2/12
平和への賛美歌
ライフルを抱えた少年が死んでしまった頃
僕達は何かしらに悩んで笑ってるだろう
眠れない夜に馴れてきた寂しがりの人類
朝になってしまう事を何故恨むのだろう
みんなが望む平和への賛美歌
殺される子供達を横目に歌う賛美歌
難病を抱えた女の子が死んでしまった頃
僕達は仮の病で病気面して休んでる
くだらない事にでも時間を使える事
寿命一年と言われた子供は何をするだろう
みんなが嫉む死人への賛美歌
飛び降りる自殺志願者に贈る賛美歌
何もかも意味が分からない出来事ばかりだ
だから僕等はその不思議を『魔法』と言おう
何もかも価値が有るなんて分かってしまえば
生きてやる事なんて無くなってしまうのだろ?
平和とは、いつまでも解けない『魔法』だ
平和とは、いつまでも終わらない『幻』だ
この世界が抱える生命の価値観とは、永遠に解けない『魔法』なのだろう
そして僕達が暮らす世界の平和とは、永遠に現れない『幻』なのだろう
それが分かっていても平和を願う生命の美学
平和を実物化しようと心から歌われる賛美歌
平和を願う『魔法』の賛美歌
平和を願う『幻』の賛美歌
神様、どうか耳を傾けてくれ……。