告ったとしても断らないといけないけど・・・。
「また、来まーーーーーーーーす。」
逃げてった。つまんないヤツ。営業スマイルだけで、逃げるとか…。ありえへん。
「また、イジメたの?」
「何のこと?」
どこがイジメたんだ。あれは、挨拶程度だぞ!
「かわいそーに。」
全然、かわいそうに思ってない。それに、笑ってるし。
「そこの二人!日直だぞ。」
「ヤベっ。」
思いっきり、忘れてた。
「隼人ぉ、プリントお願ーい。」
「はぁ?!お前は何やんの?」
「黒板。」
さっきは、全然使ってない黒板を消し出す。めんどくさい、仕事を押しつけられた。
「失礼しましたー。」
プリントの提出が遅いことと、ついでに、生徒会長を薦められた。めんどいことは、やらない主義。
「次期生徒会長。」
翔太に、冷やかしで呼ばれる。
「その言い方やめろ。」
ボディを殴ろうとしたら、避けられた。
「ちっ。」
舌打ち一つ。すかさず、蹴ろうとしたら逃げられた。
「おい、待てぇ!!」
「それ言ったら、待ってくれると思ってんの?!アホやな。」
昼休みやし、長い鬼ごっこになりそうや。
「どいてー!!」
追突。
「いってぇ!どっけて、聞こえなかったのか?!」
翔太は、知らない女子にぶつかる。
「すいませーーーん。」
女子は、逃げっていった。女子が転けたところには、ハンカチ。
「落とし物してんじゃねぇの?」
横を見ると、翔太の姿はない。
(逃げやがった。)
見覚えのある柄のハンカチ。よく見ると、それは…。
(‘GIVE ME’!!)
俺も好きだ。いや、大好きだ!
落とした本人は、屋上に上がっていくのがみえた。めんどいが、届けることにした。
ドアを開ける。
「あの・・・。さっき、ぶつかった人ですよね。」
「そうですけど・・・。」
「これ、あなたのですよね?」
背の低めの女子に手渡す。
「ありがとうござます。」
「あのさ、それって‘GIVE ME’だよね。」
単刀直入すぎたかもしれない。
「今日は、ありがとうございました。今日は、急いでるんで・・・。」
「好きなの、それ?」
受付まで、勢いよく走る女子。明らか、避けられている。
「あのぉ、今日はありがとうございました!!」
受付の窓枠に、札を置く。
「いいえ。それより、椎名さん。走らないでーー!」
「すいませーーん!!」
(あいつ、椎名さんっていうのか。)
後ろを振り返る、椎名さん。前にいるんですけど?
「椎名さん。」
「キャっ!」
小さい悲鳴。
「なんで、逃げるの?」
口を開かない。
「そんなに、あのこと知られたくない?言わないなら、キスしちゃうよ。」
変なことを、口走ってしまった。
「顔、真っ赤だよ。」
俺は、クスっと笑う。かわいいな、この子。
「桐生隼人。よろしくな。」
「えっ?!」
「携帯だして。」
俺の言うとおり、携帯を出す。俺は、携帯をダブルで使う。
「赤外線通信しといたから。メールしてな。」
キョトンとしてる。おもしろいヤツだと思った。
「待ち受け、カワイイな。」
‘GIVE ME’の待ち受けだった。
「私、急いでるんで。」
「ちょっと、待って!」
チャイムの音が聞こえる。仕方がなく、教室に戻ろう。
そのあとの授業は、身が入らなかった。
お久しぶりです、恋華です。
約半月ぶりとなりました。
この間に、いろいろありました…。
その話は、止めときます( ´△`)
最後になりましたが、
読んでくださった方ありがとうございます!
まだ続きますので、よろしくお願いします。
では、恋華でした。