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禁止13
「まぁ、成り行きさ。だから気にしなくていい」
「そんな……」
と、おれの体が輝き始めた。
「ああっ」
「……どうやら、ネクストのワークでもあるらしい」
体が、宙に浮かんでいく。
「勇者様は、また新しい旅を始めるのですね」
「ああ……サンキュー!!!」
ここは、ありがとうって言いたかったなあ!!
手を振るシャケテラスを眼下に、おれの体は光に包まれた――
「ご苦労様でした」
光に眼が慣れてきたとき、前にいたのは、神務員だった。
光の中で、笑っているように見える。
「死ぬほど大変だったぞ!!」
「やぁ、まぁ、それは勇者の宿命ということで」
「ライトにトークするなよ!」
「何か、ルー大柴みたいですね」
「ユーのせいだよ!!」
「で、世界おこし協力隊の次の派遣先なんですけど、カタカナ語が禁止の世界に決まりまして、つきましてはすぐに向かって頂ければと」
「ふざけんなあ!!」
「転生なんて金輪際未来永劫こりごりだ~!!!」
完




