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禁止12
奴が滅びたあと、回復魔法をかけながら、剣を引き抜く。
「んぎぎ……!!」
まだアドレナリンがドバドバ出ているのか、痛みは感じない。
「ハァハァハァ……」
ふらふらだが、シャケテラスの元に向う。
「平気か?」
シャケテラスを抱え起こすと、まだ意識はおぼろげのようだった。
「邪主は……どうなりましたか……?」
「倒したよ」
「おお、流石勇者……! 召喚した私、ナイス……」
こんな時でも自己肯定感高いのいいな……。
「あっ! そ、その傷は……」
服の腹に空いた穴と、大量の血の跡に眼をむくシャケテラス。
「ヤツを倒すために、ちょっとな……」
「なんと……そこまで……」
シャケテラスが泣き始めた。
「お、おいどうした?」
「なぜ、見知らぬ私たちのためにここまで……」
「これがおれの覚悟だよ」
or
「まぁ、成り行きさ」




