親という翅
チュンチュンッ。チュン …
早朝の5時、鳥の声が聞こえる。
「んー。」
俺は布団から起き上がってボロボロのスマホを開く、今がチャンスである事を確認する為に。この時間帯は、…まだ寝ている。部屋のドアをやさしく開けた。足音を立てず階段を降りて 暗いダイニングに電気をつける。
カチッ
「…」ブーーーーン
そして冷蔵庫を開けて、中にある食材を確認する。
「食パン、チーズ、ケチャップ… マヨネーズ。牛乳もまだあるのか、ついてるな。」
すっかりお腹が空いてる俺は食パンにチーズを乗せてケチャップとマヨネーズでハートを描いてトースターに入れる。その間に歯磨きだ…
チーン
「出来たか。」
俺は出来上がったピザトーストを貪る。美味い…もう一枚食べたいな。うーん。
「頭が痒い…そういや先々週から風呂入ってないな。」
俺は冷蔵庫の中にあった牛乳を取り出して、飲んだ後、お風呂に向かう。流石に限界だ。
服を脱いで入ろうとすると鏡に映る自分が見えた。おなかを触る。
「…腹出てんな。」
ザーーー!
俺はつくづく思う、俺のせいじゃないと。何もかもあの毒親のせいだ。俺の人生が狂ったのは… そうだ、ぜんぶあいつらのせいだ。俺のせいじゃない。
子どもの頃は何も気にしなくていい、困ったら誰かが助けてくれるからだ。学校に行かなくてもいい、勉強が出来なくてもいい。大人になったら困るだけだからだ。今の俺のように…。だからこそあいつらがもっと金を持っていたら、俺はもっと自分に自信が持てていた。筈なんだ…
???「…おーい、入ってるのかー?」
ドンドン
うるせぇのが来たな、使えない無能のハゲが…。なんで今日に限って早起きしてんだ。ぶち殺すぞ。
「おう、入ってるぞ〜」
???「早く出ろよー。あとお前、早く仕事みつけろよー!」
「おう、わかった〜」
大人になると自分の管理は自分で出来ないといけない…。そうしないと体がボロボロになるからだ。…食事管理、掃除、身だしなみ、税金の支払い、スマホの契約、電気ガス水道、何もかも自分で出来ないといけない。俺か? 俺は自分で出来ない。俺がアタマのおかしい障害者だからじゃない。俺が自分で動く力をもっていないからだ
???「まだかー?」
「…」
それもこれも、全てこの毒親どものせいだ。俺に何も教えなかったこいつらのせいだ…。こいつらが悪い。こいつらさえ死ねば…、俺は生まれ変われるかもしれない。




