恋愛小説家
ねぇ、貴方はいつだってそう。澄ました顔してデタラメ言ってばっか
たまには素直になりなって、私が何度言っても「素直だよ」って言って
私を安心させる為の嘘をついて
いつも不安にさせてる事に気付かないで
貴方はなんてドジなの。
少しは私の気持ちの裏を見てよ
甘い恋が欲しいの。そんなの夢の様な話なんだけど……。
貴方という存在がいるのだから、少しは期待していいでしょ?
そんな憧れを持って、私は恋愛小説を読む
なぁ、お前はいつだって素直過ぎ。涙も笑顔も少しは隠せよ
だから小さな声を使い「可愛い顔するな」って澄ました顔で言う
冷たいわけじゃないさ。クールにいないと
微笑んでしまいそうな胸の高鳴り
お前は可愛い過ぎなんだよ。
俺を悩ませるような裏の顔を見せてみろ
淡い恋を演じる。それが俺に出来る小さな努力だよ
馬鹿みたいに触れ合うのは柄でもないから
そんな憧れを隠し、俺は恋愛小説を書く
貴方が私を情熱的に愛してくれないから
私は『彼氏彼女の物語』という小説を読む
恥ずかしくてお前を素直に愛せないから
俺は『彼氏彼女の物語』という小説を書く
甘い恋がしたいんだ。でもそれは恥ずかしい程の想いで
どうしても素直になれないから
いつの日かの決意の為、恋愛小説は存在する
私は貴方にこうして欲しいの
この恋愛小説の様に
俺はお前にこうしたいんだよ
この恋愛小説の様に